秋に想う
校長 児玉 純
読書の秋、食欲の秋など、一年の中で一番過ごしやすい季節がやってきました。そして、実りの秋。農家の方が丹精込めて世話をされ様々な農産物が豊かな実りを迎えるときでもあります。しかし、今年の秋は例年とは違う状況に心が痛みます。今まで私たちが経験したことのないような大雨の影響で、多くの田畑が水没し、黄金色に実った稲が横倒しになり水浸しになっているニュースが繰り返されています。先日行われた5年生のスタディツアーでは、そのことを実体験することになりました。
当日の予報は、ほぼ雨。ところが現地に着くと空は何とかもちこたえています。雨天プログラムの準備をして待っていてくださった金砂の鈴木さんに、「何とか一人一刈りでも体験させてあげたいのですが。」と無理を言って田んぼまで出かけました。ところが、春に田植えをした田んぼには、10センチほどの水がたまっていました。例年なら、乾いた田んぼで稲刈りができるはずでした。さらに真っ黒い雲が近づいてきたので、一人一刈りずつ、1分1秒を争うように稲刈りを体験しました。全員が終わるのを待つかのように土砂降りの雨になりました。‘金砂オールスターズ’の皆さんには「JAだってこんな状況で稲刈りなんかしてないよ。」と言われてしまうほどでした。
6年生のスタディツアーでも、「南三陸町特産の牡蠣やホヤ、鮭が捕れなくなった。」というお話を毎回聞くようになりました。潮の流れが変わって海水温が上がってきているため壊滅的な被害があるということです。その代わりに伊勢エビが捕れたりするそうですが、本格的に取り組むにはリスクが大きく対応に苦慮しているとのことでした。
今年は自然を相手にお仕事をされている方達のご苦労を改めて知らされる日々ですが、私たち立教女学院小学校の子どもたちは、そのことを第三者としてではなく自分事として感じることができるのではないかと思います。もちろん、ご苦労だけでなく収穫の喜びを生産者の方の笑顔と共に体験できることは大きな恵みです。お米を食べる時、ぶどうを食べる時、〇〇さんの顔が浮かんでくる、お店で並ぶお魚を見てどこで捕れたものか気になってしまう、そんな子が多いのではないかと思います。それは、私たちのスタディツアーのねらいである「その土地で暮らしている方達との交流」の成果であり、見たり聞いたりして知識を積み重ねるだけの学びではないからです。
稲刈りが十分できなかった金砂では、‘金砂オールスターズ’の皆さんが、屋内でも楽しめるように「スイカ割り」を準備してくださってました。5Bが行った時も5Aが行った時も、全員が(教員も)スイカ割りを楽しむことができました。毎年、雨が降った時の心配までしてくださり、笑顔で迎えてくださる多くの方がいます。最後に歌う子どもたちのお礼の歌を楽しみにしていてくださる方がいます。その方達のおかげで、立教女学院小学校の子どもたちは幸せな時間を過ごし、貴重な体験をすることができるのです。
昨年は、経験のないほど暑い夏でした。今年は、経験のないほどの大雨に見舞われた日々でした。大きな被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。一日も早く日常が戻りますようにお祈りします。思い起こせば、本校も軽井沢キャンプから今まで、すべての行事で雨の影響を大きく受けた年だったように思います。(8月のオーストラリア国際交流の出発日も警報が出たほどの大雨の日でした。)地球全体の気候が10年前とは明らかに違うように思います。そんな中で私たちは何ができるのでしょうか。自分の国だけの利益や目の前の幸せだけを追い求めてしまう風潮もありますが、今できることや今日やらなくてはいけないことを一つずつ積み重ねることと神様のみこころを求めて祈ることしかできないように思います。でも、そのことが一番大切なのではないかとも思います。
実りの秋。子どもたちは様々な行事を通して多くのものを自分の中に蓄えていきます。豊かな実りを自分自身で感じながら成長していきます。その実りを一人ひとりが実感できる秋になることを期待しています。
5年生 秋のスタディツアー 茨城県常陸太田市金砂郷
春の田植えから月日が経ち、バスの車窓から見えたのは、黄色く色づいた田んぼでした。あいにくの雨で、ぴかぴかの黄金色とまではいきませんでしたが、子どもたちは「春と全然違う!」と、実りの秋の訪れを肌で感じ取っているようでした。
