学校生活

小学校だより

2019/11/29

第251号 2019年10月30日

神の国と神の義を    教頭 吉田 太郎

 『こども六法』(弘文堂、山崎聡一郎著)という本が異例のベストセラーとなっています。高学年向けに書かれた法律解説書なのですが、筆者自身のいじめ体験を踏まえて「法律を知っていれば自分で自分の身を守れたかも」という思いから、分かりやすく丁寧に書かれた本です。

 近年、日本社会の抱える問題の一つは道徳心、モラルの低下だと言われ、新しい学習指導要領の改訂では「道徳」が教科として正式に組み込まれました。そんな中でも創立以来、立教女学院小学校では「道徳」に代わって「聖書(宗教)」が代替するとして、キリスト教を価値の主軸に据えた教育を続けています。実際にはまだまだ足りない事ばかりですが、確かに、私たちの教職員集団は多忙な日々の仕事にも、「子どもたちのために」という視点ともう一つ、「神さまに喜ばれる働き」であるかどうかを常に意識しようと努力しています。さて、文科省が「道徳」を殊更に重視する背景には何があるか、道徳教育導入の推進論者が書いた『誰が「道徳」を殺すのか』(新潮新書、森口朗)の中に、興味深い分析がありました。要約すると、以下のような主張となっています。

〜現代社会の最大の厄介は、終戦直後の混乱期に教育を受けた世代の指導者がいまだに会社や組織の中で踏ん反り返っていることでしょう。彼らの多くが、新しい価値や創造性といったものよりも、自らの経験値のみに依拠した振る舞いに終始しています。驚くべきことに、犯罪検挙率が他の世代に比べて高いという統計もモラル教育の欠如を示しているのです。〜

 もちろん、70歳を超えた方々の中にも、経験豊かで素晴らしい人格者はたくさんいらっしゃり、社会の中で活躍し続ける、愛すべき先達を私たちは知っています。しかし、終戦直後の学校では軍隊帰りの教員や軍国主義の影響が残る中で、指導という名の暴力が正当化されていましたし、戦後しばらく(少なくとも昭和50年代まで)は、テレビドラマでも熱血教師が不良生徒に愛の鞭という鉄槌をお見舞いし、その教師の握った拳には涙が落ちる。そんなシーンが美談となるような社会でした。残念ながら、体罰や暴力を肯定する、誤った教育観のもとで多くの子どもたちが学んでいたということは事実です。
 昨今、騒がれているスポーツ団体や政治家、学校における暴言や失言、または暴力といったハラスメント問題の根底には、決まってモラルや人権感覚の鈍い、昭和の高度経済成長期を支えた自負と、そのやり方をいつまでも信じて疑わず、変える気がない、変わることのできない悲しい人たちが登場します。時代は昭和から平成、令和となったけれど、彼らの時代錯誤のオールドスタイルは決まって「昭和っぽいね」と囁かれています。平成の30年間はいったいどこへ行ってしまったんだろうと不思議になります。現代社会は5年、10年というスパンで大きく変化していくのだから、我々40代の昭和生まれ世代も30年後に「老害だ!」などと、今の子どもたちに言われないよう、自戒せねばと思います。

 『こども六法』には、刑法の解説に「その一言が罪になる!」という項目があります。「あいつキモイよな。」「ウザイよね!」という会話、これは刑法231条では「侮辱罪」となりうるし、バカやアホなどの曖昧な言葉でも罪になることもあるんだよ。と解説しています。また、「脅して何かをさせたらダメ!」では、刑法223条の強要罪について、いのち、体、自由、名誉、財産などに害を与えると言って、無理やり何かをさせようとする、あるいは邪魔をすることも犯罪である、と。これらはあくまでも一例ですが、改めて子どもだけでなく、大人も「法」「人権」ということを学び直す必要があるのだと感じました。
 日本国憲法は「基本的人権の尊重」について、侵すことのできない永久の権利として受け継がれていくものだと規定しています。そして、キリスト教主義学校としての見解は、人間の世界の法の上に、あるいはそれを超えたところに「聖書」に示された神の国の価値があります。ゆえに、神さまが愛された人間の持つ権利、人権を蔑ろにする社会を神さまは義とはされない。そのことを私たちはしっかりと守っていきたいと願っています。

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《3年生社会科 スーパーマーケット見学》
 10月15日(火)、社会科の学習で三鷹台駅のすぐ側にあるオダキューOXに見学に行きました。私たちの生活の中で「働く人」にはどんな人がいるのか、また、その人はどんな仕事をしているのか、まずは一番身近なお店である「スーパーマーケット」に行くことになりました。売り場の見学や、普段なかなか入ることのできないバックヤードも見せていただきました。スーパーはお家の方とよく行く場所ですが、いつもとは違う視点での見学はとっても新鮮。「商品の棚に鏡がある!」「どうしてテレビにお料理の作り方が流れているのだろう?」と、お店の色々な工夫に気がつきました。バックヤードでは、冷凍庫や冷蔵庫にも入らせていただきました。冷凍庫の中の気温は、なんと-23℃!寒い部屋の中でお仕事をしている方は、手が凍らないように軍手をしていました。子どもたちにとってスーパーは身近な場所ですが、「働く人」の立場に立って考えると、新たな発見がたくさんあり、良い学びとなりました。たくさんの仕事がある中で、「働く人」がどのような思いをもって仕事をしているのか、これからの学習でさらに深めていきたいと思います。(3年 吉村)

