好きなことを見つけよう

教頭  上川 恵

 子どもたちと直接関われる貴重な時間なので、給食は色々な学年のテーブルで食べるようにしています。女の子の特徴なのか、立教女学院小学校の特徴なのか、食堂はとても賑やかです。和やかな賑やかさは許容しています。
 低学年の子どもたちとの会話は、心がほっこりします。
「先生クイズね。私の誕生日はいつでしょう?」
考える拠り所のない難問です。ヒントをもらいながら何とか答えを導き出すと、
「じゃあ私のお父さんの誕生日は?」
と、この後2〜3人同じようなクイズが続きます。

「先生は何曜日が好き?」
普段なかなか聞かれない質問に、何と答えようか戸惑っていると、
「私は〇曜日!だって図工があるから。」
「私は聖書があるから〇曜日。」
と、口々に教えてくれます。
「仕事がない日曜日が好き。」
とはとても言えませんでした。

 キティちゃんチーズが出た日、仕入れの都合で教員は違う種類のチーズが提供されました。
「みんなのはキティちゃんなんだー。」
と、自分のと見比べて言ったら、
「先生キティちゃんが良かったの?」
「キティちゃんが好きなの?」
と、私ががっかりしていると思って声をかけてくれました。立場や年齢の隔たりを超えた優しさにほっこりしていると、そこから好きなキャラクターの話題で盛り上がりました。

 自分の好きなことについて話している子の顔は、実に生き生きと輝いています。ペットのこと、習い事のこと、お気に入りのキャラクターのこと、ハマっている遊びのこと、友達とのエピソード……。生き生きと話す友だちに影響されて、私も、私もと次々に自分の「好き」について話してくれる子どもたちとの会話は本当に楽しいです。「好き」または「楽しい」という感情が輝かしいエネルギーを放ち、周りに広がっていくのが感じられます。

 最近、自分が何に興味があるのかがわからず、進路や就職活動で悩む若者が多いと聞きます。また、仕事をリタイアした後、趣味がなく、何をしたらいいかわからない中高年も多いと聞きます。自分を思い返すと、子どもの頃は努力して探さなくても、生活の中にたくさんの「好き」がありました。好きなことをしている時間が楽しかったし、その時間はあっという間に感じられました。しかし今は、「先生は何が好き?」と聞かれて即答できません。
 好きなことを見つける力は、当たり前に備わっているものではなく、子どもの時分にたくさんの「好き」を見つけて、そこにエネルギーを注いだ経験があるかどうかで違いが出てくるのかもしれません。自分は何が好きか、誰かに語れることは幸せなことです。「先生は何が好き?」の質問に答えられるよう、更に老後を楽しく過ごせるよう、「好き」を増やしていこうと思います。

軽井沢キャンプに向けて

 3~6年生はキャンプに行く季節がやってきました。友達との共同生活を通して、自分も人も「たのしむ」こと、「たのしみ」をみんなで創り出すことを目指しています。そのために現地での生活や活動に必要な準備を、すべて自分たちで行っています。学校での準備の様子をご紹介いたします。

まちにまった学校たんけん

 「先生、いつになったら1年生と学校たんけんに行けるの?」と、4月のはじめから楽しみにしていた2年生。
 まずは、学校たんけんに行く前にペアの1年生との顔合わせです。1年生も2年生も、手作りの名刺を持って、初めてのごあいさつ。「好きな遊びはなぁに?」「夏のプールは気持ちいいよ!」と緊張しながらも、時間いっぱいおしゃべりをしました。顔合わせを終えると、2年生は学校たんけんにむけての準備を始めます。実際に、学校の中を歩いて、それぞれの教室の名前や使い方を確認します。去年お世話になったお姉さんのように、自分たちもがんばるぞ!と、意気込み、入念に下見をしていました。
 たくさんの準備を経て、ついに学校たんけんの日がやってきました。準備した『たんけんカード』を1年生の首にかけ、いざ出発!1年生の手を引いて、学校の中を歩きます。1年生の質問に一生懸命答える姿は、ほほえましくもあり、頼もしくもありました。たんけん後にはペアの1年生と遊び、楽しい時間を終えました。