神さまに委ねて

教頭 上川 恵

 新年度が始まり一月が経とうとしています。クラス、担任、教室、席、係、クラブ、委員会……新しい事の連続に緊張して過ごした子ども達も多いと思います。「仲良しの友達と離れてしまった。」「入りたいクラブや委員会に入れなかった。」など、自分の期待と違う現実がやって来ることもあるでしょう。しかし、期待と違ったということをいつまでも残念に思うのではなく、現実を受け入れ、前を向いて新しい世界を広げて行って欲しいと願います。保護者会でご紹介した「3本の木」のように、神様は私たちの想像を遥かに超えるものを、一人ひとりにそなえてくださいます。神様の大きな計画に身を委ねて安心して歩んで欲しいと思います。保護者の皆様もどうかそのように子ども達を励まして頂けたら幸いです。
 全校保護者会後、何人かの子ども達から「私たちも新しい遊具が見たい」という声があがりました。ご家庭で話題にしていただきありがとうございました。子ども達のために選んだ遊具ですので、コンセプトも含めて子ども達にも紹介したいと考えています。

 行事の多い4月は、6年生が学校を支えてくれています。どれも大切な役割ですが、このような経験が最高学年らしい姿へと成長させてくれます。一部紹介いたします。
【朝の1年生のお世話】
 靴の履き替えと手洗いを見る係、教室での朝の支度を手伝う係に分かれて、1年生のお世話をします。学校生活に慣れていない1年生にとって、頼りになる存在です。
【クラブ説明会】
 6年生のクラブ員が4・5年生向けにクラブ紹介をします。2分という限られた時間内にクラブの魅力をぎゅっと凝縮させ、趣向を凝らした思い思いのパフォーマンスを見せてくれます。ほんの数日でクオリティの高いものに仕上げられるのは、先輩達のパフォーマンスを見続けているからでしょう。伝統が子どもを育てています。
【歓迎遠足】
 6年生が楽しみにしていた行事です。1年生に合わせつつ、集団のペースから外れないように気を配り、楽しい思い出づくりを支えるという大切なミッションが与えられます。終えた後の心地よい達成感の中で、自分が1年生だったころのパートナーへ感謝の念が生まれる時でもあります。
【健康診断】
 ドクターの派遣と運営全てを外注する学校も多い中、本校は6年生が教員と共に運営スタッフとなり、全校一斉に健康診断を行うのが女学院流です。そのため前日の準備から仕事が始まります。今年は、準備の日が歓迎遠足でしたので、疲れもある中、6年生は放課後残って椅子や机を移動したり、掲示をしたり、器具を運んだりして会場設営をしました。
 当日はドクターの手伝いをしたり、1・2年生を各検査会場へ連れ歩いたり、使い終わった器具を洗浄したりなど忙しなく働きます。仕事の合間に自分の健康診断も行かなければなりません。
 今年は若い女性ドクターが多く、6年生は「かっこいい」と、憧れの眼差しを向けていました。ドクターの仕事を間近で見られ、職場見学、職業体験の場にもなっていると言えるかもしれません。6年生の働きにドクターの方からは「礼儀正しくしっかりしたお嬢様達」と評価頂きました。立派に働いてくれた6年生を誇らしく思います。

 新しい環境で、一人ひとりが与えられた仕事を全うしようと頑張る6年生の姿は、まさに立教女学院小学校が永く大事にして来た言葉「させていただく喜び」を体現しています。その姿は下級生がしっかりと見ていて、次へとつながっていくことでしょう。

 疲れが出る時期ですので、連休はスケジュールを詰め込みすぎず、のんびりと心と体を休めてください。

EASTER

≪歓迎遠足≫ ♫ようこそ 立教女学院 みんなのことを待っていたよ♪

 歓迎の気持ちを歌にのせて表現した6年生。歓迎遠足のこの日を本当に待ちわびていました。入学式の日、パートナーの名前を聞き逃すまいと、心の中で出席番号を数えながら確認していました。名刺交換、イースターのお茶会を経て、だんだんと仲を深めていき、やっとゆっくりと一緒に過ごせる歓迎遠足の日を迎えたのでした。「会話が続かなくなったらどうしよう。」「楽しんでもらえるかな。」という不安な気持ちもありましたが、出発前の歓迎の会で、1年生のキラキラした笑顔を前にすると、そんな心配も一気に吹き飛んだようでした。
 天候にも恵まれ、緑いっぱいの井の頭自然文化園に向かって出発。1年生の様子をうかがいながら手をつないで歩く姿はとても微笑ましく、ほんわかとしたやさしい空気に包まれていました。動物園の中では、元気いっぱいの1年生とさまざまな動物を見てまわりました。後ろから追いかけていく様子は、小さなお母さんのようでもありました。帰りの道では、6年生の方がヘトヘト。1年生のエネルギーに驚かされました。学校に到着すると、おうちの方々の笑顔のお出迎えにほっと安心した様子の1年生。大きなけがもなく、無事に行って戻って来られたことに感謝し、「また会おうね。」と言ってお別れしました。
 今日一日、ニコニコしながらも、6年生としての責任を感じながら、頭の中はとても忙しくいろいろなことを考えていたようです。6年生の教室に着くと、「たのしかったけど、疲れた~。」と、心地よい疲労感を味わっていました。これらの経験の一つひとつによって、6年生の成長が支えられていることを感じます。「6年生になっていく」姿を見守りながら、幸せな時間を過ごすことができました。

~日記より~
私がずっと憧れていた「妹」ができたような幸せな気持ちだった。
何か困ったことがあっても、「私にはお姉さんがついているから大丈夫。」と思ってもらえるように心がけました。
誰かを楽しませたり、「ありがとう」と言われたりするのは、本当に気持ちのよいことだとつくづく思いました。