学校生活

小学校だより

2019/6/27

第246号 2019年5月31日

キリスト教学校の使命-西原廉太先生の講演から    校長 佐野 新生     

 先日、通学途上の小学生らが犠牲になるという実に残虐な殺傷事件が発生しました。経験則が通用しない事態に驚きと不安と悲しみが交錯します。同じキリスト教学校の仲間ですので、他人事とは思えません。カリタス小学校の子どもたち、保護者・関係者のために全校で祈りを捧げました。犠牲となられた方に哀悼の意を表します。

 西原廉太先生のお話を伺う機会がありました。先生は、京都大学工学部を卒業後、聖公会の司祭になられ、現在は立教大学副院長・キリスト教学校教育同盟理事長でいらっしゃいます。「現代に生きるキリスト教学校教育の課題と可能性 -リベラルアーツの本来的意味の回復」と題したご講演の内容の一部をご紹介します。

 今日ではキリスト教学校は激動期を迎えている。少子化と人口減少の時代を迎え私立学校も経営の効率化が強く求められる傾向も強まっている。このような状況の中でも、ミッションスクール(キリスト教学校)には、建学の精神に立ち使命を果たしていくことが求められている。キリスト教学校の原理的な原点の確認が必要である。
 そもそも、12、13世紀に成立した大学(オックスフォード大学、パリ大学、ケンブリッジ大学など)のルーツは修道院であり、初期の大学の学部は、神学部と法学部と医学部の三つであった。この3つの学部は、神から人間に与えられている2つのテキストを読み解くために設置されていた。第1のテキストは聖書であり、第2のテキストは、神が作られた自然、宇宙、人間・人体という世界である。大学を卒業すると、聖職者、医者、法律家の職に就くことになるが、職業を意味するvocationという言葉に召命という意味があるように、この3つの職業に共通するミッションがあった。それは、この世において痛みを負っている人、苦悩や悲しみを担っている人に対して自分自身を担いながらも徹底的にかかわることである。共に祈り、共に痛み苦しみを担いつつ、医師は患者の肉体的な痛みを癒やすこと、法律家はその人が置かれている社会的な困難を和らげること、聖職者は、その人の心の痛みを和らげることを使命としていたのである。今日においてもあらゆるキリスト教学校は、他者の痛みに気づき、共感し、関わることのできる人を育て、社会に送り出す使命を担っており、その原点がここにある。
 また、中世の大学では、専門教育に進む前提として、7教科の神学基礎科目の履修が義務づけられていた。これがいわゆる「自由七科」、リベラルアーツである。日本では「教養科目」と訳されるが、本来的には単に知識を得ることではない。本来のリベラルアーツとは、人間を人間たらしめるために必要な智、神の与えた2つのテキストを理解するための前提として必ず習得すべきカリキュラムであるとされていた。この7教科は、3科(言語科目、聖書)と4科(第二言語科目、数学)とに大別され、先の3科は、①文法②修辞法③論理学、後の4科は、④算術⑤幾何⑥音楽⑦天文学、の7科であった。先の3科は、神から人間に与えられた第一のテキストである「聖書」を読み解くための方法論であり、後の4科は、神が創造された第二のテキスト(自然、宇宙、人間・人体)を読み解くための方法論である。地動説(太陽中心説)を唱えたコペルニクス、惑星の運動法則を明らかにしたケプラー、コペルニクス宇宙論を跡づけたガリレオ・ガリレイ、数学的原理に基づく自然哲学を著したアイザック・ニュートン、進化論を唱えたチャールズ・ダーウィン、ビッグバン理論を最初に唱えたジョルジュ・ルメートルなどの著名な科学者はすべて神学者であり、リベラルアーツの学習を基盤として神の与えたもうたテキストを忠実に読み解く努力を続けた人物であった……。

 ご講演内容を十分お伝えできず残念です。ケプラーの惑星の運動法則についての著作「宇宙の和声学」では、太陽系のそれぞれの惑星の運動法則が五線の楽譜上に音符で表されていたことや、ガリレオ・ガリレイもニュートンも敬虔な信仰者であったことなどなど、大変興味深い内容でした。理科、数学、音楽といった今日の学校教育の各教科もキリスト教学校において伝統ある重要な教科であることも教えて頂きました。我々はこれからも、人間として必要な「智」を授け、他者の痛みに共感・共苦する感性を養い、多文化世界に生きることのできる国際性を有する人物を社会に送り出していく使命を担っているのだという認識を新たにし、しっかり取り組んでいきたいと考えています。

 まだ5月だというのに、猛暑が襲来。北海道佐呂間町で39.5度、帯広38.8度、と、5月の全国の最高気温の記録が何と北海道で更新されるという驚きの事態が発生しています。どうぞ健康に留意してお過ごしください。

