自分を愛するように

校長 児玉 純

 

ようやく日常が戻ってきました。通勤電車や飲食店での会食など、コロナ以前を上回る賑わいではないかと思えるほどです。本校も授業参観やプレーデー等、コロナによる制限は必要なくなり、様々な活動が以前のように行えるようになってきました。しかし、コロナ以前に戻ったと言っても、4年生以下の子ども達と私を含めた数名の教職員にとっては、立教女学院小学校のコロナ以前は、初めてのことばかりです。以前を取り戻すだけではなく、新しい視点、新しい工夫を加えながら行事の改善と精選を進め、子ども達の笑顔をさらに増やす1年にしたいと思います。

 

本校が目指す子ども像として「自分を愛するように他人を愛する」という姿が掲げられています。「他人を愛する」の前にある「自分を愛するように」という部分がとても大切だと思うのですが、私はいつも考えてしまいます。ただ単に「他人を愛しなさい」の方が分かりやすいと思ってしまうほどです。「自分を愛するように」とは、一体どのようなことを言うのでしょうか。

自分を好きになるとか大切にするという時に、自己肯定感とか自尊感情という言葉が使われます。どちらも今の自分を受け入れて、前向きになる感情だと思うのですが、この感情は自分の努力で育つ感情というより、まわりの環境によって高められる感情ではないかと思います。自分の良さを認めてくれる人や失敗したことに対して慰めてくれたり応援してくれたりする人が周りにいると、子ども達は自分に自信をもつことができます。子ども達に対してその役割をもつのは、親であり教師であり友達です。特に大人の役割は重要です。でも、私たち大人は、子どもの失敗にばかり気が向いてしまったり、できないことをつい責めてしまったりすることがあり、子どもの自信を知らず知らずのうちに奪い取っていることがあります。

先日の礼拝の中で岡崎先生が、「神様は、どんな自分でも丸ごと受け入れてくれて愛してくださるのですよ。」というお話をしてくださいました。たとえ優秀でも優秀ではなくても、すごく優しくても少し意地悪なところがあっても、成功しても失敗しても、神様はいつでもまるっと受け入れて愛してくださるというのです。この、「まるっと受け入れてもらえる安心感」は、自己肯定感に直結します。

「自分を愛する」ということは、自分が大切な存在であることを自覚することだと思います。ですから、私たち大人が子どもを丸ごと受け入れてあげること、何があっても自分を愛してくださる神様の存在に気づくことがとても大切です。立教女学院小学校の子ども達は、毎朝の礼拝で、日々の祈りの中で神様の存在を身近に感じられる環境にいます。子ども達が「自分を愛するように他人を愛する」ことができるように神様に祈ると共に、私たち大人も、子どもを丸ごと受け入れていきたいものです。

 

 心配されたインフルエンザの脅威が、本校にも襲いかかってきました。これから軽井沢キャンプなど大きな行事もあるので、まだまだ油断はできません。子ども達の健康を祈りつつ、予定の行事が行えるようになったことに感謝して1学期の後半を過ごしていきたいと思います。


≪プレーデー≫
 1950年から始まった立教小学校との合同プレーデーは、今年で73回目を迎えました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響で、2020年・2021年は2年連続で中止。昨年は、2学年ごとの分散開催となりましたが、降雨によりすべてのプログラムを行うことができませんでした。
 そして今年は、月曜日に順延となり、4年ぶりに通常通り開催することができました。当日は、5月にしては暑い日となりましたが、無事に終えることができました。
 立教小学校の男の子たちとのダンスは、練習の時よりも少し緊張しつつも楽しそうに踊っているのが印象的でした。紅白対抗リレーでは、まれにみる大接戦。観覧している大人も子どもも大きな声援を送っていました。
 6年生にとっては、小学校生活最後のプレーデー。体育の授業で感想を聞いたところ、「楽しかった~!」と言っている子どもたちが多く、有意義な一日となりました。

~日記より~
ラジオ体操を担当した6年生の日記を紹介します。
いよいよ私の番です。私の心臓はドキドキ鳴っています。ついに会場に音楽が鳴り始めました。目の前では、立教女学院小学校と立教小学校の子どもたちが私を見つめています。息を大きく吸って体操を始めます。途中、さわやかな風がふきぬけていき、神様も喜ばれていらっしゃるのかなと思いました。私はもう一歩成長することができました。


≪昇天日礼拝≫
5月18日(木)、小学生から高校生までの全在校生と教職員が高校の中庭に集まり、昇天日礼拝をまもりました。学院全体で集まるのは1年でこの日だけ。小学校聖歌隊は中学・高校聖歌隊と合同でアンセムをおささげしました。

 


≪1年生給食デビュー≫

入学してからひと月半がたった1年生は、早くお姉さんたちのようになりたくて、新しい生活に一生懸命に取り組んでいます。礼拝堂でのお祈り、45分間の授業、20分休みにジョイプラッツで遊ぶ……中でも一番の楽しみが給食です。

 給食は、「おやつ給食」から始まり、「ならし給食」と少しずつ品数が増え、ゴールデンウィーク明けから、とうとうお姉さんたちと同じ時間に食堂へ行き、同じメニューの給食をいただくようになりました。わくわくした気持ちを抑え切れず、ぴょんぴょん跳びはねそうになりながら、食堂へ向かいます。たくさんのお姉さんたちが集まる食堂の風景を見て目をきらきらさせている子もいれば、全部食べられるかなと心配な表情も見られます。それでも、大好きな6年生のお姉さんがグループに一人ずつ来てくれると安心した笑顔でいっぱいになりました。6年生は、慣れないリーダーさんのお仕事を上手に手伝ってくれたり、「これ美味しいから食べてごらんよ。」と勧めてくれたり、食後には片付けの仕方を一人ひとりに優しく教えてくれました。本当に頼もしい6年生です。1年生にとって、牛乳パックをたたむ作業は特に難しく、あっという間にたたんでしまう6年生の姿に、尊敬の気持ちでいっぱいです。

本のひろば開催のお知らせ 
―児童図書の展示会、及び販売の会- 

読んでよかった!と思える本との出会いを求めて、今年も本の展示会を行います。
この会の目的は次の通りです。

1.良書と出会う機会を作る
2.お友だちやご家族の方と一緒に本を選ぶ中で読書の楽しみをみつける
3.読書の幅を広げる  

本は、配布するリストの番号順に展示され、見て、欲しいと思った本を注文することができます。
納品は、学校またはご自宅へ。一か月ほど先になってしまいますが、是非、展示本から選書してご購入ください。読書の楽しみが膨らみます。

 

≪日 時≫
6月12日(月)10:30~16:30
6月13日(火) 8:00~16:30