友のために

校長 児玉 純

 

 雲一つない青空の下、第74回合同プレーデーが行われました。季節外れの暑い日になりましたが、テントやミスト(霧吹き)など、熱中症対策が功を奏したか、競技中に体調を崩す児童はいなかったようです。6年ぶりに行われる本校でのプレーデー、本校としては必死に過去を思い出し、立教小学校のアドバイスもいただいて実施にこぎ着けました。朝の三鷹台駅や、児童のクールダウンのために利用した聖マリア礼拝堂とマキムホール(食堂)等の混乱など、今後の課題も見えましたが、保護者の皆様のご協力のおかげで子ども達の笑顔あふれる半日となりました。ありがとうございました。また、当日は朝早くから片付けまでお父さんの会の皆様にはたいへんお世話になりました。心から感謝いたします。
 先日の春のキリスト教週間の時に、日本基督教団 東美教会牧師(東洋英和女学院小学部のチャプレン)陣内大蔵先生からお話を聞くことができました。中風(脳卒中の後遺症で、全身または半身麻痺だったと思われる)で寝たきりの人を4人の友達がイエス様のところに連れて行ったという聖書の箇所からお話しくださいました。その時のキーワードは、「協力」でした。人のためにみんなで力を合わせて行動することをイエス様はとても喜んでくださるというお話でした。
 「協力」とは、2人以上で何かをしようとするときに、力を合わせることや心を合わせることをいいますが、私はこの言葉から二つの姿を思い浮かべました。一つは自分が属する集団の目的達成のために自分の力を発揮することです。協力によって得られた成果は、一定の範囲で自分に返ってきます。もう一つは、その成果は自分には返ってこないけど、誰かのため、何かのために力を合わせて行動することです。
 前者は学校では特に大事なこととして、教員も子どももよく口にします。学級のまとまり、グループの活動等、あらゆるところで「協力」の重要性が語られ、それを求めます。この「協力」により集団の目標が達成できたり、質が高まったりします。自己肯定感にもつながり、集団だけでなく個人の成長も期待できます。つまり、社会生活や集団行動の中では不可欠な考えです。
 一方、後者の「協力」は自分への見返りは何も期待しません。ただ、そこに助けを求めている人がいたらその人を助けるために力を合わせること、心を合わせることです。先程聖書に出てきた4人の友達は、中風の友のために何も見返りを求めず、いや、屋根を壊すなど、かえって非難を浴びるかもしれないというリスクを冒してまでこの友人のために「協力」して行動しました。イエス様は、その思い、その信仰をご覧になって深く心を動かされたのではないかと思います。
 立教女学院は、様々なボランティア活動を行っています。日々の祈り、献金、奉仕活動。そのどれもが見返りを求めないで、みんなで力を合わせ、心を合わせて行っている活動です。イエス様は、そんな私たちの活動をきっと喜んでくださっていると思います。また、ここで育つ子ども達が、友のために、人のために自分の力を惜しまず協力し合える人として成長するように見守っていてくださると信じています。この立教女学院が、さらに神様や人から愛される学校に成長できるよう祈りを合わせていきたいと思います。                    

≪ 5年生春のスタディツアー 茨城県常陸太田市金砂郷 ≫

 5年生にとって2度目となる、スタディツアー。1日目は田植えです。靴下を履いてさあ田んぼへ!足を踏み入れる時、怖がってなかなか入れない子もいましたが、気がつけばそんなことも忘れて深いところまで進み、夢中になって取り組んでいました。稲の持ち方、植える深さや間隔など、出発前には分からなかったことも丁寧に教えていただき、あらかじめ金砂の方々が引いてくださった田んぼの中の線に沿って、心を込めて真っ直ぐ稲を植えました。手元の苗がなくなると「おかわりください!」という声が至るところで聞こえ、田んぼの外から投げ入れられる苗のかたまりに「きゃー!」と興奮している様子でした。泥で汚れた靴下や手元も、思い出として心にしっかり刻まれたようです。交流会では、大きな拍手でお世話になった金砂の皆様をお迎えし、田植えで大変なこと、いつからこのお仕事をされているのかなど、田植えについて質問をしました。質問が終わると、家族の話題など田植え以外の話題でも会話が膨らみ、時間を忘れてしまうほどでした。あっという間に楽しい交流会が終わり、何度も練習を重ねてきた歌を心を込めて歌いました。少しでもこの感謝の気持ちが届いてくれるといいなと思います。

