積み重ね

校長 児玉  純

 1学期が終わりました。いろいろなことがありましたが、すべてが神様に守られて、恵みの内にあったことを感謝いたします。
 さて、先週軽井沢のキャンプが無事終わりました。千ヶ滝の立教女学院キャンプ場には、毎年3年生と6年生が訪れていますが、チャペルの耐震補強工事をすることが正式決定しました。この秋から基礎工事が行われる予定です。来春に外壁や柱の補強工事を行う予定です。来年のキャンプでは、リニューアルしたチャペルに子ども達と一緒に訪れることができると期待しています。長い間の祈りが聞かれたことに感謝したいと思います。

 キャンプの話を少ししたいと思います。私は今年、4年生の第Ⅰ期と3・6Aの第Ⅲ期の引率でした。子ども達にとっては3年生から6年生まで毎年行われるキャンプですが、毎年それぞれ意味合いや雰囲気が違います。3年生にとっては初めての宿泊行事ですが、キャビン(部屋ごとの宿泊グループ)には、頼もしい6年生がいつも一緒です。親元を離れて寂しくないのかと思いますが、そこは6年生が見事にカバーしています。荷物の片付けも時間を守ることにもあまり慣れていない子もいますが、それもキャビンの6年生が優しく教えてくれます。初めてのキャンプを思い切り楽しむ3年生の姿(羽目を外すこともあります)が印象的です。4年生はというと、2回目とはいえ、初めて自分たちの力でキャンプを運営することになります。分からないことがあったり、寂しくなったりしても、そばに6年生はいません。でもその分、自分たちの力で創りあげるたのしさ、難しさを味わうことができるたいへん充実した二泊三日です。5年生は、3回目のキャンプ、できることも多くなります。そして、目玉のプログラムは、自分たちで考える自由献立の野外炊事です。計画は家庭科の時間に立て、実際の調理は買い物も含めて現地で行います。3回目とはいっても一年ぶりに行う竈のたき付けや慣れないレシピと格闘しながら、自分たちで考えた献立を創りあげます。ある卒業生に聞いたところ、「他の班はハンバーグなどおいしそうなものを作っていたのに、私たちの班はご飯とお味噌汁だけだった。」と、当時の思い出を話してくれました。うまくいっても失敗しても、本格的なキャンプ気分を味わえるのが魅力です。そして6年生は、3年生をいかにたのしませるかが大きなねらいです。なかなか言うことを聞かない3年生にてこずる場面もありますが、ぴったり寄り添ってくる3年生を世話する6年生は、まるでお母さんのようです。2泊で帰る3年生とのお別れは、毎年涙、涙の歌の交歓で終わります。そして、3年生が帰った後、緊張がほどけていつもの自分たちの姿に戻った6年生は、思い切り盛り上がり最後の軽井沢キャンプをゆったりと楽しみます。
 このように、立教女学院のキャンプは4年間かけて6年生で完成します。どの学年もキャンプ前には、毎年しっかり時間をとって準備します。係やキャビンごとの話し合いや一人ひとりが自分の役割を考えて準備する時間が繰り返されます。「去年と同じ係をもう一度やりたい。」「去年とは違う係に挑戦してみる。」など、子どもによってそれぞれですが前年の経験を生かして次のステップにチャレンジします。まさに「積み重ね」です。6年生は、言うことを聞いてくれない3年生にいらいらすることもありますが、その姿に3年前の自分の姿が重なり「許す」ことができたり、3年間の自分の成長を感じることができたりするのです。6年生のキャンプ目標は、「人にたのしみを与えましょう」です。「人をたのしませなさい」と言われるのではなく、「どうしたらたのしんでもらえるか」を今までの自分たちの経験の中から考えられる6年生に成長しています。
 学校教育は、集団の中での経験を積み重ねることができる場です。小さな社会ではありますが、この中で工夫したり我慢したり助け合ったりと様々な経験を積み重ねます。このような経験が、高い自尊感情や精神的な回復力につながるとも言われています。そして、もっと大きな社会へ出て行ったときの自分の基準になっていきます。

 家庭教育でも、実体験は大切です。実際に経験することで、机の前に座っているだけでは得られない多くのことを学べます。これから始まる一か月半の夏休み、健康に安全に過ごすと共に、普段は経験できない様々なことを、できれば家族という小さな社会の中で自分の役割を自覚しながら経験してほしいと思います。保護者の皆様には、子ども達が失敗しないようにではなく、失敗したときに寄り添ってあげられるように見守っていただければ幸いです。そして、9月には、たくさんの思い出をお土産に、子ども達が学校に戻ってくることを楽しみにしています。

