バトンをつないで149年

教頭 上川 恵

 晴天の中、運動会を終えることができました。運動会の楽しみは、競技・ダンス・応援を仲間と一緒に楽しみ、一体感や達成感を味わうことや、保護者の皆さまも含め、みんなで思い出を共有することです。加えて毎年楽しみにしているのが、来賓としてお招きする旧教員の方々とお話しすることです。今年は昔の運動会の話を伺うことができました。その時の話を元に、昔の運動会のことを調べてみました。

 学院が久我山に移転したのは1924年。資料室には1929年の園遊会の写真が残っています。運動会を兼ねた行事だったようで、ちょうちんブルマ姿の女学生が表現を楽しみ、先生とお弁当を囲む様子が写っています。校内の畑で収穫したトマト、キュウリ、ナス、タケノコを陳列している様子も写っています。
 小学校の設立は1931年。運動会の始まりは定かではありませんが、「立教女学院小学校回顧五十年」には、次のように記されています。
「戦前の運動会は、小学校、女学校合同で学院の校庭で行われていた。お昼になると生徒も父母も教職員も共に松林や芝生で食事をするなど、和やかな雰囲気であった。」

  戦争による中断を経て、戦後は学校教育法に基づいて小学校六年、中学校三年、高等学校三年の制度となったため生徒数が増加し、運動会は外部のグラウンドを借りて行うようになります。合同運動会はその後しばらく続いたようです。
 1968年度の5年生の文集に、「運動会」と題した文章を見つけました。
 「いよいよ小学校・中学・高校・短期大学の人達が今まで練習してきたことを見せる日になりました。午後になって私は高二の競技(借物競争)に出ました。高二のお姉さんは走るのが速くて、引きずられそうになりました。」

  学年を超えて一緒に競技に参加していたことが、この文章からうかがえます。同じ年の校務日誌には、こんな記録がありました。
「運動会。宵、曇りがちであったが好天に恵まれ一日を楽しく過ごすことができた。●●先生(個人名は控えますが当時の聖書の先生)、教職員競技の際アキレス腱を切り直ちに病院で手術。約1ヶ月は治療に専念することになる。」 

 先生方も張り切って参加されていた様子が伝わってきます。このエピソードは、私が就任した頃に何度も耳にした話で、ハプニングネタとして長く語り継がれていました。
 1978年から、小学校と中高は別々に運動会を行うようになりました。合同では出番が少なく、待ち時間が長くなることが大きな理由だったようです。学院行事として残すか、児童生徒の自主性や能力を発揮する機会を増やすか、当時の先生方はずいぶん悩まれたのではないかと想像できます。
 各校別々で運動会を行うようになって約50年が経ちますが、その間、3回だけ合同運動会が復活したことがありました。1999年〜2001年、現校舎建築の時です。当時のプログラムには、天使園から高校までの参加が記されています。低学年以下は午前で終了し、その最後には全員参加の種目が組まれていました。おそらくじゃんけん列車の類かと思われます。かつての合同運動会のように、年齢を超えた交流を願っていたのでしょう。会議資料には、次の言葉が残っていました。
「校庭がないから仕方なく合同で行うのではなく、学院に集う人たちの交流の場としたい」

 先週行われた学院創立149周年記念礼拝では、創設者であるウィリアムズ主教、関東大震災後の再建に尽力されたマキム主教、そのバトンを今日までつないでくださった方々に思いを馳せ、感謝の祈りをお捧げしました。時代の移り変わりにより短大および天使園が閉鎖され、小中高だけになった今、全児童生徒教職員が集う行事は昇天日礼拝のみとなりました。脈々と受け継がれる建学の精神と合わせて、人と人との交わりも忘れずに大切に受け継がれていくことを願います。
立教女学院短期大学    1967年開学〜2021年廃止
短期大学附属幼稚園天使園 1970年開園〜2018年閉園

 

2026年度 運動会

 気持ちの良い秋晴れのもと、今年も無事に運動会を開催することができました。たくさんのご声援ありがとうございました。各学年の様子をお届けします。

1年生

 1年生にとって、全校で一緒に取り組む大きな行事としても、初めての運動会。練習では、6年生に大玉送りのコツや玉入れの上手な投げ方を教えてもらい、チームの戦力として、仲間になれたことが誇らしい様子でした。運動会当日、特に笑顔が輝いたのはダンスの時でした。動物に変身した決めポーズに、上級生から「きゃー、かわいすぎる!」と大歓声を受け、ピンクと黄色のポンポンを元気いっぱいにふって応えていました。

2年生

 踊るのが大好きな2年生。練習の時から、いつでも元気いっぱい、全力で踊っていました。図工で作った花の髪飾りには、それぞれの思いが込められて、色とりどりの仕上がりとなりました。「箱ベ!運べ!」では、当初、3つの箱を運ぶことに挑戦していました。が、風の影響を大きく受けてしまい、箱を落とすペアが続出。箱を2つに変更し、うまく運べるコツを研究しました。本番は、心地よい緊張感と穏やかな風の中、今までで一番スムーズに運べたペアが多かったようです。 