1日目は雨にも負けず、全員が自分の手で鎌を握ってなんとか稲刈りをすることができました。作業後には地元の方々がたくさんのスイカを用意してくださり、にぎやかなスイカ割りがスタート。地域の方々の温かいおもてなしのおかげで、笑顔いっぱいの交流の時間をもつことができました。
2日目の武藤観光農園では、「美味しいぶどうの見分け方」を教わりながらぶどう狩りに挑戦しました。じっくりと吟味して最高のひと房を探したり、直感を信じて即決したりと様々でしたが、自分で選んだぶどうを手にした子どもたちの表情は満足感でいっぱいでした。天候に左右される農家の方々の苦労や、ぶどうが1年かけて愛情深く育てられているお話を聞き、子どもたちもひと粒ひと粒のありがたみを深く感じたようです。「自分の目で見て、触れて、心で感じる」学びがたくさん詰まったスタディツアーとなりました。
6年生 スタディツアー 宮城県南三陸町
東日本大震災から15年が経ちました。当時生まれてもいなかった子どもたちが、南三陸を訪れて何を感じるのだろうと、期待と不安を胸に出発の日を迎えました。
1日目は旧大川小学校や高野会館、防災対策庁舎、3.11メモリアルなどを訪れ、語り部の方から震災当時の様子や心境を伝えていただきました。悲しい出来事として語るのではなく、私たちに一生懸命伝えようとしてくださる姿に胸がいっぱいになりました。
2日目は南三陸の豊かな自然を満喫します。漁業、農業などを体験しました。南三陸産ワカメと、そうではないワカメの食べ比べをしたり、海藻をふんだんに使ったふりかけ作りをしたり、とれたてのりんごを丸かじりしたりと五感を使って南三陸を味わいました。温暖化やゴミ問題など、私たちが考えていくべき課題も知ることができました。
3日目はYES工房を訪れ、林業について学びました。オリジナルのペン立て作りではパーツの配置にこだわって、一つひとつ素敵な仕上がりとなりました。その後は新鮮な魚を使った海鮮丼を食べ、さんさん商店街でのお買い物を楽しみました。
現地では、毎晩クラス全員で振り返りを行いました。その日に聞いたこと、感じたこと、考えたことを自分なりに整理し、言葉にして共有します。子どもたちを見ていると、その日に出会った方々のことを思い浮かべながら丁寧に振り返る様子がありました。単に南三陸に行くだけでなく、現地でたくさんの方と出会い、言葉を交わし、温かさに触れることで、そこで過ごした時間が、より深く子どもたちの心に刻まれていくのだと感じました
2年生 生活科 「深い海のいきものたち」出張授業
2年生は、NPO法人チームくじら号の先生方をお招きし、深海のいきものについてのお話を伺いました。代表の佐藤孝子先生は、立教女学院中学校・高等学校の卒業生であり、2年生にお話しできること、久しぶりに緑豊かな学院を訪れることをとても楽しみにしてくださっていました。
ギターの演奏とすてきな歌で公演は始まりました。作者である佐藤先生が『くじら号のちきゅう大ぼうけん』の絵本を読み聞かせながら、私たちを深海の世界へ。大きなスクリーンに次々と深海のいきものたちの映像が映し出され、迫力満点でした。その後、潜水調査船「しんかい6500」に乗船した経験を伺ったり、深海クイズを楽しんだりしました。クイズの中で、「しんかい6500」の定員は3名だけであると聞き、その少なさにみんなで驚きました。
45分間では時間が足りず、2年生はもっとたくさん質問したい気持ちがあったようです。チームくじら号の先生方とのかかわりを通して、まだまだわからないことがいっぱいの深海に魅力を感じ、興味をひろげる機会となりました。
第49回 私学水泳記録会
成蹊小学校のプールをお借りして水泳記録会が行われました。当日は、都内の私立小学校9校から男女合わせて約100名の児童が集まり、日頃の練習の成果を発揮しました。
本校からは、7月末に行われた選考会を経て、学校代表として5年生2名、6年生5名の計7名が出場しました。選手たちは、それぞれが自己記録の更新を目指し、緊張感のある雰囲気の中でも最後まであきらめず、一生懸命に泳ぎました。
また、普段は見ることのできない他校の優れた選手の泳ぎを間近で見ることができ、大いに刺激を受けた一日となりました。今回の記録会で得た経験を自信につなげ、今後のさらなる成長に生かしていってほしいと思います。