低学年の教育
人と人がかかわり合いながら成長してほしいと願い、特に低学年では友だちと元気に遊ぶ機会を大切にしています。30年来続けている「なかよし」という時間を1・2年生で週1時間特設し、外で自由に遊んだり、大きな集団で遊んだりして、仲間とどうかかわっていくかを学ぶ機会にしています。また行事を通して、集団の一員としての役割や行動の仕方を身につけてほしいと願っています。
学校ばかりでなく、家庭でも家族や近隣との生活を大切にしてほしいと考え、勉強道具は原則として、学校に置いておきます。そのため、1・2年生ではランドセルを使用していません。家庭学習が必要なときだけ持ち帰ります。
高学年の教育
これまで培った基礎力の上に、発展的内容も視野に入れ、一人ひとりの確実な理解と、自主的・主体的に学習に取り組もうとする姿勢を養うことを目的とした各教科の学習が行われます。国語・算数は学級担任が、社会・理科・音楽・図工・体育・家庭・習字・聖書等は専科教員が担当し、児童の発達段階に応じた、質の高い授業をめざしています。
教科の学習に加えて、全校児童の前での聖書朗読や食事当番、各種委員会など学校生活を支える様々な役割を担ったり、クリスマスやイース夕ー、6年生を送る会などの学校行事の準備や運営を通じていろいろな経験を重ね、様々な生活の技術、他者と協調しながらも充分に意見を交え、一致点を見出し、力をあわせて問題解決に向かう力量、低学年の児童に対しても状況に応じて上手にリーダーシップが発揮できる能力など、トータルな人間性を養うことをめざしています。
「学びたい」気持ちを育てる授業
国語
「話す、聞く、書く、読む」活動を通して、子どもたちの言葉の力を豊かに育みます。書字指導は丁寧かつ細やかに行っており、美しくバランスの良い字が書けるように、長い時間をかけて学習していきます。また、変化の激しい現代社会を生き抜くために求められる国語の力も、同時に育みます。特に「誰かと一緒に取り組む活動」や「みんなで話し合う活動」を大切にしています。友だちの持つ多様な意見を知る中で、新たな価値観や広い視野を得ることも、目標の一つです。
算数
「ん?」「なんで?」「どうして?」という、子どもの素朴な疑問を大切にして、みんなで考えたり話し合ったりしながら、「なるほど!」と言えるようになるまでの課程を大切にしています。算数の基礎・基本をもとにして、疑問をよりよく解決したり、よりよい方法を見い出したりすることができるようにし、学ぶ楽しさを味わえる授業を目指しています。
高学年では、基礎・基本の確かな定着を図るため、教員2人体制の授業を行っています。
理科
「考えること」「やってみること」を学びの基本とし、観察や実験など本物に触れる体験を多く取り入れています。身の回りの科学に親しみながら、論理的に考えるための土壌を育みつつ、女子がもつ繊細さや丁寧さを伸ばす指導も大切にしています。四季折々の草花や樹木がある緑豊かな校地をフィールドとして学習できるのも本校の特色です。生命を尊重する心を育み、学年に応じた多彩な栽培活動を通して人と自然のかかわりを考えていきます。
社会
子どもたちが学習内容を自分の生活と結びつけ、疑問をもったり考えを深めたりすることを大切にしています。また授業や社会科見学などの体験活動を通して、「必要な情報を取捨選択する力」、「豊富な知識を土台として自分の考えをもつ力」、「自分の考えを工夫して相手に伝える力」を養い、よりよい社会の実現のために何ができるかを考えます。
英語
児童期に英語を学ぶ目的は、多様な人々が集まるグローバル社会の中で、言葉の壁を越えて他者を理解し、自分を表現し、また仲間と協働的な取り組みを行うための素地を耕すことだと考えています。このため「英語を用いたオーセンティックなコミュニケーション」「友達と協働する創造的な活動」を主な内容としています。
日本人教諭1人と外国人教諭3人の合計4人の教諭が、授業内容に応じて、10人前後の少人数グループ、クラスを半分に分けたミドルサイズ、またクラスや学年全員での活動など、弾力的なグループ編成で、幅広い活動を展開しています。1~2年生は週1回、3年生は週1.5回、4~6年生は週2回授業を行います。
低学年
子ども達の様々な英語経験を多様性のひとつと捉え、「現在の興味」に合わせた内容で、英語を使う機会を大切にしています。授業では、ゲームや歌はもちろん、アルファベットの文字に関心を向けたり、他教科で学ぶ内容を英語でも表現するなど、様々な切り口の活動で、英語でコミュニケーションする楽しみを見つけていきます。
中学年
自分の身の回りのことから一歩進んで、抽象的な思考も深まる中学年。英語で表現できることも増え、少し複雑な協力ゲームに発展したり、プレゼンテーションなどの表現活動も豊かになります。写真や動画を多用したリアルな教材をとおして、世界で話されているWorld Englishesに触れながら、自分が発信する英語にも自信をつけていきます。
