学校生活

小学校だより

2019/9/4

第248号 2019年7月20日

軽井沢キャンプ    校長  佐野 新生

 梅雨寒の日々が続いていましたが、これからいよいよ暑くなるとの予報が出されました。本日無事に終業式を迎えることができますことを、神様に感謝し、併せて保護者の皆様にも心から感謝申し上げます。様々なご理解とご協力、ありがとうございました。

 3年生以上の夏のキャンプが、今年も立教学院のみすず山荘をお借りして行われました。ここは池袋の立教小学校が毎年のキャンプで利用している施設で、設備や備品も整っており、小学生が利用する際の様々なノウハウも蓄積されています。みすず山荘をお借りしてのキャンプは今回で5回目となりますが、今回も管理人さんの及川さんを始めとする多くのスタッフの皆さんのお支えにより、快適に過ごすことができました。今年は天候が悪く、キャンプ期間中はずっと曇りと雨の繰り返しの日々でしたが、予め雨天時のプログラムは準備しており、みすず山荘には屋根のあるコンクリート敷きの広いピロティもあるため、キャンプ自体は順調に進めることができました。この施設をお借りできることは大変ありがたいのですが、立教小学校の使用時期との関係で本校側は6月からの実施とならざるを得ないこと、正課の学期中に多くの教員がキャンプ付添に割かれてしまうことなど、今後も考えていかなければならない課題が残されています。

 楽しいキャンプをみんなで作ろう、と、それぞれの期で取り組んできました。家庭を離れ3日間を過ごすことは、初のキャンプとなる3年生にとって大きな緊張の伴うことだったことでしょうが、同行する6年生は自分たちの初キャンプの時のことを思い出し、3年生に良い思い出を作ってあげよう、と、がんばってくれました。単独学年で行った4年生、5年生も、A組とB組のメンバーが様々な役割分担の中で混ざりながら、思いを合わせ、力を合わせて生活を組み立てていきました。
 楽しいキャンプになるためには、個々で果たすべき役割をちゃんと果たさないと、周りの人も快適に過ごせなくなる、ということを、まずは自覚することから始まりました。自分の荷物や部屋の整理整頓、トイレや風呂を上手に使うこと、タオルをよく絞ることなど、3年生もよくがんばっていました。食事の準備や後片付けもとても上手になりましたし、様々な場面で行われる説明をよく聞いて、今は何をすべきかということを考えられるようになってきたと思います。また、野外炊事やキャンプファイヤーなどのイベントでは、みんながうまくやれているか、楽しんでいるか、と配慮し、困っている人に寄り添い、上手にリーダーシップを発揮している様子も見ることができました。キャンプ期間中に学んだ様々な技術やよい習慣、経験と共に得られた様々な教訓などを、夏休み中の家庭での生活に生かしていって欲しいと思います。また、キャンプ中の礼拝で読まれた使徒書の内容が示すように、自分自身がかけがえのない存在であることを確信し、持ち味を生かしてリーダーになったりフォロワーになったりしながら、他の人と共に生きていくことの喜びや幸せを噛みしめられる人に成長していって欲しいと願っています。
 長い夏休み、健康や安全に留意され、どうぞ楽しく有意義にお過ごし下さい。

 

 現代社会では、コミュニケーション手段としてメールやSNSが一般的なものとなり、必要不可欠なツールとなっています。その流れが子どもたちの中にも止めることのできないものとして流入しています。こうした世の中の状況は認めつつも、一方ではコミュニケーション力や判断力の未熟な子どもに、大人同様のツールをただ野放図に持たせることの危険性を、私たち大人はしっかりと認識しておかなければなりません。
 携帯電話(スマートフォン)やコンピュータなどをお子様が利用する際には、各ご家庭でしっかりとしたルールを決めて利用するよう、改めて注意を喚起させていただきます。また、高学年になると深夜までメールやLINEなどに振り回されるといった状態があるようです。特にLINEのトラブル報告に頭を悩ませています。子どもたちだけでなく、大人同士の利用についてもどうかご注意ください。立教女学院小学校としては、夜9時以降の友達同士の通信やメールは望ましくないと考えております。ご家庭においてもお子様と十分に話し合い、しっかりとした利用ルールを守らせるようご指導ください。お子様の安全を守るため、また学習に向かう姿勢、本当の意味で大切なコミュニケーション力を養っていくためにも、どうぞご家庭でのご指導・ご協力をお願いいたします。