3年生

 「鳥たちの歌を聞きに行こう」では、集団の動きに加え、グループや個人の表現をダンスで見せました。前半は音楽に合わせた隊列移動で息の合った動きを見せ、中盤はグループで相談し作り上げたダンスを披露。後半はクライマックスとなる足並みを揃えた大風車から、「烏(からす)」の曲に乗せたウェーブで退場となりました。図工科とコラボして作った背中の羽飾りも羽ばたき、生き生きとしたダンスになりました。

4年生

 今年の4年生は、山形県の民舞「花笠音頭」を踊りました。2学期の始業と共に、先に振付を覚える先発隊を募集しました。約20人の頼もしい先発隊は、困っている友達に振付を丁寧に教えたり、みんなの前で見本を踊ってくれたりしました。「先発隊のおかげで上手くなった。」という声もあり、民舞の練習を通して協力や感謝の気持ちについて改めて考えることができたようです。色とりどりの襷、花飾りと、華やかな笠をもって笑顔で踊る姿と、元気に響き渡る掛け声が忘れられません。

5年生

 5年生の旗体操では、腕の位置や旗の高さを意識して練習を重ねました。グループでのオリジナル演技の部分は、何度も話し合いながら動きを作り上げ、当日は4色の旗が青空に美しく映えていました。競技の大玉運びリレーでは3人で運ぶ難しさから、練習では何度も大玉を落としていましたが、試行錯誤を重ね、本番では見事な連携で接戦となりました。初めての係活動も立派にやり遂げ、これまでとはひと味違う責任感と成長が感じられる、充実した運動会となりました。

6年生

 小学校最後の運動会ということもあって、準備の段階から大変な盛り上がりを見せていた6年生。今年は新たな試みとして、ポンポン、リボン、フープ、ボールの手具を使ったダンスに挑戦しました。ダンスリーダーを中心に、手具を活かしたダンスについて試行錯誤を重ね、完成させました。また、運動会準備期間は自分たちの競技やダンスだけでなく、綱引きや大玉送りの作戦を考え他学年に伝えに行くなど、学校全体のために働く場面が多くありました。全力を出し切ったあとの子どもたちの表情は、満足感でいっぱいでした。

芸術鑑賞会

 今年度の芸術鑑賞会はHAL&PANDAさんをお招きして、ゴスペルを楽しみました。ゴスペルは神様からのよい知らせ(=福音)を歌う教会音楽です。心の奥底から湧き上がるような信仰の喜びが、パワフルな歌声に乗って礼拝堂の隅々まで響き渡りました。はじけるように明るく朗らかな、お二人の歌声とパフォーマンスに、子どもたちの目と耳があっという間に引き込まれていきます。毎日オルガンとともに、心静かに聖歌を歌ってきたチャペルにあふれた、リズミカルでエネルギッシュな音楽。呼びかけと応答を繰り返したり、手拍子を送ったりしながら、みんなでゴスペルの世界観を楽しむことができました。ゴスペルが生まれたきっかけは、必ずしも明るく前向きなものではありません。虐げられ苦しむ人々が、それでも神様への信頼を持ち続けたことによって生まれ、受け継がれてきたものだからこそ、時を超え文化を超えて人々の魂に訴えるものがあるのだと、改めて感じるひと時となりました。
 「曲に合わせて自然と体が動き、歌詞のもつメッセージが深く心にしみ通った」「いつもの聖歌より、自分の言いたいことが言葉になっている感じがして泣きそうになった」「かみさまとなかよくなれるような気もちになりました」。音楽に包まれて心の中にまっすぐに伝わった神様の大きな愛が、これからも子どもたちの支えになり続けますようにと祈りました。

1・2年生 秋さがし

 1・2年生は、井の頭公園へ秋さがしに出かけました。風が気持ちよく、晴天に恵まれ、歩いているうちに暑くなってしまうほどでした。神田川沿いをおしゃべりを楽しみながら進みます。歩いている途中で、ドングリやとちの実、赤や黄色の葉っぱ、小枝など、気に入ったものが見つかると、うれしそうに袋に集めていました。後で行う工作のことを思い浮かべ、「これは使えそうだな。」と考えながら拾っていました。風が強く吹いた時に、パラパラと頭の上からドングリが落ちてきてびっくり。今、落ちてきたばかりのきれいなドングリを拾うことができました。冷え込みが今一歩だったからか、紅葉の美しさを見られなかったのが残念でした。持っていった袋は、学校に着くころには、秋の宝物でいっぱいになっていました。
 学校に戻ってから、今度は工作です。2年生が「こんなものを作ってみよう!」というアイディアをもちつつ、今日出会った「秋」を加えて好きなものを作りました。色画用紙や段ボールを効果的に使ったり、ドングリやとちの実にドリルで穴をあけてたこ糸を通したり、それぞれのペアで相談しながら工作を楽しんでいました。
 2年生は、昨年、お姉さんに優しく教えてもらったことが心に残っており、1年生にもその思いを感じてもらいたいと思っていたようです。1年生が楽しめるように気遣うかかわりが多く見られ、ゆったりとしたよい時間が流れていました。