希望の光
教頭 上川 恵
星空を見上げる。
希望の光を探すため。
「あっ!あった!」
「どこ?」
「あそこ!」
「本当だ!」
指の指す方に目を向ける。
西の空に一際輝く光の点が、ゆっくりと近づいてくる。
光の動きに合わせて、徐々に顔が上を向く。
光は真上に近づくにつれスピードを増し、そして東の方角へと消えていった。
はっきりとこの目で見たという満足感が、私たちの心に広がっていた。
羊飼いの前に現れた主の天使?博士を馬小屋まで導いたしるしの星?いえいえ12月2日の三鷹台での出来事です。
国際宇宙ステーション「きぼう」が12月2日の夜、日本上空を通過するのを、暗くなったグラウンドから教員室の先生たちと見ることができました。言い出したのは理科好きの児玉校長先生です。
国際宇宙ステーションは、地上から約400km上空に建設された有人実験施設で、大きさはサッカーコートほどあるそうです。1周を約90分という速さで地球の周りを回っています。「きぼう」は国際宇宙ステーションの一部で、日本が開発した実験施設です。2007年、2008年、2009年の3回に分けて打ち上げられ、国際宇宙ステーションに取り付けられました。
暗い夜空を見上げ、「きぼうはどこ?」と探す私たちの姿が、2000年前の夜、まぶしい光を見た羊飼いたち、または星に導かれてベツレヘムへ向かった博士たちの姿と重なりました。
近年、闇バイトの増加が社会問題となっています。「ホワイト案件」という言葉が2024年新語・流行語大賞のトップ10に入りました。20~30代の若者が、SNSやインターネットの掲示板を経由して、「ホワイト」という言葉に誘導され、アルバイトのつもりが気づかぬうちに強盗や詐欺といった犯罪に加担してしまうというものです。仕事を断ろうとしても、入手した個人情報をもとに脅迫をし、「受け子」や「出し子」などの犯罪行為を続けることになってしまいます。
このような背景には何があるのでしょうか?
経済的な理由として、景気の低迷や不安定な雇用環境により、短期間で高収入を得たいという若者が増えたと考えられます。手軽に得られる情報と容易なアクセス環境も理由として考えられます。匿名性の高さも違法な仕事の斡旋を助長しているのかもしれません。若者の、危険を察知するセンサーが育っていない、または理解が十分でないことも理由としてあげられるかもしれません。未来ある若者が、いとも簡単に闇の世界へ吸い込まれていくことを憂います。
「闇の中を歩む民は、大いなる光を見……」予言者イザヤの言葉が思い出されます。希望の光を与えられたのは、救い主の誕生を信じ待っていた民衆でした。
暗闇の中にいる若者たちが、希望の光を信じて、その時を待つことができますようにと祈ります。
良いクリスマスをお過ごしください。
外壁工事を終えて
「立教女学院ビジョン2032」の一環として、計画されていた、小学校校舎・聖マリア礼拝堂の外壁工事。7月下旬から始まり、無事、12月にすべての作業が終了しました。小学校の外壁工事は、2000年度の校舎建て替え以降、初めての取り組み。長年の蓄積により、汚れてしまった箇所の塗りなおしや、壁紙の修繕を行いました。
工事に伴って、子どもたちの生活にも大きな影響がありました。夏休み開始と同時に、足場が組まれ、2学期からは、窓の外の景色が見られない中での学校生活となりました。子どもたちは、今までとは違う景色に最初は戸惑うものの、工事が終わり、きれいになった校舎を目にしたときは、喜びの声が聞こえてきました。
2年生の日記より
・さいしょは大すきなチャペルがどんどん見えなくなるので、少しふあんになりました。
・だんだん黒いネットがとれてきて、あともうちょっとだなと思いました。ネットが外れた時はとてもうれしかったです。
・とくにかんどうしたのが、れいはいどうです。新ぴんみたいになっていてびっくりしました。前よりもきれいなれいはいどうが、毎日見られて、朝のれいはいが前よりももっと気もちよくできてうれしいです。
・毎朝、こんなにきれいなれいはいどうで、かみさまとお話しできることがうれしいです。
・外のけしきをひさしぶりに見たら、3本の木のこうようが見えるようになりました。とってもきれいで、赤や黄色、オレンジ色などがあります。こうじの前にはあまり気にしていなかった立教女学いんのしぜんも、さい近は気にするようになりました。
・工じの人たちがかっこよく見えました。ペンキぬりのおじさんに心の中で「がんばれ!」と言いました。
・私たちのために、いろいろな人がささえてくれていることを知りました。工じをしてくれた方たち、ありがとうございました。やっぱり立教女学いんが大好きです。
さつまいもでクッキング ~1年生 生活科~
5月に苗を植えたさつまいもは、夏の太陽の日差しをたっぷりと浴びて、ぐんぐんと葉を繁らせました。10月、期待に胸をふくらませて行われた「おいもほり」。 掘り始めると、大きなさつまいもが次々と現れて、「すごい!」「大きい~!」と、子どもたちの歓声が上がりました。本当にたくさんのさつまいもが収穫でき、「おにまんじゅう作り」「2年生とやきいもパーティー」そして「給食のメニュー・スイートポテト(12月16日)」とたくさんの楽しみを味わうことができました。自分たちで育てて収穫したさつまいもを、みんなで調理していただくおにまんじゅうの味は、強く心に残るおいしさだったようです。2年生とのやきいもパーティーでは、「こんなおいしいやきいもは食べたことがない!」「2年生と一緒だからおいしくなったのかな。」というかわいらしい感想も聞こえてきました。
日記より
・おにまんじゅうをつくるとき、わたしは、さとうをいれるのや、まぜるのをやりました。まぜるとき、さつまいもをつぶさないように、しんちょうにへらでまぜるのが、すこしこわかったけれど、おもしろかったです。
・きのう、わたしたちがそだてたさつまいもをつかって、おにまんじゅうをつくりました。まぜたりカップにうつしてむしたりして、みんなできょうりょくしてつくりました。みんなでつくったおにまんじゅうは、とてもおいしかったです。
・きょう、せいかつのじゅぎょうで、やきいもパーティーをしました。とってもあまくてほくほくしていて、おいしかったです。
・2年生といっしょにやきいもパーティーをしました。そのときに、2ねんせいが、「やきいも、おいしいね。ありがとう。」といってくれたので、とてもうれしかったです。
6年生聖劇
本番まで合計8回の練習を行いました。場面ごとにグループで話し合いをしながら一つひとつの場面を作り上げていきます。苦しみに耐えてきたイスラエルの民衆を動きだけで表現することの難しさや預言者イザヤやヘロデ王といった自分の役をイメージしてセリフを発することの難しさなど、練習時間内だけでは解決しないことも多くありました。こうした課題に対して、休み時間などを使って役柄ごとに自主的に集まって練習している光景が見られました。6年生一人ひとりが神さまから与えられた役割と、最初から最後まで懸命に向き合ったことで、今年もイエス・キリスト誕生の喜びを立教女学院小学校全体で感じることができました。
日記より
・毎日20分休みに練習しています。皆で合わせないと曲にならないので、チームワークが大事だと思いました。
・何回も練習を重ねて、登場人物になりきって演じることの難しさを改めて知りました。せりふは無くても、演技をしなくてはならない所が特に難しいです。
・私は「神様からもらった一人ひとりの個性を生かせるように聖劇の練習に参加する。」ということを目標にしています。
・「神さまからのメッセージを伝える」という天使の役割を果たせるように皆で気持ちを込めて歌う練習をしています。皆で歌うのは大変で、難しいけれど、一生けん命歌いたいと思っています。