見方を変える
校長 児玉 純
先日の学年発表会、クラブ発表会では、大勢の保護者の皆様にご来校いただき、子ども達の演技を応援していただきました。心から感謝いたします。1年生から5年生までは6年生に対する感謝とお別れする寂しさを胸に、精一杯の演技ができたのではないかと思います。また、6年生の英語劇「FROZEN」は、見ている全員が感動する熱演でした。6年間ここで学び育った姿に、下級生の憧れのまなざしが集まった素敵な時間でした。
時々お話ししていますが、私は星を見るのが好きです。この冬は金星や木星の他、火星や土星などがとてもよく見えました。冬の星座の定番といえば、オリオン座、ぎょしゃ座、雄牛座、双子座、おおいぬ座などがあげられます。寒いのですが、空気が乾燥しているのでとてもきれいに見えます。昔の人たちは、スマホもテレビもない時代にこの星空を見ながら、夜空に様々な絵を描いて星座や神話を作っていったのだと思うと、夜空にロマンが広がります。
ところがこの星座は地球を離れて遠い宇宙から見ると、その形は違うはずです。それは、私たちは2次元的に星座を見ていますが、実際は奥行きがとても深い3次元の世界、さらにその距離があまりにも遠いために時間も影響するほどの4次元的な世界だからです。いつも変わらずその姿だと疑わない星空も、見方が変わると全く違うものに見えてきます。
これは、いつも私たちが見ている身近なもの、身近なことにも当てはまる場合があります。子ども達はその視野の狭さ故に、大人は固定観念という自分の中の常識の故に、本当の姿に気づかないことがあります。先日の朝の放送で、4年生のLinkの授業の紹介がありました。子ども達は自分を見つめ、友達と意見交換しながら自分を見直すことで、今まで気づかなかった自分の姿、自分自身を知ることができたとまとめていました。視野を広げ、視点を変えたことで今までの自分と違う自分を見つけることができたのではないかと思います。
私がいつも気をつけなくてはいけないと思っているのは、目の前の子どもをどう見るかということです。「この子はこういう子なんだ。」「あの子はいつもあんなだな。」これは一面に過ぎません。子ども一人ひとりの見えない部分や隠されている部分、これから見えてくる様々な可能性を探ったり予想したりしながら子どもの成長を見ていきたいと思います。残念なことに、見方を変えることは子どもより大人の方が苦手です。固定観念を壊し、意識的に見る角度を変えないと本当の姿が見えてこないものです。性格、友人関係、持っている力、これから伸びる力、全てを広い視野で、いろいろな角度で子ども達を見ていきたいと思います。
3月を迎えました。「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」と言われますが、終業式、卒業式までわずか3週間、一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。最後になりましたが、3月は卒業式です。6年生73名が、夢と希望に胸をふくらませ、小学校を巣立って行きます。6年生の門出を祝福するとともに、中学での活躍を祈っていただけましたら幸いです。
≪ 2年生まつり ≫
1年生のみなさんをご招待して2年生まつりを行いました。
2年生まつりの準備は12月から始まります。1年前に、今の3年生のお姉さんたちがどんな気持ちで迎えてくれていたのかを想像し、「とにかく1年生を楽しませたい」「すてきな思い出にしてほしい」と目標を考えていきました。お店の名前や内容・個々の役割・必要な道具・教室のレイアウトなど、ほぼ全てのことを自分たちで話し合って決めます。喧嘩をしたり、譲り合ったりしながら、どのグループも紆余曲折を経て準備を進めました。これらの協働的な活動を通して、子どもたちは本当に豊かに学びを得ることができます。
2年生まつり当日。朝から緊張していた子たちも、次から次へとやってくるお客さんを前にそれどころではありません。1年生に喜んでもらいたいという一心で働く子どもたちの凜々しい顔は、すっかりお姉さんに変わっていました。最後には2年生同士でもお店を回り合い、自分たちの成果を讃え合いました。誰かに与えることの喜びを、たくさん知ることができた1日。中学年に向かって大きな一歩になりました。
~日記より~
・1年生はとてもよろこんでくれました。じゅんびしたかいがあったなあと思いました。
・12月からやってきて、とてもくろうしたりケンカしたりしたけれど、今までがんばってこられたことがとてもうれしかったです。来年、今の1年生が今の私たちみたいに新1年生を楽しませてあげてほしいです。
・2年生だけでなく、毎年おまつりでぜんぶの学年をよろこばせられたらいいのになと思いました。
≪ 租税教室 ~6年生 社会科~ ≫
公民の学習の一環で、本校の卒業生でもある税理士の大久保なつきさんをお招きし、租税について学習しました。「税金」という言葉はもちろん知っているものの、その仕組みや使い道までは、あまりよく知らない6年生たち。学習を通して、税金がない世界は、公共施設や公共サービスが機能しない、暮らしにくいものになってしまうことを理解し、その大切さを実感したようでした。
