1年のしめくくりに
教頭 上川 恵
学校の一大イベントの一つ、学年発表会とクラブ発表会が先月末無事に終わりました。今年は、各家庭の参観人数に制限を設けませんでしたので、おじいちゃまおばあちゃまの姿も見られて、コロナ前と同じ大賑わいの一日となりました。
学校生活の中で、子どもたちが活躍する場面はたくさんあります。学年発表会とクラブ発表会も、子どもたちがそのタレントを生かして、生き生きと表現する姿が見られる行事です。堂々と立ち振る舞う我が子を見て、誇らしく思うのも親。目立ったお役ではなかった我が子を見て、もっと前に、と期待するのも親。親の正直な気持ちは、大舞台で活躍できる子どもになって欲しいというものではないでしょうか?
多くの目が注目する場面での活躍が、評価に値する活躍だと思いがちですが、学校では、日々の小さな場面で、きらりと光る子どもたちの活躍を認め、評価しています。時には、誰にも気づかれないほど小さい働きもあります。しかし誰かの小さな働きが、クラス全体を良い方向に導いていることがたくさんあります。活躍は大きさではありません。本校の教員たちは、そういった小さな活躍を見つけるのがとても上手です。クラスの一人ひとりの特性をよく分析し、良さを見つけ、その良さをクラスのみんなに知ってもらう学級経営をしています。本校のキリスト教を主軸とした教育理念である、「他者に共感できる心を育てる教育」「子どもたちの豊かな賜物を見出し育む教育」はこのように日々行われています。どうぞ見た目ではない、子どもたちの成長をほめてあげてください。
今月は、卒業生の来訪が続けてありました。ちょうど高校卒業、大学卒業の節目を迎えた学年の子たちです。
一組目は4月から大学生になる子です。小学校の高学年のとき海外へ転居したのですが、何人かの友達とは連絡を取り合って、繋がりを持っていたとのことです。大学進学の節目に、同級生に連れられて遊びに来てくれました。
二組目も4月から大学生になる二人です。彼女たちも小学校の途中でそれぞれ海外へ転居しました。帰国後偶然同じ高校で再会し、大学も同じところに進学するとのことでした。
三組目は4月から社会人になる二人です。一人はやはり海外へ転居したのですが、大学で再会し、仲良く過ごしていたとのことです。それぞれ自分の選んだ道へ歩み出すと報告してくれました。
卒業生たちが志高く歩んでいる姿に大変感動しました。また、一度学校を離れた子たちが、立教女学院小学校を母校と思って戻ってきてくれたことが、うれしかったです。そして、巡り巡って同級生と再会したと言う運命的な話に、神様の計画を感じます。
昔ある方が、卒業する6年生に向けてこんな話をしてくださったのを思い出しました。
「これから航海に出る6年生にとって、この立教女学院小学校は港です。ずっと変わらずここにあります。もし航海に疲れた時は、どうぞ立ち寄って休んでいってください。学校は、みなさんが帰ってこられる場所、旅の疲れを癒す場所でありたい。」
春休みは一年の終わりと新たな始まりの準備の時です。大人は忙しない日々ですが、不安定になりがちな子どもの心に、たっぷりとエネルギーをチャージしてあげてください。
6年生のみなさん、広い海へBon Voyage!
動物介在教育の1年 ~犬との学校生活~
犬がいる学校生活の形が変わってもうすぐ3年。犬はそれ以前よりも多くの教室に顔を出すようになり、温もりを感じさせ、心が和む時間を与えてくれています。教員や子どもたちは、歩行指導員さんの見守りの中で犬のハンドリングをし、時には犬に愚痴ったり、悩みを打ち明けたりする子もいるとか。加えて、充実したのはアイメイト協会による授業です。共生について、また、声をかけ合って支え合う大切さについて学ばせていただいています。
6年生のおねえさん、ありがとう!
6年生のお姉さんたちがもうすぐ中学校へ行ってしまう、と思うたびに、とても悲しい気持ちになります。お姉さんに喜んでもらおうと育てているクロッカスの芽がなかなか出ない…、まだお花が咲かない…、そんなときは本当に泣きそうになりました。でも、お姉さんたちはにこにこしてクロッカスを受け取ってくれました。絵本の読み聞かせをしてくれた時間は、お姉さんの声が優しくて、心地よくて、一緒にいるだけで気持ちがあたたかくなりました。この1年間、お姉さんがいてくれたおかげで、安心して過ごすことができました。大好きなお姉さん、中学校へ行っても私たちのことを忘れないでください。これからもずっと、憧れのお姉さんです!
絵日記より
・きょう、6年生のパートナーのおねえさんに、え本をよんでもらいました。「いつもいっしょに」というおはなしでした。ひとりぼっちだったくまの子が、うさぎをおせわする、おねえさんとわたしみたいなおはなしです。
・このまえ、6年生と本をよみました。6年生はすらすらとよめて、すごいなとおもいました。わたしのパートナーは、やさしくて、大きいこえでよんでくれました。