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≪キャンプ報告≫

3年生 キャンプ生活を「たのしみ」ましょう
 
3年生にとって、初めての立教女学院小学校のキャンプ。ドキドキワクワクしながらも、6年生のお姉さんにサポートしてもらいながら何事も一生懸命取り組んでいました。分からないことは6年生に聞いたり、時には少し甘えてみたり……。素直でとっても可愛らしい様子でした。
 野外炊事では、何をするかもわかっていない3年生ですが、頑張っている6年生のために力を尽くそうと、「何かやることある?」と聞いたり、自分たちでできる片付けをしてみたり、てきぱきと動く3年生の姿が印象的でした。ふりかえりの時にはそのことを6年生にほめられて、ニコニコしているところも可愛かったです。何事も笑顔で「たのしむ」ことがとっても上手な3年生。キャンプの目標をちゃんと達成してくれた3日間となりました。(吉村・鈴木)

 

 

 

 

 

4年生 自分たちで考えて「たのしみ」を発見しましょう
 「いいところがたくさんありすぎて、書ききれないなぁ。」普段の生活から穏やかで優しい4年生。キャンプでも、友だちと協力し、お互いを尊重しようとする姿がたくさんありました。
 今年はじめておこなった、各キャビン5分間の出し物を作る「5分間劇場」。8人で話し合いながら、一から何かをつくるということは決して簡単なことではありません。劇がやりたい人、ダンスをしたい人、笑いをとりたい人、恥ずかしくてやりたくない人……。いろんな意見をどのようにまとめ、形にしていくかということに頭を悩ませている様子でした。友だちの意見に耳を傾け、みんなが納得できるものを、時間をかけて考えている姿は、大人も見習っていきたい姿でした。友だち思いで心のやさしい4年生、これからの成長が楽しみです。(中村・尾亦)

 

 

 

 

5年生 「たのしみ」を創りだしましょう
 キャンプの中で5年生ならではの行事といえば、自由献立の野外炊事。煮込み料理や水餃子、ピラフ、牛丼など、キャビンごとにメニューを自由に決めることができます。材料の買い物をするところから自分たちで行いました。これまでの野外炊事の経験を生かしながら、「9人分の材料ってどのくらい?」「作り方は?」と、応用問題に挑戦。よく話し合い、手ぎわよくやらなければ、時間内においしい食事は作れません。積極的に自分のできることを探して、力を合わせて取り組んでいました。さまざまなハプニングを乗り越え、どのキャビンもおいしい食事を作ることができました。夜のふりかえりでは、友だちのよいところを見つけ、言葉にして伝え合う姿に心が温かくなりました。(堀口・石原)

 

 

 

 

6年生 「たのしみ」を人に与えましょう
 「3年生を楽しませたい」と意気込みつつも、異学年を連れて行くことへの少しばかりの不安も抱えながら始まったキャンプ。しかし、準備している時にいだいていた心配は、3年生と過ごしているうちに消えていきました。「身を乗り出して話を聞いてくれた。」「ニコニコ笑って盛り上げてくれた。」と、「たのしみを与える」だけではなく「たのしみ」を何倍にも増やして返してくれた、ということに気がつくことができました。
 「それぞれの学年が心を寄せて、協力すると『宝物』とよべるキャンプになることが分かった。3年生に感謝。」と感想をもつことができた6年生は、また一段と優しい上級生に成長したと思います。責任を果たせた達成感や、仲間を増やせた喜び、可愛くて仕方ないという愛情に溢れた表情は、きらきらと美しく輝いていました。(飯澤・吉川)

