新しい日々

校長 児玉 純

 7月から続いていた工事がようやく終わりました。足場と黒いベールに隠されていた部分が少しずつ取り払われていくにつれて、美しくよみがえった壁面に感動しました。特にマリア礼拝堂の正面が開放されたときは、思わず声を上げてしまったほどキラキラと光り輝いて見えました。私がこの学校の校長になった時からとても気になっていたことが解決した瞬間でした。本当に感謝です。

 さて、校舎がきれいに新しくなったので「新しくなる」ということについて考えてみたいと思います。この度の外壁補修工事などもそうですが、私たちは何かが新しくなるとき、わくわくしたり、嬉しくなったりします。また、気持ちを切り替える良い機会になることがあります。文字通り新鮮な気持ちで再出発です。ところが残念なことに、新しいものもいつかは古いものとなり、新鮮なときにあれだけわくわくした気持ちも時間と共に薄れていきます。あの時に戻りたいと思っても、元に戻るのはたいへん難しい。言ってみれば、新しくなった瞬間から古くなることが始まります。時間の不可逆性(物理学では「エントロピーの増大」という概念だそうです)のために古くなったり、劣化したりするのは避けられないことです。ですから、私たちは常に自分の過去を引きずりながら人生を歩いて行きます。さらに私事ですが、自分の過去は良い思い出より思い出したくない思い出の方が圧倒的に多いのに気づかされます。この「過去の自分への思い」が、何かをしようとするときに自分を躊躇させることが多くあります。「また失敗したらどうしよう。」とか、「どうせ、うまくいかない。」など、ネガティブな自分との戦いが始まる訳です。
 ところが、聖書には、「だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造されたものなのです。」(コリントの信徒への手紙二 5:17)とあります。私たちは、キリストのうちにあるとき、常に新しくされています。過去の自分がどうであったとしても、今の自分を丸ごと愛してくださる神様がそばにいてくださる。そのことを実感できることが一番必要なことだと思います。立教女学院の子ども達はそんな神様をいつも身近に感じながら生活しています。11月中旬から恒例の6年生との校長面談を行っていますが、立教女学院の好きなところとして、「毎朝神様と向き合える礼拝の時間」をあげる子が多くいます。また、自分のタラントを他の人に役立てたいという思いが育ってきている子ども達が多いことをたいへん嬉しく思います。神様と向き合うとき、私たちは常に新しくされることを信じ、感謝したいと思います。
 一方、「こんな自分でも自分は神様の愛の中にいるのだろうか。」と、前に進めなくなるときがあります。最近読んだ本(『信じても苦しい人へ』中村穣著 いのちのことば社)には、こんな事が書かれていました。「信仰者の成長は、“私が何かをどれだけうまくできたか”ではありません。」これは、神様は何かがうまくできた私を愛してくださるのではなく、うまくいこうが失敗しようがそんなことの以前に愛していてくださるということです。イエス様を慕う思いがあれば私たちはイエス様のうちにいます。そして、日々新しくされるのです。

 中庭のクリスマスツリーに明かりがともりました。立教女学院小学校もクリスマスシーズンに入り、クリスマスカードを作る5年生、聖劇を演じる6年生にとっては、忙しい日がしばらく続きます。一人ひとりがイエス様の誕生を心から祝い、温かいクリスマスと新年を迎えられますように。そして神様の祝福が皆様の上にありますように。

≪ 遠足 1年生 国営昭和記念公園 ≫

 雲一つない青空の下、1年生は国営昭和記念公園に向かいました。イチョウ並木の中で集合写真をとり、いよいよ楽しみにしていた遊具エリアへ。遊具エリア付近でおいしいお弁当・お菓子を食べ、エネルギーチャージをした子どもたち。「久しぶりのお弁当、うれしいな。」「このお菓子、私のお気に入りなの。」と楽しそうな声があちこちから聞こえてきました。子どもたちは食べ終わると同時に、遊具に向かって思い切り走っていき、終わりの時間までめいっぱい遊んでいました。

日記より

・ぎんなんやもみじやいちょうがおちていて、あきだなぁとかんじました。
・にじのハンモックでジャンプをいっぱいしてねころぶと、空にうかんでいるきもちになりました。
・おべんとうをたべたすぎて、たおれそうになりました。やっとみんなでおべんとうをたべることができて、すごくしあわせでした。おべんとうのなかでも、からあげがおいしかったです。

≪ 遠足 2年生 国営昭和記念公園 ≫

 気持ちの良い秋晴れの中、1年生と同様に、国営昭和記念公園へ遠足に行きました。今回は、5年ぶりに電車に乗って遠足に行きます。事前に公共の場所でのマナーを確認して、臨みました。
 公園に着き、お弁当を食べ終えると、元気いっぱいに遊ぶ時間です。たくさんの遊具に目を輝かせながら、広い敷地を駆け回っていました。帰りには、ペアの1年生と手をつなぎ、公園内を歩きました。疲れているはずなのに楽しそうな子どもたちのうしろ姿に心が温かくなりました。

日記より

さいしょは大きなすべり台がこわかったけれど、みんなですべれば、へっちゃらでした。
・ふわふわドームでいっぱいとびはねて、クタクタになって帰りました。
・帰り道、ペアの1年生とたくさんお話しできてうれしかったです。元気が出ました。

