見守り育てる

校長 児玉 純

 2023年度も残すところ3週間となりました。長期予報では今月は暖かい日が多くなるとのことです。学校では今年度のまとめと次の学年に進むための準備に取り組んでいます。保護者の皆様のご理解、ご協力のおかげで、今年度も多くのことをコロナ前に近い状態で復活できたのではないかと思います。

 昨年のことになりますが、毎日新聞の夕刊(12月18日)に侍ジャパンの井端監督の記事が出ていました。見出しは、「井端流 見守り育てる侍J」。初めて日本代表を指揮する井端監督の指導法を変えたのは、U—12(12歳以下)の代表チームを指導したことが大きかったそうです。遅刻した選手には厳しく怒り、教えたいことを次から次へとうるさく言うというやり方から、遅刻した理由を考えて声をかけるようになったり、選手に任せるところは任せるという方針をはっきりさせたりしたことで、子ども達がのびのび野球をできるようになったそうです。このことから、「監督として、いかに我慢強くできるか」を自らのテーマにしているとのこと。「『甘やかす』のではなく、見守りながら自ら考えさせること」で、選手自身が自分で成長できる力を身につけることができると考えているそうです。
 私たち大人は、「我慢強く待つ」ことが苦手です。私も自分の子育ての経験で、何回「早くしなさい。」「さっさとやりなさい。」を子どもにぶつけたでしょうか。子どもにしてみれば、同じ言葉を父親から、母親から、そして学校では先生からシャワーのように浴びて育ったのではないかと思います。時間の管理をする力を身につけることは、とても大切なことです。ただ、その力をつけるために私たち大人が考えなければいけないことは、まだまだたくさんありそうです。

 学年発表会、クラブ発表会が無事に終わりました。今年は多くの保護者の方に子ども達の精一杯の演技を見ていただけて、ホッとしています。また、子ども達も、おうちの方々に見てもらって応援してもらってとても嬉しかったのではないでしょうか。子ども達一人ひとりが大きく成長していること、輝いていることを神様に感謝したいと思います。

 いろいろな出来事がありましたが、あっという間の一年だったように思います。子ども達は一人ひとりが進級する喜びと、少し重くなる責任をその小さな肩に感じながら、春を待っています。保護者の皆様、関係者の皆様のこの一年のご理解、ご協力を心から感謝いたします。
 そして、5年生までの子ども達が大好きな6年生71名が、夢と希望に胸をふくらませ、3月末には小学校を巣立って行きます。6年生の門出を祝福するとともに、中学での活躍を祈っていただけましたら幸いです。

6年生理科 ふれあい天文学 ~惑星はありふれた存在~

 遠い宇宙のことを身近に感じて興味をもってほしい、学校の近隣で最先端の研究が行われていることを知ってほしい―。そんな願いを込めて、今年も国立天文台(三鷹市)から講師をお迎えし、出張授業「ふれあい天文学」を実施しました。今回の講師は、アルマプロジェクトに所属する深川美里先生です。
 深川先生が“お世話”をするアルマ望遠鏡(Atacama Large Millimeter/submillimeter Arrey)は、チリの標高5000mの高地にあり、さまざまな国が共同で建設し運用しています。私たちが知っている小さな望遠鏡とは仕組みが異なり、電波を受信して遠くの星や惑星を探る「電波望遠鏡」です。巨大な望遠鏡を作るのには限界があるため、16.2kmという山手線の直径ほどの広い範囲に66台のアンテナを置くことで、一つの巨大な望遠鏡と同じ働きをします。
 惑星の探し方、星や惑星の重さの調べ方、太陽系以外の惑星が約5537個(2/14時点)見つかっていること、太陽系に似た惑星系や地球に似た惑星の観測はこれから研究が進むこと、40年考えられてきた惑星誕生のシナリオがアルマ望遠鏡での観測によって塗り替えられたことなどを、美しい映像とともに教えていただきました。

児童の感想より

・深川先生は研究結果のデータなどを見せる時に「今朝の時点では……」などとおっしゃっていました。私は、そんなに少し時間が経つ間にも「常識」が変わっていく、まだまだ未知の宇宙はとても面白いなと思うと同時に、無限に広がっている未知の場所は考えれば考えるほど不思議で、少し怖いなとも感じました。
・先生がアルマ望遠鏡を「お世話している」と言っていて、とても愛情を注いでいることが伝わってきました。この職業を選んだ経緯を聞いてから「好きなことを極められるってすてきだな」と感じ、私も将来は好きなことに時間を費やしたいと思いました。