 

 

 

 

キャビンリーダーの感想
・バスレク、みんな笑ってくれたから、考えてよかった。(4年)
・みんなの笑顔で、キャビンピック係も笑顔になれた。(4年)
・リーダーとして普段より大きな声を出してまとめた。(6年)
・みんなで力を合わせる方がたくさん笑えるし、楽しい。協力って気持ちいい。(6年)

食事係の感想
・みんなの前でお祈りをするのは緊張したけれど、自分で考えるのが楽しかった。(3年)
・毎年食事係!盛りつけ、準備は毎回で大変だけれど、数が合うとすっきり。
司会は3年生でもわかる言葉で原稿を作った。(6年)

礼拝係の感想
・聖書の読み方は難しいけど。大きい声で読むと気持ちがいい。(4年)
・サーバーの火の点け方や消し方が分かってよかった。(5年)
・みんなが式文を揃えて渡してくれると、うれしい。(6年)
・毎朝がんばったと思う。(3年)

保健係の感想
・健康カードを夕食の後にとりに行くのを忘れたこともあったけれど、お風呂の順番を考えたり、お風呂やトイレの注意をポスターに書いたりして、みんなの健康に気をくばる保健係は楽しかった。

体育・野外炊事係の感想
・おいしいカレーができあがった時、キャビンのメンバーの団結が深まったと感じた。(6年)
・野外炊事が始まると、みんながとても楽しそうに料理をしていたので、がんばって道具の準備をして良かった。(5年)
・みんなの前で行う校旗掲揚や体操を、3年生も、はずかしがらずに率先してやってくれたことがうれしかった。(6年)

キャンプファイヤー係の感想
・ルールの説明をしたが、実際にみんなにゲームをしてもらうとうまくいかなかった。自分の考えを正確に伝えることの難しさを感じた。(4年)
・3年生が楽しそうにゲームをしている姿を見て、係としての仕事をやり遂げたという達成感を感じた。(6年)

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《今年もホタルがやってきました》
 7月17日、卒業生の御祖父である小林義忠さんにお越しいただき、今回で7回目となるホタルの観察会を行いました。真っ暗な会場で300匹以上のホタルが一斉に光を発し、辺りを照らします。暗闇に目が慣れてくれば、ホタルを凝視する子どもたちの顔も見えるほど。点滅を繰り返しながら高いところを飛びまわるオスは、下で光っているメスを探し、オスと出会ったメスは湿ったミズゴケに卵を産む――命の営みを学ぶ機会も与えていただきました。(理科 大澤)

2019/7/20

第247号 2019年6月26日

多様であることの豊かさ    教頭  吉田 太郎

 ある研究者が次のような警鐘を鳴らしています。「もしもこの地上から、昆虫がすべていなくなってしまったら、50年後にはすべての生物が消滅するだろう。」と……。
 世界に100万種以上いるとされる昆虫ですが、今後50年間で半減する恐れがあるという研究報告もあります。もしも、昆虫が絶滅すれば、それは地球上の生物の終わりの始まりを意味しています。何故ならば、植物の9割以上が昆虫によって受粉が行われるため、昆虫がいなくなるということは、すなわち植物の絶滅に直結しており、そうなると人類も含め、もはや全ての生物が生きてはいけない。ということになるからです。また、同じようなスピードで森林伐採や農地開発、採鉱などによって、チンパンジーやゴリラ、オランウータンなどの霊長類も同様に、絶滅の危機に瀕しているというのですから、他人事ではありません。
 そして先の研究者は報告書の最後にこうも記しています。「もしも、人間がすべていなくなったならば、50年後には地球は豊かな生物で溢れることだろう。」と。
 子どもたちがスタディツアーで訪れる茨城県常陸太田市金砂郷。堰に囲まれた小さな川辺には、魚や昆虫といった生物が百種類以上生息しています。もしも、同じ種類の生き物だけになってしまったら、その環境は極めて脆弱です。多様であることにこそ価値があるという真実を私たちは改めて神さまが創造された自然の摂理の中から学ぶことができるのです。

