卒業生の活躍
教頭 上川 恵
立教女学院の卒業生は、芯があり、夢に向かって努力を惜しまず、その夢を実現している、という評価をいただくことがあります。とりわけ小学校からの卒業生に対して、高校の進路指導の先生からは、「真白いキャンバスに夢を描ける人たち」という表現で評価していただいています。
1月は、卒業生の活躍を見る機会が多い月でした。来校してくださった3人の卒業生は、子どもの頃に出会った「好きなこと」を、情熱をもって謙虚に向き合い続け、それを生業としたり将来の道と決めたりして歩んでいらっしゃいます。
―ダンスの才能を開花させた石川佳音さん―
小さい頃からダンスを習い、小学校卒業後もそのダンススクールに通い続け、中高大と学業とダンスを両立してきた彼女が選んだ進路は、長年所属していたダンススクールの母体であるダンスカンパニーに所属し、ダンサーとして活躍することでした。
先日行った「笑顔と学びの体験活動プロジェクト」で来校してくれたのが、石川さんが所属するダンスカンパニーでした。ステージで生き生きと誇り高く活躍する姿が、眩しく輝いていました。
―バイオリンの道を歩み始めたIさん―
小さい頃からバイオリンを習っていたIさんの腕前は、小学生の頃から際立っていました。立教女学院中学校を卒業すると、バイオリンの勉強に専念すべく桐朋女子高等学校音楽科に進学しました。
懐かしい学舎で、感謝の気持ちをこめて演奏させて欲しい、と連絡をくださり、礼拝後、全校児童の前で演奏してもらいました。高校生となったIさんの、音楽を心から楽しみながら学んでいる様子が、演奏と表情から伝わってきました。好きなことを追求し、その過程を楽しむ姿を小学生に見せてくれたことをうれしく思います。
―世界で活躍するヨーデル歌手伊藤啓子さん―
ヨーデルを始めたきっかけは、15歳の時に訪れたスイスでの出会いとのことです。元々歌好きだった少女は、スイスを再訪した際に観覧した連邦ヨーデルフェストで、「いつかこのステージに立つ」と、明確にビジョンを描き、ほぼ独学でヨーデルを勉強し、学業と両立させながら練習に励んでいたそうです。
伊藤さんはスイスのヨーデルフェスト(子どもの頃、このステージに立つと決めた夢の舞台)に、日本人として初めて出場が認められ、3年おきに開催されるそのお祭りに、6回連続で出場している、スイスが認めた実力者です。1月末の「小さなコンサート」で、世界一流の歌声を全校で聞くことができました。
好きなことに向かう時間を楽しみ、学年が上がるにつれて変化していくだろう、好きとの関わり方を、その過程も含めて楽しむことができるとしたら、幸せな生き方だと思います。卒業生の輝かしい活躍を目の当たりにした子ども達は、大きな励みになったことでしょう。
「Well-being」その人がその人らしく社会の中で生き生きと生きていく、私もそんな生き方を目指したいと思いました。
ダンス鑑賞(全校)&ワークショップ(5年)
東京都の「笑顔と学びの体験活動プロジェクト」の一環で「DANCE!ダンス!!だんす!!!~観て踊って探してみよう!お互いの自分らしさ~」をテーマに、「寒水・能見ダンストゥループ」の皆様が来てくださいました。5時間目は礼拝堂を舞台に全校児童で鑑賞し、6時間目は5年生が体育館でダンス体験を行いました。
早朝から準備をしてくださり、本格的な舞台装置で、いつもの礼拝堂がまるでダンスホールに変身!プロのダンサーのジャズ・タップ・ヒップホップなど様々なジャンルに加え、和の要素を取り入れたダンスを浴びて、私たちは手拍子や拍手で応援。音楽に合わせて照明も次から次へと変化し、それにも大興奮!「最後はみなさんも参加してください!」と言われ、『ジャンボリミッキー!』が流れてきたらダンスタイム。聞いたことのある曲にノリノリになり、1年生から6年生まで、大盛り上がりの時間となりました。
6時間目は5年生だけの特別授業となりました。舞台で踊っていたダンサーが間近で指導してくれる貴重な機会。かっこいいダンスを見て、『ジャンボリミッキー!』だけでは踊り足りなかった5年生は、どんなことをするのかとルンルン気分です。まずは、基本のステップ練習。常に「上手だよー!」「いいねいいね!」とほめてくださり、ダンスを苦手と思っていた人もとても楽しそうに踊っていました。その後は、立教女学院小学校のために振り付けを考えてくださった『APT.』のレクチャーです。一つひとつの振りを、丁寧にわかりやすく教えてくださり、みんな知らぬ間に笑顔いっぱい。自分で考えたポーズを入れるところもあり、自分なりのダンスに仕上がっていく様子に大満足の5年生でした。
5年生の感想より
・立教オリジナルダンスなど、様々な場面で楽しめ、夢のような1日でした!!!