5年生 社会科見学

 1月26日に、5年生の社会科見学を実施しました。今回の行き先は、豊洲市場と日産自動車の追浜工場です。豊洲市場では水産業の学習として、水産卸売場棟や水産仲卸売場棟を見学しました。卸売場棟でマグロの競りを見学することは……
残念ながらできませんでしたが、代わりにガイドの方から当日の朝に撮影をした競りの様子を、動画で見せていただきました。「数時間前には、ここで競りが行われていたのか」と活気ある様子を思い浮かべながら、豊洲市場を後にしました。
 日産自動車の追浜工場では、自動車の生産工程のうち「組み立て」と「検査」の様子を見せていただきました。工場の中は見慣れない機械や部品ばかりかと思いきや、私たちの生活に身近な自動販売機や信号機、小さな横断歩道まであります。建物内にいるはずが、まるで町の中を歩いているような不思議な感覚です。どちらの見学先でも、教科書や資料集を読んだだけでは分からない、現場の細かな工夫や技術について知ることができました。

児童の感想より

・豊洲市場では、私たち消費者が、 安全においしく魚が食べられるように努力してくれているというのが分かった。
・一番びっくりしたのは、本マグロ(初競り)の最高取引額が1億だということ!つい「 わーお」と言ってしまいました。
・私たちがふだん何気なく乗っている車が、このようにたくさんの人と機械によって作られているという、とても大切なことに改めて気付けた良い時間でした。

むかし~むかし~浦島は♪「日本の昔話」発表会

 2年生で毎年行っている6人グループによる「日本の昔話」の紹介。6人でお話を選び、表現方法を決め、分担を決め、自分たちで工夫して準備・練習をしていきます。今年の2年生は劇好きなようで、12グループ中11グループが劇。1グループのみ紙芝居でした。
 よく知られている「かちかち山」「浦島太郎」といったものだけでなく、それほど親しまれてはいない「わらしべ長者」「若返りの水」といった人々の願いがこもった愉快なお話も選ばれました。水を飲んで若返るお話では、「のんでみた~い」「えーっ!(若返って)もう一回じゅけんするのはやだ~」といった感想もあり、昔話に含まれる意味やリズムをみんなで楽しみました。
 発表までの間、意見がまとまらないことや、手つかずな状態で活動をうまく進められない時もありますが、自分の思いを言葉にし、気持ちを調整して協調して取り組み、見ている人に伝わる発表となるよう、一人ひとりが頑張りました。

Kids To Ki へ行こう!

 夏にリニューアルした複合遊具、『Kids To Ki』。毎日、子どもたちの元気な笑い声に包まれています。『Kids To Ki』という新しい名前にも慣れてきて、「キットキに行こうよ!」とか「キットキで待ち合わせね。」という声も聞かれるようになりました。
 今までなかったブランコのような遊具が大人気で、空へと飛んでいってしまいそうなくらい勢いよくこいでいる場面に出会います。「ぐるぐるドーナツ」と呼ばれていた遊具に似ている遊具も、大賑わい。「あんなに回って大丈夫?」と心配になるほど。遊びに夢中になっている表情は、何ともすてきなものです。
 6年生からは、「卒業する前に、Kids To Kiで思いっきり遊びたい!」という希望が出ました。いろいろな役割があり、休み時間も忙しい6年生。なかなかKids To Kiで思う存分遊べていなかったようです。時間をとると、くもの巣のようなネットのところがたまり場となり、眺めの良い高いところでおしゃべりを楽しんだり、遊具を使って鬼ごっこをしたりと、時間を惜しみながら楽しんでいました。
 Joy Platz も楽しかったけれど、クライミングウォールや幅の広いすべり台などがあるKids To Kiも、またちがった楽しみ方があり、子どもたちにとって“大好きな場所”になっています。
 今日もまた、Kids To Kiという名にふさわしく、たくさんの子どもたちが集い、笑顔であふれています。