 私たちの生きる社会や組織、子どもたちが生きる学校やクラスなどにおいても、同じことが言えるのではないでしょうか。「みんなと同じじゃないと」「空気を読め」といった同調圧力に、大人も子どもも、ますます息苦しくなっていく現代社会。しかし、同じ顔をして、同じ思考を装うような人間だけの集団は危険ですし、面白味も何もありません。
 この真理は戦前、戦中の日本の歴史を振り返っても学ぶことができます。非国民とレッテルを貼り、反対意見を封殺して国民に考えることを止めさせ、禁じた結果が太平洋戦争の悲劇です。キリスト教教育は平和をつくりだす人を育てる教育です。平和をつくりだすためには、多様な意見や多様な考えを大切にする姿勢がもっとも重要です。一方で戦後民主主義教育は「多数決」という手法を重んじ過ぎてきたのではないでしょうか。多数決が全て、多数決こそが民主主義だ。などという考え方は、単純で稚拙です。「多数であることが正義」とするならば、それは「少数者にとっては暴力」になり得る。という、人権意識や人権感覚というものを、キリスト教教育を担う私たちはこれからも懸命に子どもたちに教え、共に学んでいかなければなりません。
 ゆえに私たちは毎朝、子どもたちと祈ります。「共に生きる喜びをお与えください。隣人や世界の人びとを愛していく力をお与えください。」と。多様であることは豊かさであると信じているから。

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≪微生物発電であかりをともそう!≫
 6月22日(土)の夕刻、「微生物発電であかりをともそう!」というイベントが行われました。5年生が5月から取り組んでいる「微生物発電」の成果を発表する場として、5・6年生の希望者とそのご家族128名が聖マリア礼拝堂に集まりました。この日は夏至。夏至と冬至の20時~22時は照明を消し、キャンドルの灯をともしてスローな夜を楽しもう――世界中で行われている「キャンドルナイト」に合わせて行われました。
 土の中で発生する電圧を、5年生は電圧計を使って毎日欠かさず計測しました。金砂で採取した土を、同じようにガラス鉢の中に入れて発電装置を作ったのにもかかわらず、グループ毎の電圧はバラバラ。0.1Vしか無いものもあれば、0.4Vあるものも。土に含まれている微生物量の違い、空気が入っているかいないかの違い、ガラス鉢に入れたときの押し方の違い、土の湿り具合など、土そのものの個性や作った児童の個性が、電圧の違いとなって表れているのです。電圧は日によっても変化し、順調に上がっていくこともあれば、徐々に下がったり急に下がったりすることも。子どもたちはその数値に日々一喜一憂しながら、何が原因なのかな?と、目には見えない小さな微生物のはたらきに関心を寄せていました。
 実は微生物発電で得られる電圧というのはほんのわずかな量で、そのままでは小さな豆電球も点けることはできません。しかし、微生物の作り出す小さな電圧を大きくする昇圧装置が開発されたことで、小さなLEDライトを点灯させることができるようになりました。
 発電装置の開発に携わった企業の代表挨拶、そしてプロジェクトを進めてきたスーパーセンシングフォーラムの中川聰先生の講演が行われ、いよいよ5年生による点灯式へ。チャペルの階段に並べられた発電装置にLEDライトを装着します。発電装置の中でうまく発電できていれば、しばらくすると灯りがともるはず……。「あ、ついた!」「私のも!」装着してから点灯するまでの時間も、点滅する間隔もパターンも、どれひとつとして同じものはなく、まさに「生き物」であることを感じさせます。真っ暗な礼拝堂にともった36個の小さな灯りは、未来を変えるかもしれない小さな灯。子どもたちとともに未来のエネルギーについて考える機会を与えられたことに感謝します。(理科 亀山)