2日目は茶摘み体験。最初に、摘み方を教えていただきました。かごいっぱいに摘む人、厳選しながら摘む人など人柄がよく現れていました。摘んでいる最中にもカゴからふわっと茶葉の爽やかな香りが辺り一面に漂い、心までリフレッシュされました。奥久慈茶の里公園の菊池さんは、西福寺の僧が宇治から持ち帰った茶実を撒いたことからお茶の栽培が始まったことなど、奥久慈茶の歴史について教えてくださいました。

スタディツアーを通して、農業に携わる方々の思いや、お米が作られる様子など、本物に触れる貴重な体験ができました。地元の方々との心のつながりを大切に、実生活でもこの学びを生かしてほしいと思います。

~~~~~~日記より~~~~~~
・とちゅうまで植えた後に、自分が植えたところを見てみると、まっすぐ苗が並んでいて、ほこらしい気分になりました。
・お茶の葉をつんでいると、鳥のさえずりや茶の香りがしてとても自然を感じられてよい経験になりました。
・お茶の葉でチヂミを作りました。お茶の香りが口の中でふんわりと広がり、さくさくでおいしかったです。

≪ 6年ぶりに立教女学院での合同プレーデー ≫ 

 立教小学校との合同プレーデーは、今年で74回目を迎えました。今年は、2018年以来、6年ぶりに本校を会場として開催。連休明けから本格的に練習がスタートし、フォークダンスや競技などに取り組んできました。
 当日は、5月にしては非常に暑い日となりました。初めてグラウンドにテントを張ったところ、大きな体調不良もなく、最後まで元気に過ごすことができました。立教小学校の男の子たちとのダンスでは、練習の時よりも少し恥ずかしそうな表情を見せながらも、楽しそうに踊っているのが印象的でした。紅白対抗リレーや1000m走では、観覧している大人も子どもも大きな声援を送り、とても盛り上がりました。5月恒例行事のプレーデー。心地良い疲労感とともに、思い出に残る1日になったことと思います。

~~~~~~日記より~~~~~~
・男の子と女の子が手をつなぐと、ふたつの学校がひとつになった気分でした。(2年生)
・ダンスは、男の子とおどるのが少しはずかしくててれくさいと思っていたけど、実際に曲が流れ出すと、意外と男の子たちもちゃんと手をにぎっていっしょにおどってくれました。やさしかったので、安心しました。(4年生)

 

≪ 3年生三鷹台たんけん ≫

 雨天により、一度延期になった三鷹台たんけん。この日も、出発直前まで霧雨が降っていましたが、暑すぎず歩くのにはちょうど良い気候の中、出発することができました。
 三鷹台周辺の地図を手に、どんな建物があるのか、どのような土地の使われ方をしているのかに気をつけながら歩きました。社会科で学習したばかりの地図記号を使ってワークシートを完成させるのが楽しく、「いま、橋の上を渡っているね。」とか「あ、ポストがある!郵便局だ。」と、普段ならばあまり目にとめなかったものにも発見の喜びを感じていました。
 雨上がりの玉川上水沿いの遊歩道では、道幅いっぱいに広がった大きな水たまりに何度も出会いました。歩ける場所を探して、そぉーっと渡ります。水たまりに落っこちてしまいそうで、キャーキャー言いながら、これも心に残る思い出の一つとなりました。
 地図記号をかきながら、三鷹台周辺には思っていたよりも畑や果樹園が多く、自然に囲まれていることに気づきました。ぶどうやキウイが栽培されている様子に驚き、特にキウイの「赤ちゃん」は見たことがなかったようです。「これは何でしょう?」とクイズを出しても、「シャインマスカットかな?」「いちご?」と、なかなか正解にたどり着けません。「キウイ」だと聞くと納得。確かに小さなキウイの実が顔を出していました。この様に実をつけているのだと知り、大きく育ったキウイもまた見に行きたい気持ちになりました。
 この後は、自分たちが住んでいる地域へと学習を発展させていきます。自分の住んでいる所の周りには何があるのだろう、と周りの様子に興味をもって社会とつながっていく目を養っていきたいと思います。