 

≪ 遠足 3年生 高尾山 ≫

 秋晴れのまさに遠足日和、3年生は高尾山に行きました。3年生にとっては初めての登山の遠足です。 
 高尾山口駅に着くと、山の自然に囲まれて空気の変化を感じました。登りは、途中までケーブルカーを使います。紅葉が美しいこの季節、他のお客様も多く「どこから来たの?」「何年生?」と交流を楽しみながら、ケーブルカーの中で日本一の急勾配を体験しました。山頂までは薬王院を通っていく一号路を選びました。山頂からは富士山がよく見えました。いつもよりもとても大きく近くに見えたので、はじめは富士山だとわからないほど。「あれ、やっぱり富士山だよ!」と気づき、思わず笑ってしまいました。 
 下りは稲荷山コースで、木の根や岩がごつごつしている道を進みました。だんだん足が痛くなってきたり、疲れを感じたりもしたけれど、木々の葉が美しく色づく中、友だちとゆっくりおしゃべりを楽しみながら歩くことは何よりも楽しかったようです。

≪ 4年生スタディツアー 茨城県 ≫

 秋晴れのもと、今年の4年生は筑波山と水戸市を訪れました。筑波山は、つつじヶ丘から「おたつ石コース」を進み、弁慶茶屋跡からは「白雲橋コース」に合流して頂上を目指すコースです。延々と続く魔の(?)階段を登り切ったあとは、いよいよ本格的な山道。紅葉のトンネルや澄んだ空気を味わい、筑波山ならではの巨石や奇石を楽しみ、すれ違う人たちに元気な挨拶をしながら登りました。子どもたちとの登山で興味深いのは、必ずしも前の人と同じ道ではなく自分で好きな道を選んで進むこと。一般的には、歩幅は狭くして緩やかな段差を同じペースで登るのが疲れない歩き方とされていますが、「こっちのほうが大変だけどおもしろそう!」「じゃあ私も!」と、敢えて段差のある険しい道を選んだり、登ることを想定されていないような大きな岩をよじ登ったり、走って先回りして休憩したりと、分かれ道が現れるたびに自分流のルートを選択していました。
 2日目は鯉淵学園農業栄養専門学校へ。4つのチームに分かれて、専門の先生方に丁寧に説明していただきながら、さまざまな体験をさせていただきました。米チームは脱穀機や手回しの唐箕(とうみ)を体験したのち、大型機械による選別と精米を見学。野菜チームはサツマイモ・ピーマン・シシトウなどの計量と袋詰めを、落花生チームは収穫された実のもぎとりと計量と袋詰めを、大根チームは洗浄と根の切り落としと袋詰めを体験しました。店頭で販売される商品の裏側をお手伝いさせていただくことができ、楽しいだけではなく少し誇らしげな表情の子どもたちでした。
 今回の体験を経て、茨城県が好きになった4年生。来年、田植えや稲刈りや地元の方々との交流で再び茨城県(常陸太田市)を訪れますが、その日が待ち遠しくなりました。

日記より

・米はいろいろな種類があって米色も変わる。お米は最初は冷たくて茶色、黒、緑などの色だったけど、きれいにすると、いつものお米になって出てきた。ちなみに温かくてキラキラしていた。
・野菜もあたえられたひ料の好ききらいがあると聞いて、野菜も生きているんだなと思いました。

≪ 私学体育発表会 ≫

【バドミントンクラブ】
 成蹊学園にて交流試合を行いました。4月からバドミントンを始めた子どもたちも多く、初の公式試合に緊張の面持ちでした。それでも試合を通して徐々にペアと声を掛け合ってコミュニケーションを取れるようになり、粘り強くラリーを続け1点を勝ち取っていました。昼食時に、「スマッシュを返せるようになりたい。」「いつも練習でできなかったことができるようになって嬉しい。」「次は〇〇の練習をしたい。」と話してくれ、昼食もさっと食べて午後の試合に向けて寸暇を惜しんで練習に向かう姿が見られました。大会で出会った他校の仲間とまた3学期に試合で会おうと約束する姿に、良い交流の場になったと感じました。

【サッカークラブ】
 日ごろの練習の成果を試す、絶好のチャンス到来。3試合に出場し、結果は1勝2敗。結果だけに一喜一憂せず、1試合ごとの試合内容を振り返ることで、チームの課題や自分の課題を見つけていく選手の姿は、とても頼もしく、何よりも「学び」につながっていると感じました。今回の試合で見つけられたそれぞれの課題や反省点は、2月の「4校対抗戦」に向けて生かせると思います。

 

 

【バトンチアクラブ】
 成城学園初等部に10校が会し、ダンス発表会が行われました。明るい照明の広い舞台に多少緊張しつつも、いざ音楽が始まると、みんな真剣かつ元気いっぱいの表情に切り替わります。ダンスで会場のみなさんに元気を届けよう!との気持ちで『Mickey Mouse March』を全身で表現しました。また、この機会に他校やOGの方の作品をじっくり鑑賞できたことも、大変貴重な経験でした。今回の経験を生かして、今後も活動を深めていきます。