5年生児童の感想
・微生物で発電ができるなんてびっくりしました。世界初?!の実験ができてとてもうれしかったです。
・電圧を測った時、毎日上がるのでワクワクした。
・身近な光も大切なことがわかった。今回の体験で、光の「作り方」と「大切さ」が分かった。
・バクテリア発電が発達して、もっとエコな世界になるといいです。
・身近なものが電気になると知って、勉強になりました。微生物発電がもっとはってんして、地球にやさしい電気が使えるようになるといいです。

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≪陸上記録会 報告≫
 6月2日(日)成蹊学園グラウンドにて、第41回陸上記録会が開催されました。日頃の体育実践の発表と児童相互の親睦を深める機会として、毎年この時期に開催されます。
 5月22日(水)に校内選考会を実施し、学校代表として4年生4名、5年生6名、6年生5名の計15名を選出。選手たちは、緊張感を味わいながらも、自己記録の更新を目標にひたむきに取り組むことができました。(体育科 草苅)

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≪学校の野菜・植物たち

1年生 アサガオ・サツマイモ

2年生 夏野菜

3年生 ダイズ

私のダイズ
成長してるかな?

4年生 タイム

 

5年生 インゲンマメ・イネ

スタディツアーで訪れた金砂でいただいたイネを、
みんなで教材園のミニ水田に田植えしました。

6年生 ジャガイモ

 

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【ご報告】
クレアのあかちゃん産まれました!
6月17日から18日の未明にかけてクレアは8頭の赤ちゃんを無事に出産しました。アイメイト候補犬の子犬たちはこれから2ヶ月間、クレアのもとで育ち、お盆明けにはそれぞれ巣立っていきます。8頭の子犬たちの成長を見守っていきましょう。

2019/6/27

第246号 2019年5月31日

キリスト教学校の使命-西原廉太先生の講演から    校長 佐野 新生     

 先日、通学途上の小学生らが犠牲になるという実に残虐な殺傷事件が発生しました。経験則が通用しない事態に驚きと不安と悲しみが交錯します。同じキリスト教学校の仲間ですので、他人事とは思えません。カリタス小学校の子どもたち、保護者・関係者のために全校で祈りを捧げました。犠牲となられた方に哀悼の意を表します。

 西原廉太先生のお話を伺う機会がありました。先生は、京都大学工学部を卒業後、聖公会の司祭になられ、現在は立教大学副院長・キリスト教学校教育同盟理事長でいらっしゃいます。「現代に生きるキリスト教学校教育の課題と可能性 -リベラルアーツの本来的意味の回復」と題したご講演の内容の一部をご紹介します。