≪ キャンプに行ってきました‼ ≫

4年生

4年生は
「き」ぶんよく
「や」さしい気持ちで
「ん」~最高!と思えるように
「ぷ」んぷんせずにすごそう!という合言葉を掲げてキャンプを迎えました。
 いざキャンプが始まると、気温も低く、雨・雨・雨というコンディション。目の前にみすず山荘のきれいな芝生が広がっているのに、思いきり遊べない時間が続きました。しかし、そこはさすが4年生。みすず山荘の中で自分たちなりに遊びを工夫し、楽しく過ごすことができました。
 今年度の4年生の本領を発揮したのは、カレー作りです。みすず山荘は濃い霧に包まれ、湿気と闘いながらの野外炊事になりました。なかなか火がつかず苦戦しながらも、「木の組み方を変えてやってみよう。」「火が付いたよ!うちわであおいで!」と声を掛け合い、一つ一つの成功を喜びながら協力する姿に、成長と絆を感じました。最終的に、丁度よい加減に炊けたご飯としっかり煮込んだカレーが出来上がり、「おいしい~!」という歓声が広がりました。「雨の中の野外炊事も、貴重な経験だよね。」という前向きな言葉も聞かれ、外は雨でも、聖書の先生の教えの通り「心に太陽をもって」過ごす姿に、4年生のパワーを感じるひとときでした。
 最終日、出発前には3日間で一番の晴れ間が!そのわずかな時間に外でお弁当を食べ、軽井沢の気持ちよい空気や青々とした芝の香りを感じながら食事を楽しむことができました。どんな状況でも前向きに歩みを進める、素敵な4年生と過ごした、思い出深い3日間となりました。

5年生

 待ちに待った5年生キャンプ。わくわくする気持ちと共に関東に近づいてきたのは二つの台風でした。どうなるのかぎりぎりまで考えた末、今年度の5年生キャンプは一日遅れで始まり、二泊三日で行うこととなりました。
 軽井沢の山荘に着いた瞬間から手分けをして、キャビンのベッドを整えたり、野外炊事の準備をしたり、食材を買いに出かけたり……それぞれが自分の仕事を精一杯行い、夕飯に向けた野外炊事がスタート。家庭科の授業で考えた各キャビンのメニューを、みんなで一生懸命作りました。「ちょっと人参かたいかな。でもいける!」「水入れすぎたわりにはおいしいね。」「全然火がつかなかったけれど、なんとかできたあ。」など、それぞれの感想を言い合いながら、みんな鍋や釜が空っぽになるまで夢中でお代わりをして食べていました。
 最初の心配をよそにお天気にも恵まれ、二日目の登山、最終日のキャベツ収穫も無事に予定通り行うことができました。「たのしみを創り出しましょう」という5年生の目標通り、限られた時間の中でみんなが協力し、自分たちの役割を果たし、たのしむことのできた3日間でした。

3年生

 3年生は頼もしい6年生のお姉さんから、キャンプ準備の時にたくさんのことを教えてもらい、キャンプに向けて気持ちがどんどん盛り上がりました。キャンプ生活を「たのしみ」ましょう、という目標のもと、いよいよキャンプのスタートです。楽しみな反面、家族とは離れて数日間にわたり共同生活を行うのは初めてという児童もたくさんいます。そんな不安な気持ちも6年生が支えてくれ、泣き出してしまう人は誰もいませんでした。6年生と共に取り組んだおかげで、役割分担や行事などが次々と進んでいきました。キャビン紹介の時には、しっかりセリフを覚えてキャビン全体で劇を演じきり、誇らしい表情が見られました。野外炊事では慣れない手つきで大きな硬い人参を切る姿もあり、一つ一つの経験が積み上がっていくことを感じました。6年生とのお別れの時には、キャンプの前に何度も練習した曲を歌い、気持ちを届けようと頑張りました。
 憧れは人の成長のきっかけになります。たくさん6年生に支えてもらってキャンプをたのしんだ3年生は、この6年生の姿に憧れ、3年後、様々な経験を通して成長し、今度は自分たちがその時の3年生をたのしませてくれることでしょう。その日を心待ちにしています。

6年生

 6年生にとって最後のキャンプがやってきました。4年生、5年生では自分たちの学年だけでキャンプに行っていましたが、今回は3年生と一緒に行きます。準備の段階から、3年生のために何ができるのかを問い続けました。
 キャンプ準備は、3年生に渡すリーフレット作りから始まりました。「どんなことが書かれていたら、喜ぶかな。」「どんな内容が役に立つかな。」と、3年生の目線に立って内容を決めていきました。
 6月に入り、3年生と顔合わせを行いました。初めは緊張して、口数が少ない様子でしたが、キャビン紹介の劇づくりを通じて関わる機会が増え、徐々に距離を縮めていきました。キャンプ準備を進め、教室に戻るたびに、「3年生とちょっと仲良くなれた!」と喜ぶ様子がありました。
 いざ軽井沢に出発です。一緒にバスに乗り、バスレクをたのしみながらみすず山荘に到着しました。キャンプ場でのキャビン紹介や、野外炊事、キャンプファイヤーなど、どの活動でも名前を呼び合いながら共にたのしむ姿が印象的でした。学校では緊張して思うように話し合いが進まなかったキャビンのメンバー。お別れの時には思わず涙がこぼれてしまうほど、仲を深めることができました。
 3年生にとっては初めての、6年生にとっては最後のキャンプ。6年生の責任感と温かさを感じることのできた三泊四日となりました。