高学年
思考が深まり、英語で表現したい内容もより豊かになる5、6年生では、チームで行うプロジェクト活動が中心になり、学び方も自分に合ったものを各自が選択するなど、より主体的に取り組みます。オーストラリアの提携校、Emmanuel Anglican College(EAC)の小学生とのビデオ交流やライブのオンライン交流授業など、リアルなコミュニケーションの幅も広がります。
生活
具体的な活動や経験を通して、身近な社会や自然を知り、生きる力をはぐくむのが生活科です。そのために、体験的な学びを重視し、子どもたちの「発見」や「疑問」を大切にしたカリキュラムを組んでいます。1年生は、学校のことをよく知り、自分と友達についての理解を深める活動を行います。また、朝顔・さつまいもなどの栽培を通して、命の大切さを学びます。2年生は、自分たちのくらしを支える仕事について知る活動をしています。その他にも、おまつりや秋さがしなどのイベントを企画し、1年生を招待することで、他者のためにはたらく喜びを実感できるようにしています。
聖書
週に1時間、すべてのクラスで聖書の授業があります。旧約聖書の物語を昔話のように楽しむ低学年から、イエスの生涯を学ぶ中学年。高学年では現代の社会とキリスト教の精神を関連づけながら、隣人を自分のように愛するとは何かを問いつづけていきます。
音楽
一面に敷かれたカーペット、壁面の鏡、机のない仕様が子どもたちの心を開放し多様な活動に対応できる広い空間の音楽室となっています。授業は6年を通して、歌唱・器楽演奏・鑑賞・身体表現をバランスよく行い、体験を通して音楽の楽しさを実感できるようカリキュラムを組んでいます。仲間と共に音楽を創り上げ、演奏する喜びを共有できた時、大きな感動が生まれます。
朝の礼拝で歌い、クラスで歌い、授業で歌い、行事で歌う。立教女学院小学校は歌声にあふれた学校です。
保健
養護教諭が担当し、自分の体に関心を持ち、健康的な生活を送るための基本的生活習慣について問題解決型学習を中心に行っています。発達段階に沿って自らの成長を受容できるように、科学的かつ神の創造の神秘も大切にしながら「体と心と命の学習」をすすめています。
体育
陸上運動、水泳、器械運動、ゲームやボール運動など、様々な運動の領域をバランスよく学習しています。春と秋に行われる体育行事にむけて、ダンス表現にも力を入れています。運動や健康に関する知識・理解を深めながら、基礎的な体力や運動能力(技能)を身につけ、楽しく明るい生活を営む態度を養います。
図工
創造的に表現したり鑑賞したりする態度を育て、つくりだす喜びを味わうことを目指しています。ガラスに囲まれた明るく開放的な教室で、キャンパスの木立を眺めながら、楽しく意欲的に学んでいます。ICTを活用し、教科横断的な内容の課題にも挑戦しています。
家庭科
体験的な活動を通して、基本的な知識や技術を身に付け、実践の場で活かせるよう学びを進めます。「食」の領域では、夏のキャンプで、限られた条件にふさわしい献立を自分たちで考え、役割分担をして食事を作る経験をします。「衣」の領域では、卒業時に自分の好きな聖句・聖歌の一節を選び、一針一針に神さまへの感謝を込めた卒業制作を仕上げます。
Link
総合的な学習の時間をブラッシュアップし、教科の枠にとらわれない本校独自のカリキュラムで進める時間です。日々の学習、行事などを通して、考えた事や生じた疑問をもとに、子どもたち自らがテーマを見つけ、意見を交換し合いながら学びを深めていきます。知識と学びをつなげ広げていくこの時間を、本校では「Link」と呼んでいます。
なかよし
1・2年生は週に1回なかよしの時間があります。自由遊び、集団遊び、ルールのある遊び、勝敗のある遊び……様々な遊びを通してコミュニケーションのあり方を学びます。いろんな人がいて、いろんな考え方があるということを知り、互いを尊重しながら、折り合いをつけることを経験します。
2年生になると、自分たちでゲームを企画したり、誰かを楽しませたりすることにも意識をむけて活動します。
読書(図書活動)
本を愉しむこと、資料の活用ができるようになることを主たる目的に授業を行っています。言葉遊びに始まり、読み聞かせや輪読で文章のリズムをつかみ、昔話や落語の発表をすることで表現を楽しみ、作家のお話を聞く会や語り部のお話会、児童図書の展示会で読書の幅を広げます。調べ学習のための本の利用法も学びます。
フォローアップタイム
高学年では週に2回、放課後にフォローアップタイム(補習)を設け、学習面のフォローを行います。少人数で行うことで、目の行き届いた丁寧な指導ができます。