 今日ではキリスト教学校は激動期を迎えている。少子化と人口減少の時代を迎え私立学校も経営の効率化が強く求められる傾向も強まっている。このような状況の中でも、ミッションスクール(キリスト教学校)には、建学の精神に立ち使命を果たしていくことが求められている。キリスト教学校の原理的な原点の確認が必要である。
 そもそも、12、13世紀に成立した大学(オックスフォード大学、パリ大学、ケンブリッジ大学など)のルーツは修道院であり、初期の大学の学部は、神学部と法学部と医学部の三つであった。この3つの学部は、神から人間に与えられている2つのテキストを読み解くために設置されていた。第1のテキストは聖書であり、第2のテキストは、神が作られた自然、宇宙、人間・人体という世界である。大学を卒業すると、聖職者、医者、法律家の職に就くことになるが、職業を意味するvocationという言葉に召命という意味があるように、この3つの職業に共通するミッションがあった。それは、この世において痛みを負っている人、苦悩や悲しみを担っている人に対して自分自身を担いながらも徹底的にかかわることである。共に祈り、共に痛み苦しみを担いつつ、医師は患者の肉体的な痛みを癒やすこと、法律家はその人が置かれている社会的な困難を和らげること、聖職者は、その人の心の痛みを和らげることを使命としていたのである。今日においてもあらゆるキリスト教学校は、他者の痛みに気づき、共感し、関わることのできる人を育て、社会に送り出す使命を担っており、その原点がここにある。
 また、中世の大学では、専門教育に進む前提として、7教科の神学基礎科目の履修が義務づけられていた。これがいわゆる「自由七科」、リベラルアーツである。日本では「教養科目」と訳されるが、本来的には単に知識を得ることではない。本来のリベラルアーツとは、人間を人間たらしめるために必要な智、神の与えた2つのテキストを理解するための前提として必ず習得すべきカリキュラムであるとされていた。この7教科は、3科(言語科目、聖書)と4科(第二言語科目、数学)とに大別され、先の3科は、①文法②修辞法③論理学、後の4科は、④算術⑤幾何⑥音楽⑦天文学、の7科であった。先の3科は、神から人間に与えられた第一のテキストである「聖書」を読み解くための方法論であり、後の4科は、神が創造された第二のテキスト(自然、宇宙、人間・人体)を読み解くための方法論である。地動説(太陽中心説)を唱えたコペルニクス、惑星の運動法則を明らかにしたケプラー、コペルニクス宇宙論を跡づけたガリレオ・ガリレイ、数学的原理に基づく自然哲学を著したアイザック・ニュートン、進化論を唱えたチャールズ・ダーウィン、ビッグバン理論を最初に唱えたジョルジュ・ルメートルなどの著名な科学者はすべて神学者であり、リベラルアーツの学習を基盤として神の与えたもうたテキストを忠実に読み解く努力を続けた人物であった……。

 ご講演内容を十分お伝えできず残念です。ケプラーの惑星の運動法則についての著作「宇宙の和声学」では、太陽系のそれぞれの惑星の運動法則が五線の楽譜上に音符で表されていたことや、ガリレオ・ガリレイもニュートンも敬虔な信仰者であったことなどなど、大変興味深い内容でした。理科、数学、音楽といった今日の学校教育の各教科もキリスト教学校において伝統ある重要な教科であることも教えて頂きました。我々はこれからも、人間として必要な「智」を授け、他者の痛みに共感・共苦する感性を養い、多文化世界に生きることのできる国際性を有する人物を社会に送り出していく使命を担っているのだという認識を新たにし、しっかり取り組んでいきたいと考えています。

 まだ5月だというのに、猛暑が襲来。北海道佐呂間町で39.5度、帯広38.8度、と、5月の全国の最高気温の記録が何と北海道で更新されるという驚きの事態が発生しています。どうぞ健康に留意してお過ごしください。

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≪春のスタディツアー 茨城県常陸太田市金砂郷   5A・5/8~9 5B・5/9~10
 3日間とも晴天に恵まれ、里山の心地よい気候の中でスタディツアーを行うことができました。今回のメインプログラムは「農業体験」です。田んぼの中に足を入れるのが初めての子どもたちは、泥の中をおっかなびっくり歩きはじめました。金砂のおじさま、おばさまから教えていただいた田植えのポイントを思い出しながら、丁寧に丁寧に苗を植えていきます。しかし、ふり返ってみると、曲がっていたり、間隔が開いてしまっていたり……。その後、おじさま、おばさまのアドバイスと優しい声かけのおかげで、田植えを無事に終えることができました。事前に社会科の授業で日本の稲作について学び考えた上で実際に田植えをしたので、体験的な知識や技術だけでなく、食育や食料の供給といった多角的な観点からの学びもあったようです。交流会では、金砂の方々が農業の楽しさや茨城でのくらしについてなど、様々な質問に答えてくださいました。事前に学校でロールプレイングをした甲斐もあって、会話は大変盛り上がり、温かなひとときを過ごしました。
 翌日は西金砂神社へハイキングに行きました。歴史ある神社の奥に続くのは100段以上ある急な階段。息を切らして登った先には、辺りの山々を一望できる素晴らしい風景が待っていてくれました。かなさ笑学校に戻ってからは、小刀を使って、竹箸作りに挑戦。先を細く仕上げるのに苦労しながらも、自分だけのオリジナル竹箸を完成させ、そのお箸で、竹飯ごうで作っていただいた筍ごはんや地元で採れた野菜のお漬け物などをおいしくいただきました。
 茨城の自然は、学校の中だけでは知ることのできないことを、たくさん教えてくれたようです。(5年 堀口)

