学校生活

小学校だより

2018/12/20

第238号 2018年11月30日

「価値あること」とは?    教頭 吉田 太郎

 「星野君の二塁打」(吉田甲子太郎著 雑誌「少年」光文社に掲載、1947年)という道徳教材が話題になりました。2018年度から「特別の教科 道徳」としてすべての公立小学校で道徳が教科として行われるようになり、検定教科書として採択されるようになりました。この作品は小学6年生の道徳教材として2社で採用されています。(ちなみに、立教女学院小学校では、「聖書」が「道徳」を代替するとして、道徳の教科書を採択していません。)

【あらすじ】
 甲子園への出場が決まる地区予選の決勝。同点で迎えた最終回、ノーアウトランナーは一塁。バッターボックスはピッチャーでクリーンアップの星野君。この試合、前の打席は全て凡退の星野君に監督は送りバントの指示を出した。二盗を狙う一塁ランナーをしきりに気にして牽制球を投げるピッチャー。一球目、外角に大きく逸れてボール。投げ難そうにしながら、投じた次の第二球。ストライクゾーンど真ん中の絶好球。その時、バッターの勘か、本能か、打てる気がした星野君は監督の指示を破り、ヒッティングへ。打った打球は見事に外野の間を抜ける二塁打。牽制球でやや出遅れた前の走者を三塁コーチが止めたのでランナー2、3塁。湧き上がる歓声。次のバッターが犠牲フライを放ち、逆転のランナーが生還。見事、チームは予選突破、悲願の甲子園出場を果たす。しかし、翌日、監督は送りバントの指示に従わなかった星野君に対して「チームの統制を乱した者をそのままにしておくわけにはいかない。罪に対しては制裁を加えねばならない。」といい、星野君の甲子園出場を禁じる処分を下した。

 奇しくも、道徳の教科化が始まり「星野君の二塁打」が道徳の教科書に教材として登場した2018年。5月には、日大アメフト部の「危険タックル問題」が話題となりました。みなさんは改めて、この物語にふれたとき、どのように感じられたでしょうか。この道徳教材については、様々な問題点が指摘されています。たとえば、上官が正しくない場合でも絶対服従の軍隊式教育を奨励しているのではないか。個人を尊重する民主主義の倫理観を否定しているのではないか。上の言うことに従わないことは組織を乱す行為であると教え込むことにつながるのではないか。などが批判の主な論旨です。
 日大アメフト部の問題では、二十歳の青年がチームのためにと、監督の指示に従って重大な反則プレーを犯してしまいました。黒のスーツ姿で、一人で謝罪会見に臨んだ彼に多くの同情が寄せられました。見ている我々にとっても辛く、考えさせられる出来事でした。あるアメリカンフットボール指導者はインタビューに対して、言葉を選びながら、沈痛な表情で「彼にはフットボーラーとしての誇りを持って欲しかった、やるべきではなかった。」と答えていました。
 星野君は反則行為ではなく、送りバントの指示に従わなかった。結果、チームは全国大会出場を果たした。しかし、監督は出場禁止の処分を言い渡したあと、「異存あるまいな?」と尋ね、星野君は涙を流しながら「異存ありません」と答えた。そして、本文は「犠牲の精神の分からない人間は、社会へ出たって、社会を良くすることなんか、とてもできないんだよ」という監督の言葉で結ばれています。
 個人か集団か、犠牲か誇りか・・・・・・。私たちは子どもたちの前に立ち、何を「大切なこと」、「価値あること」として教えていくべきでしょうか。時代によって、国や地域によって、置かれた立場によって、大切にする価値観は違ってくるでしょう。答えのない時代だからこそ、子どもたちだけでなく、大人も、「自分の頭で考える」「考え続ける」ことを大切にしたいと願っています。そして、いつも神さまのことを意識しながら。

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≪4年生スタディツアー ~茨城県金砂郷~≫
 4年生は、11月14日から11月16日まで、A・B各クラスで茨城県常陸太田市にスタディツアーに行きました。現地に到着して、まずは、川の清掃をしました。里山の豊かな川を維持していくためには、絶えず人が関心を持ち、関わっていく必要があるという説明を聞き、「この川をきれいにすることで、生き物たちが過ごしやすくなるんだね!もっともっときれいにしなくては!」と、手を止めることなく、黙々と掃除をしていたのが印象的です。その後、今年初めてヤマメの稚魚を、再会を願って放流しました。さらに、きれいになった川辺にイルミネーションを飾り、夜には、点灯式を行いました。「3、2、1、わ〜!きれ〜い!」自分たちで飾ったイルミネーションが点灯され、大歓声が上がりました。川には、キラキラと反射する光。子どもたちは満面の笑みを浮かべていました。最後に、月明かりの中での月面や星座の観察。東京では絶対に見ることが出来ない夜空に、感嘆の声が上がりました。
 翌日は、久慈川で、鮭の遡上と人工孵化の様子を見学しました。理科の学習で鮭の一生について勉強していた子どもたち。実際に川に遡上する鮭の姿を観察し、その場のにおいを嗅いで、座学では学ぶことのできない実体験をすることができました。現地の方々とも交流を深めることができた二日間になりました。 (五十嵐)
~日記より~
・私は最初に川の中を掃除しました。デッキブラシをしっかりにぎって、川の底を一生けん命にこすりました。そんなに暑いわけでもないのに、汗が後から後から出てきて、まるで雨にうたれたようでした。
・死んだサケを見るたびに、(あんなにがんばって卵を産んだのに、子供の姿を見られずに死んでしまうなんて)と思い、悲しい気持ちになりました。大事な卵を私達人間がいただいているなんて、サケに申しわけなくなりました。

