梅雨の最中に

教頭  上川 恵

 中央線はオレンジ色、総武線は黄色、と、各路線にはテーマカラーがあり、車両の色が決まっているのが一般的です。しかし井の頭線は違います。井の頭線の車両は、7色のカラーバリエーションと特別ラッピングのレインボーカラーの、全8種の色展開があります。子どもたちの会話にも「今日何色に乗った?」と、色について話しているのを耳にしたことがあります。電車好きの小さな男の子が、三鷹台の踏切では「あ!レインボーだ!」と喜んでいる姿も見かけます。私も、ホームに入ってくる電車の色を楽しんでいる一人です。 
 梅雨のこの時期、更なる楽しみは線路沿いに続く紫陽花です。京王電鉄のホームページによりますと、24,000株以上が植えられており、利用客の目を楽しませることに加え、雨水の流入による斜面の崩壊を防ぐ目的があるそうです。ピンク系ブルー系それぞれのグラデーションが見事で、車内にいるとあっという間に過ぎてしまうので、この時期ばかりはゆっくり走ってほしいと思ってしまいます。気分が晴れない雨続きの日でも、車両の色と紫陽花のグラデーションが、利用客の心を楽しませてくれています。ちなみに、シートにも小さな紫陽花の模様がデザインされています。

 

 6月16日は梅雨の合間の暑い日となりました。学校説明会で授業を公開したのは実に4年ぶりです。前の日、帰りがけの6年生に「明日はよろしくね。女学院の良さをしっかり伝えてね。」と声をかけたら「ありのままでいきます。」という返事。「ありのままを見せちゃって、大丈夫かな?」と、とっさに口をついて出てしまったのですが、「誤魔化したってすぐわかっちゃうから。」と、的を射る言葉が返ってきました。急場で繕ってもそれは本物ではありません。ありのままの子どもたちの姿が、私たちが一番お見せしたい、自慢の子どもたちの姿です。余計なことを考えた自分が恥ずかしくなりました。
 当日は、廊下まで人があふれるほどの来場者でした。見てもらうことが大好きな子どもたちは、いつもより張り切って授業に臨んでいる様子でした。

 

 今週からいよいよキャンプが始まりました。トップバッターは4年生、次に5年生と続きます。子ども達との関わりが少なくなってしまった私は、久しぶりに近い距離で過ごせることが楽しみです。日常を離れた特別な場所で、神さまは何か特別なことを用意しているかも知れません。子どもだけでなく、大人もまたキャンプを通して新しい自分に出会えますように。

 

≪ 進化中♪ 犬のいる学校生活 ―動物介在教育― ≫ 

 犬がいるから「楽しい」「うれしい」と思っているのは勿論ですが、それだけでなく、心に寄り添う存在になっていることがこの様子からわかります。温もりを感じる大きさや、人と心を通わせやすい性質をもつ犬ならではのことかもしれません。

 今年度、授業中は授業担当者が犬を預かり、廊下に歩行指導員(アイメイト協会)の方が待機する形式に変わりました。訓練が進んだ犬は、従うことができるリーダーがいれば安心して従ってくれます。動物ですから多少動きますが、ノーリード(紐なし)でも指示をしっかり出せばダウン(伏せ)をして待っています。子どもたちは変わらず落ち着いた態度で授業を受けています。変わらないといっても、子どもたちの授業を受ける気分は明るくなるそうで、授業担当者も然り、和やかな空気が教室に流れています。

 犬の登校日は限られますが、登校した日は教員も子どもも代わる代わるリードを持ち、礼拝から一緒に過ごします。授業時間は6〜8教室に行き、休み時間は6年バディウォーカーと散歩したりグラウンドを走ったり、寄ってきた子が撫でたり、めいっぱい一緒に過ごすことができる幸せな日となっているようです。
 動物介在教育とはどうあるべきか?協力してくださっているアイメイト協会の方も共に考えてくださり、学校生活に自然に溶け込みながら、温もりをそこかしこで感じる存在となっています。

 

 

 

≪ 東初協体育研究部主催 陸上記録会 ≫

 6月4日(日)に東初協体育研究部会主催の陸上記録会が行われました。4年ぶりに開催された本大会は、例年より少ない9校で行われました。当日は夏を感じる暑さの中、子どもたちは初めて他校の人たちといっしょに競い、汗を流す姿が見られました。たくさんの声援を受け、走り高跳びでは、6年生が新記録である124㎝にあと一歩という好成績を収め、ソフトボール投げでも今大会の最長記録を叩き出すなど、大活躍でした。
 同じフィールドに立つ、ちがう学校の選手たちの様子を見ながら、「あの選手の走り方がかっこいい。」
といった声も聞かれ、記録会の中でも見て学び、自分の糧にしようとする姿が見られました。
 夏休み明けの水泳記録会や、勤労感謝の日に行われる私学体育発表会に参加する子どもたちも多くいると思います。さまざまな体験や人との関わりが、さらに子どもたちの見聞を広める機会になればと感じています。