日記より
・いよいよ田植えの時間だ。勇気をふりしぼり、足をどろの中に入れた。ひんやりとし、どこまでいくのか分からないくらい、しずんでいく。「ぐにゃっ」という感覚がして、手を入れると、下に何かいるような気がして、かまれないかと心配になった。でも意外とくせになる感じだった。
・なえが少なくなると、おじ様がなえを投げてくれて、それをキャッチするのが大変でした。途中でふり返ってみると、すごく曲がってしまっていて、「あちゃー」と思いながらも、間かくなどに気をつけて植えてみました。
・この間、社会の授業で『米を食べる人が少なくなっている』と習いました。他の人も田植えを体験すれば、またお米を食べる人が増えるはずです。田植えだけでも大変なのに、手入れもしなければならない事を知り、お米を1つぶ1つぶ大切に食べたいと思いました。
・朝の礼拝で「ピーピー」と鳥の鳴き声や「サー」という風の音がうっすらと聞こえました。また、木や葉などの優しい自然の香りがして、気持ちを落ち着けることができました。(同じ関東地方でも、東京都とは全然ちがうんだな)と、思いました。

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微生物が電気をつくる!?   ~微生物発電~
 常陸太田市金砂地区でセンシング技術の実験・研究を行っている一般社団法人スーパーセンシングフォーラムの協力で、「微生物発電」のプロジェクトに取り組んでいます。よく発電する微生物は空気が無いところが好きだと説明を受けた子どもたちは、できるだけ深い場所から土を取ろうと一生懸命掘っていました。金砂で採取した土を学校に持ち帰り、井戸水と混ぜて練り、ガラスの植木鉢に入れていきます。その上に電極を置き、更に土を被せます。空気が入らないように、どの行程も確実に丁寧に。完成した植木鉢から得られる電圧は、班ごとに毎日計測しています。夏至(キャンドルナイト)の日に合わせて行う点灯式では、未来を変えるかもしれない小さな光が灯されることを楽しみにしています。(理科 亀山)

微生物発電:嫌気性の微生物が土の中の有機物を電気エネルギーに変換することによって発電する

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≪2年生 1年生を連れて学校探検!
 5月14日(木)に学校探検をしました。学校探検では、2年生が学校内にある施設の場所や用途を1年生に案内しました。遊んでいい範囲を一緒に歩いて周りながら、遊び方のルールも確認しました。この日に向けて、2年生は、学校探検で案内する場所を下見したり、わかりやすい説明を工夫したりするなどたくさんの準備を重ねてきました。「1年生に喜んでもらえるかな。」「上手に説明できるかな。」と不安な気持ちを持ちつつも、当日をとても楽しみにしていました。
 学校探検当日。1年生に対して丁寧にやさしく教える姿をたくさん見ることができました。「ここではこんなルールがあるよ。」「わからないことはない?」など、1年上のお姉さんとして立派に説明することができており、感心しました。今回の学校探検を通して2年生はさらにお姉さんとしての自覚を持つことができ、たくましくなったように感じます。
(2年 五十嵐)

~子どもたちの感想~
・最初はどきどきしていたけれど、1年生がニコニコして話を聞いてくれたので、私もニコニコできました。
・1年生は、ほほえみながら、「ありがとう。」と言ってくれました。そのとき、わたしはすごくうれしかったです。
・1年生が「2年生ってすごいな。」と言ってくれたので私はうれしくなりました。

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