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≪6年生社会科 模擬裁判≫
 公民分野の学習の一環として、裁判を体験する取り組みを行いました。当日は弁護士会より11名の先生方をお迎えし、子どもたちの学びを支えて頂きました。
 この日の案件は、ある出版社が芸能プロダクションから「出版差し止め請求」を受けたという内容です。クラス全員が原告側・被告側の弁護士、及び裁判官に分かれて裁判が始まります。裁判官役は黒いガウンを着用し、いつもの教室が本格的な法廷の雰囲気に変わっていきました。
 最初のうちは発言に戸惑っていた子どもたちも、友だちや弁護士さんとの関わりの中で、徐々に自分の言葉で意見を述べられるようになり、みるみるうちに議論が白熱しました。自分の意見を主張することだけに留まらず、さまざまな角度から物事を解釈する、相手の立場になって考える、反対意見にも耳を傾けるという行動が、自然に深められていました。そして双方の意見を調整して、裁判官が最終的な判断を行います。結果がいかなるものであっても、その中でお互いを尊重するという大切な点を、子どもたちはしっかりと心に留めた様子でした。
 日頃、ともすれば距離を感じがちな「法」や「人権」について、具体的に考える貴重な機会となりました。今回の経験を、人権への意識や他の人を大切にする心を深めることに繋いでいきたいと思っています。(社会科 土谷)

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≪さつまいもを育てよう ~1年生生活科~≫
 「どんなおいもが育っているのかなぁ。」畑作業の格好に着替え、目を輝かせながら、畑に向かいました。さつまいもの葉っぱが生い茂っています。ひとまず、手前のいもづるを、ひっぱってみると……。「わぁ、先生の背の高さよりも長い!」土の中のさつまいもへの期待は、さらに深まりました。
 「うんとこしょ、どっこいしょ。」掛け声をかけながら、力いっぱい掘っていきます。すると、普段お店で見るものとは違い、たまねぎやごぼうのような形、ハート形など、大きさも形も様々なさつまいもが出てきました。「さつまいもにも個性があるんだねぇ!」と目を丸くしていました。
 そして、ついに育てたさつまいもを食べる日が来ました。その名も「おいもdeクッキング」。
「ねこの手」に気を付けながら、さつまいもを切って、一生懸命材料を混ぜていきます。それを蒸すとふわふわに膨らんださつまいもの蒸しケーキができました。「うわぁ、ふわっふわ!あまい!」自分で育てたさつまいもを、みんなでいただく喜びを分かち合うことができたひとときでした。(尾亦)

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≪ポップコーンパーティー ~3年生総合~≫
 「うん。うまーい!」「この味もイケてる!」今日は待ちに待ったポップコーンパーティーの日。子どもたちの歓声が食堂にひびきます。3年生が5月に植えた1㎝にも満たないイエローポップ(トウモロコシの品種の一つ)の種は、夏をこして1.5~2m近くまで成長し、たくさんの実をつけてくれました。
 その実をひとつひとつていねいに取り出したら、いよいよフライパンに入れて熱します。待つこと数分……パン、ポン、バフッ、と元気に実がはじけ、ポップコーンに大変身!できたてアツアツのポップコーンをビニール袋に入れます。そこに思い思いの調味料を入れてフリフリシェイク!定番の塩こしょう味、バターしょうゆ味、キャラメル味のほかに、ココア、抹茶、カレー、シナモン、チーズ……。「味をまぜてみようか?」「これも食べてみて!」子どもたち同士で、さらに味の工夫や改良をしているすがたも見られました。
 3年生は理科で「植物の一生」を学んでいます。1つの小さな種が大きく育ち、花をさかせ実をつけて、人が生きていくための食材にもなっているということを、実体験を通して学ぶことができました。 (小田)

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≪5・6年生 ガーデニングワークショップ≫
 暖かな秋の陽光が降り注いだ11月17日(土)、5・6年生の希望者を対象にガーデニングワークショップを実施し、玄関の植物を植え替えました。校舎内の観葉植物と花壇の植栽にご協力をいただいている園芸店、(株)プロトリーフの佐藤さんと大野さんを講師としてお迎えしました。
 花の特徴や植え方やバランスの取り方などを教えていただき、いよいよ自分たちでレイアウトを考えます。「紫はここじゃなくてこっちがいいかな」「端に植えて目立たせよう」「クリスマスローズはメインにしたいから真ん中に置こう」「いや、もう1回直して考えよう」と、議論は白熱。迷ったときには佐藤さんや大野さんに相談しながら植えていきました。さすがは植物が好きな子どもたち、手際よく丁寧に植えていき、中には「ぜひうちのスタッフに!」とスカウトされた子も。各チームが悩みに悩んで工夫を凝らし、個性豊かな8つの花壇が完成しました。今回植えた植物は、冬から春にかけて美しく咲くストック・アリッサム・パンジー・クリスマスローズ。来春、球根で植えたスイセンやスノーフレークが、さらに彩りを添えてくれるのが楽しみです。(理科 亀山)

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