不協和音はお嫌い?

 

教頭 上川 恵

 武満徹はクラシックの手法に日本の伝統音楽を取り入れ、独自の作風を確立したとして世界的に評価された、日本を代表する作曲家です。代表曲である「ノヴェンバー・ステップス」は、琵琶と尺八にオーケストラを組み合わせたもので、素材も構造も演奏法もチューニングも違う楽器同士が作り出す、調和しない異質な響きの中で共存するという、独特の世界を作り上げています。
 同時に響く二つ以上の音が調和しない和音のことを、一般的には不協和音と言い、聴き手に緊張感や心地悪さを与えるとも表現されます。しかし武満徹は不協和音を多用し、のちに「武満トーン」と呼ばれる独自の音楽を生み出しました。
 ほぼ独学で作曲を学んだ武満は、ピアノを使って音を探るように作曲したといいます。彼の作品には「雨」「樹」「水」など自然の題材が多いのですが、どの曲も音が色となり、響きが色彩となり、間が構図となって、聴く者に情景を想像させる力があります。例えば「3人の打楽器奏者のための『雨の樹』」という曲は、小さな雨粒がポツッと落ちる雨の降り始めの様子から始まり、葉から雫が落ちる様子、風で葉が揺れる様子、雨が強くなっていく様子、雨宿りする鳥の様子などが次々に映像として目に浮かんできます。「さくら」「小さな空」などのア・カペラ合唱作品も武満トーンを楽しめます。音がぶつかる不協和音の連続ですが、その音色が極めて美しいのです。
 不協和音という言葉は、音楽の世界だけでなく、日常では気持ちがかみ合わない人間関係を表す比喩として使われることがあります。考え方や立場、価値観の違う人同士が向き合えば、意見が食い違ったり、相手の言葉に傷ついたりして、心がざわつくことがあります。そうした瞬間は、耳にした時の不協和音のように、不安定で落ち着かないものとして感じられるでしょう。けれども、人間関係は単純に合う、合わないで割り切れるものではありません。自分とは違う感じ方や考え方に触れることで、見えていなかったものに気づかされたり、自分の狭さを知ったりすることもあります。最初はぶつかり合いのように思えた違いが、時間をかけて互いを理解しようとする中で、かえって関係を深めるきっかけになることもあるのです。そもそも自然界を音として捉えれば、そこには異なる音や気配が無数に共存しており、整った協和だけで成り立っているわけではありません。それでも、風や雨、鳥の声や木々の揺れが思いがけず美しい響きをつくるように、多様なものが混ざり合うからこそ生まれる調和があります。
 不協和音も、時には美しく心地よく聞こえます。

 1・2年生 学校たんけん

 

 2年生が1年生を案内する形で学校たんけんを行いました。1年生にわかりやすく説明できるように、2年生は事前に校内を下見しました。3階の図書館や理科室、2階の特別教室など、実は自分たちもあまり行ったことがありません。「このお部屋ではどんな勉強をするのかな?」と、メモをとりながらめぐりました。外の遊んでもいい範囲もしっかり教えられるように、2年生みんなで歩いて確認しておきました。
 いよいよ本番です。ドキドキしながら1年生をお迎えに行きました。絵やメッセージを書いて準備をしておいた「たんけんカード」をプレゼントして、いざ出発。いろいろな教室をまわり、「たんけんカード」にシールを集めて行きます。「教員室は、『失礼します。』と言って入るんだよ。」とか「図書館から富士山が見えることがあるよ。」など、2年生はその場所に合わせて一生懸命説明をしていました。1年生と手をつなぎ、はりきって案内をする2年生の後ろ姿は、いつもよりもひとまわり大きく見えました。

1年生のつぶやき

・2ねんせいが、やさしくたくさんおしえてくれた。
・としょかんに、ほんが2まん5せんさついじょうあるときいて、おどろいた。
 ふじさんがみえて、すごかった。
・こうちょうしつにいったら、こうちょうせんせいがこえをかけてくれてうれしかった。
・「いま、どこ?」とか、いっしょにしゃべるのが、ちょっとはずかしかった。

2年生の絵日記より

・1年生のときは、おしえてもらう方だったけど、2年生になるとおしえてあげる方だったのできんちょう
 しました。
・じゅんびはすこしたいへんだったけど、とてもわくわくしていました。
・1年生が、「よくわかったよ。たのしいよ。」と、えがおでこたえてくれてとてもあんしんしました。

 

第48回東初協陸上記録会

 成蹊学園グラウンド(陸上競技場)にて、第48回東初協陸上記録会が開催されました。当日は、小雨が降るあいにくの天候の中でしたが、都内の私立小学校11校が参加し、選手たちは素晴らしい競技場でそれぞれの種目に臨みました。
 本校からは、校内選考会を経て選ばれた5・6年生14名が代表として出場しました。選手たちは自己記録の更新を目標に、練習の成果を発揮しながら競技に挑みました。緊張感のある中でも最後まであきらめることなく、一人ひとりが全力で競技に取り組みました。また、他校の選手たちとの交流や活躍に触れることで、多くの刺激を受ける貴重な機会となりました。

大きくなあれ!~すくすく育つ植物たち~

 今年度は、三鷹市の冨澤ファームさんにご協力いただき、サツマイモづくりに挑戦しています。まずは、耕運機で約50センチの深さまで土を耕しました。いよいよ苗の植え付けです。子どもたちは一本一本の苗を大切に植えました。
 植え付けから一か月が経ち、葉の数も見違えるほど増えました。子どもたちは、つるから伸びる葉をよく見たり触ったりしながら、愛情を込めてスケッチをしました。秋の収穫を1年生は今から楽しみにしています。

 今年度は、ミニトマト、枝豆、オクラ、ナス、ピーマンの中から、自分で育てたい野菜を選びました。学年できゅうりも育てています。日々、姿が変わっていく野菜を観察し、「オクラの赤ちゃんが5つもなっている!」と、うれしそうに報告してくれます。

 Linkで「育てて収穫して、今年中にみんなで食べられるもの」を調べて、トウモロコシの種をまくことをみんなで決めました。品種は「イエローポップ」で、ポップコーンの原料になるものです。1cmにも満たない小さな種を観察した後、畑の雑草をぬいて、きれいに耕し、一人ずつ4~5粒を大切に植えました。植えてから1週間ほどで、最初の葉(子葉)が出てきました。その後も順調に育ち、本葉も見え始めています。現在は4~5本の芽から一番元気なものを1本だけ残しています。夏の暑さに負けず、大きく成長して実を結ぶことを、みんなでお祈りしています。