充実した夏休みを
校長 児玉 純
「史上最も早い梅雨明け」「史上最も多かった真夏日」等、観測史上一番のことが増えてきた最近の気象ですが、子ども達はそんなことに負けずに、元気に1学期を終えようとしています。健康管理などご家庭のご協力があってのことと思います。ありがとうございました。また、3年生以上が参加した軽井沢キャンプも大きな事故もなく終えることができました。子ども達が一番安心できる家族から離れて暮らす数日間は、不安もあったと思いますが、一人ひとりにとって自分の可能性や友達の良さを発見する貴重な機会になったことと思います。担当の教員や担任が念入りに計画を立て、子ども達と十分に準備したつもりではありますが、様々なところでご家庭のご協力があったことに改めて感謝いたします。1学期の行事一つひとつ、また、何気ない毎日が神様のみ守りと祝福の中にあったことを感謝します。
さて、いよいよ夏休みです。子ども達にとって、夏休みは日常の学校生活から少し離れ、自分の興味関心を深めたり、家族との時間をゆっくり楽しんだりできる大切な期間です。読書や自然に親しむ活動、地域とのつながりを感じられる体験などを通して、心と体を豊かにする時間を過ごしてほしいと願っています。「夏休みにしかできないことをしましょう。」と、学校からもよくお願いしますが、何がしたいのか、何ができるのか家族でよく話し合うことが大切ではないかと思います。少し前のコマーシャルで「プライスレス」という言葉が流行ったことがあります。「プライスレス」とは、「値段がつけられないほど高価なもの」ということではなく、「お金には換えられない貴重なこと」です。そのような「プライスレス」を、ぜひご家族で相談し工夫して経験していただけたらと願います。
一方で、長期休みは生活リズムが乱れやすく、事故やトラブルも起こりがちです。規則正しい生活やインターネットの適切な使い方など、ご家庭でも声かけをお願いします。特に、インターネットやSNSには注意が必要です。近頃読んだ本『スマホ依存が脳を傷つける』川嶋隆太著(宝島社新書)によると、スマホの便利さがスマホ依存に結びつき、恐ろしいほどの害(デジタルドラッグ)が現れる事、また、それを浄化する(デジタルデトックス)には相当強い意志が必要であるということがデータと共に書かれていました。確かに、諸外国の中にはスマホの使用制限を設ける国も出てきていますので、その説に納得する部分があります。私自身は、スマホの中に通勤定期が入っていますし、お財布も入っています。出かけるときにお財布を忘れても場合によっては家には戻りませんが、スマホを忘れると1日の行動がかなり制限されるので、取りに戻らざるを得なくなります。デジタルドラッグに片足を突っ込んでいるのかと思わされることが多いです。
夏休みはこのようなデジタルドラッグに陥りやすい時でもありますので、ご家庭できちんと約束事を決めておくことが大切だと思います。一般的な約束事として、次のようなことが考えられます。
1.利用時間の設定: 規則的な利用時間を設定し、過度の使用を避けるためのルールを家庭内で設けましょう。 |
これらの約束は、親が与えるのではなく、子どもとよく話し合って決めていくことが大事な点です。ネットがらみの事件や事故など、実例を挙げてその危険性を学ぶことも必要です。便利な道具ですので、正しく使って安全に楽しみたいものです。
9月の始業式では、一回りたくましくなった子ども達に会えるのを楽しみにしています。神様の祝福とみ守りがそれぞれのご家庭の上に豊かにあるように、一人ひとりにとって楽しく有意義な夏休みでありますようにお祈りいたします。
≪ 軽井沢キャンプ報告 3・4・5・6年 ≫
あなたがたは神に愛されている子どもですから、神に倣うものとなりなさい。
(エフェソの信徒への手紙5章1節)
3年生