特に盛り上がったのは「国づくりゲーム」。クラスを2つのチームに分け、税金として集められた財源をもとに、どのように国づくりをしていくかを話し合いました。「警察署」「医療(生涯無料)」などを必要なもの、「公園」を必要でないもの…と分類していく中で、あるチームが「学校」は必要ないという意見を出しました。学校がなくても、iPadなどを活用して学習すればよいという考えのようです。すると、もう一方のチームから「なぜ学校がなくてもいいのですか?」「友人関係を築くというのも、大切な学校の役割です!」と質問や意見が次々と出て、活発な議論を交わしました。限られた予算の中で、国民にとって必要なものを取捨選択する難しさを理解すると同時に、集めた税金の使い道を決める政治家たちを選ぶ選挙の重要性を再確認できた様子でした。
~児童の感想文より~
・租税教室を受ける前は、「税金など、なぜあるのだろう?」「なければいいのに。」などと 思っていたけれど、授業を受けて、公園や道路や工事なども全部税金でできていると初めて知りました。
・国づくりゲームで、最初は「自分のチームは納める税が少なくてラッキー!」と思っていました。しかし、十分な町が作れず、自分が負担する額が多くなってしまいました。
・税金の使い方を決める国会の人達は、私達が一人ひとり自覚を持って投票しないと、変な税金が作られてしまうので、将来はきちんと選挙に参加しようと思いました。
≪ お父さんの会 1年間を振り返って ≫
「すべては娘の笑顔のために!」と、日頃より活動してくださっているお父さんの会。今回は、各学年の1年間の歩みをまとめました。活動報告の詳細はホームページにも記載されています。ぜひ、ご覧ください。
~1年生~
1年生は1・2年生合同でのスポーツ大会、科学技術館・北の丸公園の探索、カレー作り、ペットボトルロケット作りを行いました。 まだまだ子どもたちだけでは、できることが限られる1年生ですが、その中でも「自ら考え、動き、新たな気づきを得ること」を大事にしてまいりました。多くの方にご参加頂き、楽しい思い出と、新たな発見を積み重ねながら1年間活動することができました。
~2年生~
2年生は、できるだけ多くの方に参加いただくことを目指して企画をしました。まず、恒例となっている1・2年生合同スポーツ大会を実施。親子で様々な競技を行い、汗を流しました。1年生のお父さんも初めてのイベントを楽しんでいただけたかと思います。秋にはBBQ・かき氷大会を開催。普段見せない父親の姿を娘に見せることができました。また、お父さんだけの様々な懇親会も実施し、親睦を深めています。お父さんの会を通じて見えた、娘の成長や笑顔は最高の宝物です。
~3年生~
3年生の今年度の親子イベントでは、なるべく多くのご家族に参加していただきたいと考え、春にアスレチック&BBQ、秋に東京タワーにのぼる&ドッジボールを実施し、先日はボウリングをしました。その他、懇親会、地域班やテニス・ゴルフ・フットサルなど、3年生お父さんの会のクラブ活動を通じて、友達や家族の輪を広げております。この場を借りて日頃の皆様のご支援とご協力に感謝申し上げます。
~4年生~
4年生は一年を通じて心温まる触れ合いの場を目指してまいりました。春には小金井公園でBBQを楽しんだ後、Jリーグ観戦で興奮を共に分かち合いました。6月には茨城県で田植えを行い、9月の稲刈り、1月の餅つきへと生命のバトンを繋げました。さらに、先日は料理研究家を招き、バレンタインスイーツを作りました。これらの活動が、キリスト教教育に根ざした学校生活の一助となることを願っております。先生方、保護者の皆様の温かなご支援に感謝いたします。
~5年生~
5年生ではまずは、高尾山に登りました。行きの4号路は娘たちには楽勝でも、運動不足のお父さんたちは大変だったようです。天候にも恵まれ清々しい一日でした。夏休み明けのには室内アスレチックに行きました。トランポリンにボルダリング、ジップラインと、あっという間の2時間でした。秋には3~6年生合同BBQに参加させて頂きました。大人数でのBBQにビーチ遊びと大満足でした。1年間の活動が娘たちの楽しい思い出となれたなら何よりです。
~6年生~
娘たちの笑顔を何よりの喜びとし、思い出に残る時間を作れるように、特に今年度は小学校最後の年として、特別な思いで活動しました。初夏の地引網では自然や食の大切さを体験し、秋のBBQでは多学年交流を深めました。初冬には著名な写真家さんの講演を通じて「思いやる心」を学び、娘たちの成長を実感する機会となりました。6年間の活動を通じ、娘の成長だけでなく、お友達の変化も見守ることができたのは貴重な時間でした。また、お父さん同士の新たな出会いも大きな財産となりました。中学校になると、いよいよ娘との距離が遠く(?)なりそうですが、引き続き娘の成長を支えながら、お父さん同士のつながりも大切にしていきたいと思います。