狂言鑑賞会
5年生は杉並能楽堂へ。現代の劇と異なり、緞帳や照明や背景や大道具や効果音がない狂言。「柿山伏」「附子」の2つの演目で、せりふの力や「型」を感じとった子どもたちです。
「言葉が人間の一生を左右するから、昔の人は言葉と丁寧なお付き合いをしていた。心の中で選びに選んで、その場に一番適格な言葉を選び出し、たくさんの言葉ではなく、少なく濃い言葉に心を乗せて、十分に磨いてから相手に渡す。そういうことを大切にしていた時代にできた芸能が狂言。」
「狂言は相手を尊び、観客に礼節を尽くす。」
「狂言は引き算。言葉を極限まで削ってお見せしたいという考え方があるため、狂言のせりふは十分に言葉を尽くしてすっかり説明するという失礼なことはしない。狂言のせりふはいわば『点』。『点』をお聴きになったみなさんが『線』につないでいく。ですから一字一句聞き漏らしていただきたくない。抑揚や緩急などを犠牲にしてまで、一字一字みなさまのお耳にお届けしたい。その結果、喋り方がゆっくりしている。」
そんな、山本東次郎先生(重要無形文化財各個指定保持者/人間国宝)の言葉が心に響きました。
代表の児童がカマエやハコビやすり足を体験させていただき、全員で狂言らしい声の出し方を練習しました。