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≪運動会を終えて≫
 今年は雨に悩まされました。都内の幼稚園、学校でも延期、短縮開催が相次いだと聞いています。本校も、予備日での開催、ギリギリまで悩んだ末の体育館実施となりました。出来なくなってしまった競技もありますが、子どもたちはそれぞれの思いを持って運動会を終えることができたようです。保護者の皆さまには、様々な変更に柔軟に対応していただき、感謝申し上げます。

~日記より~
●つぎはわたしたちのきょうぎ、でかパンきょうそう。ドキドキしたけれど、みんながはく手でむかえてくれたから、きあいが入った。けっかはざんねんだったけど、白と黄色組をはく手して、(おめでとう)と心の中で言っていると、くやしいけど、つぎはがんばるぞ!というきもちがわいてきた。(2年生)
●ダンスはれんしゅうの時よりたくさんのおきゃくさんが見ていて、とってもはずかしくて大じょうぶかなと思いました。みんながいっぱいのはく手をおくってくれてがんばる気もちがどんどんふえていって、え顔でできました。一番気に入ったのは、はたたいそうです。「ヒュー」と音がしていいなと思いました。(2年生)
●わたしはこの日をずっと楽しみにしていたけれど、ざんねんながら雨でした。てるてるぼうずをかざったのに、とてもざんねんでした。でも中高の体育館をかりてダンスときょうぎができました。ダンスはだいせいこうでした。(3年生)
●応援をしすぎてのどが痛くなりました。(あれ?でもこんなにのどが痛くなるほど大声を出したことがあったっけ?)と、心の中で思いました。私は前まで大声を出すと注目されると思ってあまり大声を出しませんでした。初めて大声が出せたことをうれしく思います。(4年生)
●全ての競技が終わって結果発表となりました。「赤組47点、白組47点」「同点です」というアナウンスに「ウワ~!」と歓声があがり、みんなおどろいた顔をしています。本番は勝ちたかったけれど、赤も白もおたがいに一生けん命練習していたので、同点でも良かったのかな、と思います。来年は優勝だ。(5年生)
●結果は同点。赤組も白組も諦めず「最後までやりきった」からこそ、相手とたたえ合えるよい結果に繋がったのだと思う。「最後までやりきる」。これは、この運動会で達成したい学級目標だった。みんな一人一人、チームで頑張ったからこそ達成できたと思った。(6年生)

 

 

 

 


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≪芸術鑑賞会≫
 今年は、影絵劇団「かしの樹」をお招きし、木村裕一さんの本「あらしのよるに」を上演していただきました。表情豊かな影絵の動きと、技術を駆使した光や映像、たった一人による見事な語り……「かしの樹」の影絵ワールドにすっかり引き込まれていきました。
 どのような分野であっても、その道を極めた方々と出会うことは、子どもたちの興味関心を大いに刺激します。今回の公演も、子どもたちに大きな夢と感動を与えてくれました。6年間で様々な芸術に触れ、豊な心を育んで欲しいと願っています。(音楽科 上川)

~日記より~
●さいきんわたしも、おともだちをたすけました。ガブくんみたいにもうちょっとつよくたすけてみたいです。(1年)
●こわかったけれど、さいごはこころあたたまるおはなしでした。わたしがおとなになったら、「あらしのよるに」のようにこころあたたまる本をかきたいです。(1年)
●うらで影絵を動かしている人のテクニックがすごくて、白黒映画を見ているようでした。語り手のお姉さんもとてもうまくて、まるで何人もの人が会話をしているように聞こえて、たまに一人かどうか確認してしまいました。(5年)

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《色鉛筆》
石垣フグは食べられる
 息子と友人と伊豆大島に行った際、島在住の友人が石垣フグなるものを釣ってきた。半信半疑。「毒に当たったら死んでしまうかも?!息子に食べさせてよいものか?大体ここは伊豆大島なのだから、石垣と名前のつくフグは存在しないのでは?」などと考えているうちにフグの鎧のような皮は服を脱ぐように剥かれ、綺麗な白身が出ていた。友人の粋な包丁さばきに感動しつつも、こっそりとインターネットで本当に食べられるのか裏付けをとっていた。おそらく一緒に行った友人も隠れて検索していたであろう。街のはずれにあるキャンプ場で調理していたため、朝ごはん用のクラムチャウダースープの素で煮ることにした。味見で毒に当たってしまうかもしれないという恐怖よりも、興味が勝ちスープをすすってみる。なんとも美味!これこそ石垣フグ!友人を疑い毒を持っていないフグか調べ、味見したら最高~!と揺れ動いていた私の心を知らない息子は、隣で調理していた家族といつの間にか仲良くなりカレーをご馳走になっていた。完成した石垣フグのクラムチャウダースープは、息子が食べ出したら止まらず彼の胃の中にすっぽり収まった…。石垣フグは食べられる。※無毒でもフグ調理師免許を持つ人でないと調理不可。(図工科 唐鎌)

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