はじめてのキャンプを迎えた3年生。たのしみな気持ちと少し不安な気持ちを抱えて出発しました。キャンプ中はいつも6年生がそばにいて支えてくれ、その優しさとあたたかさをしっかりと受け止めました。3日目の朝、一足先に出発する6年生のバスを見送るのは、何とも寂しく切ないものでした。
その後は、3年生だけのプログラム、佐久パラダに向かいました。まずは、昆虫体験学習館の見学です。いろいろな種類の昆虫や生物が飼育されており、虫が苦手な人も思わず興味をひかれるような展示がありました。ふれあいコーナーでは、「ニジイロクワガタ」や「ヘラクレスオオカブト」を触ることができ、貴重な体験を喜んでいました。続いて、自然の中にあるフィールドアスレチックに行きました。山の傾斜を利用したアスレチックの中には、普段、経験することのないような遊具もあり、思いっきり遊ぶことができました。
お世話になった6年生との思い出を胸に、“私たちも今の6年生のように優しくてしっかり教えられるお姉さんになりたいな”という思いを強くしながら帰路につきました。
4年生
「今年は6年生のお姉さんがいないから、身の回りのことは全部自分でやらなければいけないよ。」と子どもたちに伝えると、「大丈夫!」と自信満々の返事。教員の心配と裏腹に、自分のことをすべて自分でやることも「たのしみ」になっていたようです。
キャンプという、日常とは異なる少し不便な環境だからこそ、日常生活で「当たり前」だと感じている物や人への感謝の気持ちがわいてきた様子でした。
3日目のピッキオ自然体験教室では、野鳥の森を散策し、初夏の軽井沢の自然を満喫しました。ガイドの方から、アブラチャンという不思議な名前の植物を紹介していただきました。その枝を少しこすってみると「ミントのにおいだ。」「ハーブみたい。」という声があがりました。この植物の葉や枝には虫を寄せ付けない効果があるそうです。森に入る前に入念に虫よけ対策をしていた子どもたちはびっくり。植物は動けないけれど、生きるための知恵があることに驚き、感動していました。
3日間を通して、活動や係の仕事などに張り切って取り組む姿がとても微笑ましかったです。そして何より「たのしみ」を発見することが上手な子どもたちだなと感じました。これからの学校生活の中でも、楽しみを発見していく姿勢を大切にしてほしいと願っています。
5年生
気持ちの良い青空のもと、5年生のキャンプが始まりました。たくさんのプログラムが予定されている中でも、今回、一生懸命準備してきたのが野外炊事。5年生は自由献立に挑戦です。東京にいるときから、キャビンのメンバーと話し合いを重ね、メニューを決めました。
いざ、野外炊事当日。エコバッグを持ってお買い物に出発です。広いスーパーの中を行ったり来たりし、やっとの思いで必要な材料を買うことができました。キャンプ場に戻り、調理の時間が始まりました。キャビンによって作るものが違うので、頼れる人はキャビンの仲間だけ。自分たちで確認し合いながら、おいしくなあれと思いを込めて作りました。料理が完成し、口に入れた瞬間、思わず笑顔があふれました。一生懸命作った食事は、ここでしか味わうことのできない特別なものでした。
野外炊事を通じて、たのしみを「創り出す」ことの喜びを感じてくれたら嬉しいです。
6年生
6年生にとって最後のキャンプの目標は「人に楽しみを与えましょう」です。一緒に行く3年生のことを思い、どうしたら3年生を楽しませられるかを考えながら、まずはキャンプに関するリーフレットを作ることから始めました。
「3年生がどんなことが知りたいかな」を常に頭に思い浮かべながらチームで取り組みしおりに挟みこみました。
最初の顔合わせの時には、3年生とどう接していいのかわからず、少し緊張している様子もありました。ですが、自分たちなりに3年生に心を寄せ、自分たちが3年生の頃の6年生にどんなことをしてもらったかを思い出しながら、関わりを進めていきました。