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≪春のスタディツアー 茨城県常陸太田市金砂郷   5A・5/8~9 5B・5/9~10
 3日間とも晴天に恵まれ、里山の心地よい気候の中でスタディツアーを行うことができました。今回のメインプログラムは「農業体験」です。田んぼの中に足を入れるのが初めての子どもたちは、泥の中をおっかなびっくり歩きはじめました。金砂のおじさま、おばさまから教えていただいた田植えのポイントを思い出しながら、丁寧に丁寧に苗を植えていきます。しかし、ふり返ってみると、曲がっていたり、間隔が開いてしまっていたり……。その後、おじさま、おばさまのアドバイスと優しい声かけのおかげで、田植えを無事に終えることができました。事前に社会科の授業で日本の稲作について学び考えた上で実際に田植えをしたので、体験的な知識や技術だけでなく、食育や食料の供給といった多角的な観点からの学びもあったようです。交流会では、金砂の方々が農業の楽しさや茨城でのくらしについてなど、様々な質問に答えてくださいました。事前に学校でロールプレイングをした甲斐もあって、会話は大変盛り上がり、温かなひとときを過ごしました。
 翌日は西金砂神社へハイキングに行きました。歴史ある神社の奥に続くのは100段以上ある急な階段。息を切らして登った先には、辺りの山々を一望できる素晴らしい風景が待っていてくれました。かなさ笑学校に戻ってからは、小刀を使って、竹箸作りに挑戦。先を細く仕上げるのに苦労しながらも、自分だけのオリジナル竹箸を完成させ、そのお箸で、竹飯ごうで作っていただいた筍ごはんや地元で採れた野菜のお漬け物などをおいしくいただきました。
 茨城の自然は、学校の中だけでは知ることのできないことを、たくさん教えてくれたようです。(5年 堀口)

日記より
・いよいよ田植えの時間だ。勇気をふりしぼり、足をどろの中に入れた。ひんやりとし、どこまでいくのか分からないくらい、しずんでいく。「ぐにゃっ」という感覚がして、手を入れると、下に何かいるような気がして、かまれないかと心配になった。でも意外とくせになる感じだった。
・なえが少なくなると、おじ様がなえを投げてくれて、それをキャッチするのが大変でした。途中でふり返ってみると、すごく曲がってしまっていて、「あちゃー」と思いながらも、間かくなどに気をつけて植えてみました。
・この間、社会の授業で『米を食べる人が少なくなっている』と習いました。他の人も田植えを体験すれば、またお米を食べる人が増えるはずです。田植えだけでも大変なのに、手入れもしなければならない事を知り、お米を1つぶ1つぶ大切に食べたいと思いました。
・朝の礼拝で「ピーピー」と鳥の鳴き声や「サー」という風の音がうっすらと聞こえました。また、木や葉などの優しい自然の香りがして、気持ちを落ち着けることができました。(同じ関東地方でも、東京都とは全然ちがうんだな)と、思いました。

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微生物が電気をつくる!?   ~微生物発電~
 常陸太田市金砂地区でセンシング技術の実験・研究を行っている一般社団法人スーパーセンシングフォーラムの協力で、「微生物発電」のプロジェクトに取り組んでいます。よく発電する微生物は空気が無いところが好きだと説明を受けた子どもたちは、できるだけ深い場所から土を取ろうと一生懸命掘っていました。金砂で採取した土を学校に持ち帰り、井戸水と混ぜて練り、ガラスの植木鉢に入れていきます。その上に電極を置き、更に土を被せます。空気が入らないように、どの行程も確実に丁寧に。完成した植木鉢から得られる電圧は、班ごとに毎日計測しています。夏至(キャンドルナイト)の日に合わせて行う点灯式では、未来を変えるかもしれない小さな光が灯されることを楽しみにしています。(理科 亀山)

微生物発電:嫌気性の微生物が土の中の有機物を電気エネルギーに変換することによって発電する

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≪2年生 1年生を連れて学校探検!
 5月14日(木)に学校探検をしました。学校探検では、2年生が学校内にある施設の場所や用途を1年生に案内しました。遊んでいい範囲を一緒に歩いて周りながら、遊び方のルールも確認しました。この日に向けて、2年生は、学校探検で案内する場所を下見したり、わかりやすい説明を工夫したりするなどたくさんの準備を重ねてきました。「1年生に喜んでもらえるかな。」「上手に説明できるかな。」と不安な気持ちを持ちつつも、当日をとても楽しみにしていました。
 学校探検当日。1年生に対して丁寧にやさしく教える姿をたくさん見ることができました。「ここではこんなルールがあるよ。」「わからないことはない?」など、1年上のお姉さんとして立派に説明することができており、感心しました。今回の学校探検を通して2年生はさらにお姉さんとしての自覚を持つことができ、たくましくなったように感じます。
(2年 五十嵐)

~子どもたちの感想~
・最初はどきどきしていたけれど、1年生がニコニコして話を聞いてくれたので、私もニコニコできました。
・1年生は、ほほえみながら、「ありがとう。」と言ってくれました。そのとき、わたしはすごくうれしかったです。
・1年生が「2年生ってすごいな。」と言ってくれたので私はうれしくなりました。

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