・今まではずかしいと思っていたダンスをノリノリでおどることができました。むずかしいステップは速くなるとよくわからなくなってしまったけれど、最後におどったダンスのふりは、はずかしがらずにしっかりおどれて、自分らしさを出すことができました。
・おどっている人は、それぞれ自分らしさを出して、笑顔でダンスをしていました。みんながまったく同じ動きをしているのもそろっていてかっこいいと思うかもしれないけれど、それぞれの自分らしさをたくさん出しているダンスがとても良いと思いました。
・おどっている方々がずっとニコニコしていて楽しそうでした。好きなことをお仕事にしていて、私も好きなことを仕事にしたいと思いました。
体力づくり ~なわとび~
体育の授業では、3学期に入ってから全学年でなわとびに取り組んでいます。なわとびは、リズム感や手足の協調性を高めるのに非常に適した運動で、基本になる跳び方を継続して練習することで、必ず技能が高まります。子どもたちが技能の伸びを実感することができるので、目標を持ちやすい運動だと思います。
また、短い時間でもかなりの運動量を確保できます。休み時間や放課後などを利用して、ぜひ積極的に練習して「なわとびが楽しい!」「もっとやりたい!」と思えるようになって欲しいです。
外礼拝後には、今年最初の「なわとび集会」を行い、全校児童だけでなく教員も汗を流しました。
小さなコンサート
小さなコンサートを開きました。今回は「スイスヨーデルの響き」と題し、伊藤啓子さん(ヴォーカル)、大口俊輔さん(アコーディオン/ピアノ)お二方による演奏を聴きました。伊藤さんは本学院中高の卒業生で、高校生時代に旅行先で出会ったスイスヨーデルに魅せられたことをきっかけにヨーデルを学び、現在世界で活躍するヨーデル歌手でいらっしゃいます。大口さんは演奏会だけでなく、映画やCM、パリコレなどの音楽制作にも携わるなど様々なメディアで幅広くご活躍の多才な方です。このコンサートのために、小学生にも馴染みやすいセットリストをご用意いただき、優しい語り口でスイスヨーデルの魅力を語りながら、全9曲を演奏していただきました。
ヨーデルは、主にアルプス地方の民衆や牧人の間で歌われる民謡のことで、低い胸声と高い頭声を急速に交錯させるのが特徴です。どの曲にも、人々の思いが込められた由来があり、生活の中に根付き歌い継がれてきました。絞ったミルクを入れるための陶器や牛の首に付けるカウベルも、音楽を彩る楽器となって使われます。特徴のある歌声や珍しい楽器たちの音色に、みんな身を乗り出すようにして聴き入っていました。
子どもたちからは「すごい速さで声が入れ替わっていて、早口ことばみたいでした」「器の中で回っているスイスのコインをみて、どうやって回すのか知りたかった」「おおブレネリのお歌をみんなで歌えてうれしかった」「ふしぎな音楽だとおもいました」「おうちで話したら、お父さんがまねして歌っていました」など、演奏会からたくさんの気づきや楽しみを見つけられた声が挙がりました。世界には人々の多様な暮らし方があり、音があり、思いがあることを知るきっかけになっていることを願っています。2025年はスイス日本国交樹立160周年の年でもあります。新しい年の始まりに、よい年になるようにと祈りながら皆で同じ音楽を聴くことができたことに、改めて感謝するひと時となりました。
フォトブログのご紹介
小学校のホームページに掲載されているフォトブログでは、授業やイベントや休み時間のようすはもちろん、図工の作品や給食やキャンパスの自然など、月1回発行される小学校だよりやホームページではお伝えしきれない子どもたちの日常の姿や学校のようすを写真で紹介しています。本校に関心をお持ちの方々に学校の魅力を発信するだけでなく、保護者のみなさまにも子どもたちの生き生きとした日常の姿をお伝えしたいと思い、日々、なるべくリアルタイムで投稿しています。週2~3回は更新しますので、ご覧いただけると幸いです。