キャンプが始まると、一緒に遊んだり、3年生が困っていることがないか気を配ったり、野外炊事で一緒に野菜を切ったり、指示を出したり、今までの経験を活かしながら優しく接している6年生の姿は微笑ましいものでした。
3年生が帰った後は、A組は前日の雨のため浅間縄文ミュージアムへ、B組は信濃路自然遊歩道のハイキングを楽しみました。その後は、自分たちで企画したプログラムをクラスの仲間たちと、目一杯楽しみました。
≪ EAC Zoom session ≫
EACという学校をご存知でしょうか。2023年の3月から姉妹校提携をしているオーストラリアにあるEmmanuel Anglican Collegeという聖公会の学校です。本校の6年生12名が2018年から国際交流プログラムの一環でお世話になっています。あちらではホームステイをしながらEACに通い、授業を受けたり遠足に行ったりします。コロナ禍では、渡豪こそできませんでしたが、繋がりを絶やさないように、そして限られた子だけでなく6年生全員が交流の時をもてるように、オンラインでの交流やビデオレターの交換を始めて現在に至っています。
今年の6年生も、6月に2回の準備授業を経てオンライン交流を実施しました。簡単な自己紹介の後、お互いの国・学校等に関する内容で“1Lie and2Truths”というゲームをし、質問をし合いました。始まるまでは緊張していた子どもたちも、いざ始まってみるとあっという間に打ち解けていて、画面越しであっても、「同じ年頃の子」と出会えたこと、実際に交流できたことの喜びは大きかったようです。
~6年生の感想~
・同じ学年の外国人としゃべる機会はめったにないので、とても貴重な時間となりました。
・準備していた時はちゃんと会話できるかな?と不安でしたが、その不安も一気に無くなりました!
・好きなアニメの話など、共感できるような話がたくさんありました。
・Zoomでつながっている相手が今オーストラリアにいて、私たちはオーストラリアと日本で つながっているということに改めて驚きました。
・言葉が違っても、少しでも英語が話せるだけでこんなに楽しくお話しすることができるんだなと思った。
≪ 1年生はじめてのプール ≫
6月26日、1年生にとって初めての水泳の授業がありました。プールバッグを持って登校した子どもたちは少々興奮気味。3・4時間目の授業が待ちきれない様子でした。
2時間目が終わり、いよいよプールがある総合体育館へ。そして更衣室で水着に着替えていよいよプールサイド。と、ここからが大変!水泳帽をかぶって、ゴーグルをつけて、タオルをバーに結びつけて……。1年生にとっては初めてのことだらけ。みな悪戦苦闘しながらなんとか身なりを整えました。
コーチの紹介、準備体操、シャワーを浴びて、いよいよプールのまわりに腰かけました。足をプールに入れただけで大歓声。プールの水を体にかけて、顔にかけて、バタ足の練習。最初は顔に水がかかるのを嫌がっていた子も、すぐに慣れて思いきりバタ足をしていました。
そして、プールの中へ。もぐる練習、歩く練習、そして浮く練習。子どもたちのペースに合わせ、ゆっくり時間をかけて水に親しんでいきました。その後は2つのグループに分かれて「けのび」や「伏し浮き」の練習をして、最後はお楽しみの流れるプール!お友だちと手をつないだり、とんだりはねたりと、はじける笑顔で楽しんでいる様子が印象的でした。終わるころには、「えー、もう終わり?」「もっとプールの中にいたいな。」と子どもたち。次の授業が待ちきれない様子でした。
~日記より~
・きょうがっこうで ぷーるがありました。おともだちと はじめておよげて たのしかったです。
・きょうすいえいで ぷかぷかういたり みずのなかにもぐったり、しゃわーがすごくきもちよかったです。
・がっこうのぷーるに はいりました。たのしかったです。もっとじょうずになって かめみたいにおよぎたいです。
・すいえいのじゅぎょうで あおむけでおよぐのが たのしかったです。はじめて がっこうでおよいだことが うれしいです。