草木の成長から思うこと
教頭 上川 恵
仕事と家事で手一杯という時期が過ぎ、コロナでおうち時間が増えたこともあり、ここ2年の間に家の中にグリーンが増えました。ポトス、ドラセナ、シュガーパイン、サクララン。平日は放ったらかしですが、週末は窓辺に並べ、日光浴をさせたり水をあげたりして、成長観察を楽しんでいます。
ポトスはツルを一本ずつ手にとって、葉の根元の茎の膨みを探します。そこには次に生まれる新しい葉が潜んでいます。膨らんだ茎を発見すると、週に一回だった観察の日が週に数回に増えます。新しい茎が分裂し、くるくると几帳面に収納された葉が顔を出します。葉が完全に現れると、くるくる巻かれた葉は自分の力で広がっていきます。生まれたばかりの葉は初めはやわらかいのですが、日に日に硬さを増し、いつの間にか他の葉と馴染んでいきます。ポトスの成長は驚異的に速いので、うっかりすると葉が生まれる瞬間を見過ごしてしまいます。
ツル性にしては硬い茎で、緑色の多肉質な葉のサクラランは、ポトスやシュガーパインがぐんぐん成長していく中、一向に変化が見られませんでした。地道に水やりと観察を続けたある日、茎の先に小さな赤い突起が出ているのを発見しました。新しい芽です。思わず優しく指で撫でてあげました。芽が出始めてからはあっという間に葉が出ました。新しい葉はなんと、可愛らしい薄ピンク色でした。ピンク色の葉がどの様に緑色に変わるのか、観察は続いています。今年はまだ花が咲く様子はありませんが、いつか咲いてくれることを楽しみにしています。
成長の仕方やスピードはそれぞれで、日光と水だけでぐんぐん育つ植物もあれば、丁寧に手入れをしなければならない植物もあります。個によって手のかけ方が違います。それでも、待っていればちゃんと育ちます。
主イエスは まことの ぶどうの木
わたしは つながる こえだです
しっかり 主イエスに つながって
りっぱな ぶどうに なりましょう
こどもさんびか「主イエスはまことのぶどうの木」より
6月末より、3年生以上はいよいよキャンプへ出発です。3年ぶりということで、6年生が唯一のキャンプ経験者です。3年前の記憶はおぼろげのようですが、準備の時間には、一緒に行く3年生に心を寄せ、優しく声をかけ、面倒を見ている頼もしい姿がたくさん見られました。異学年との関わりが、子どもたちをうんと成長させるということを改めて実感しています。
3〜5年生は初めてのキャンプとなります。共同生活を通して、より濃密な人との関わりを経験し、自分の知らなかった自分を知り、知っていると思っていた友達の新しい姿を発見し、改めて自分とその周りにいる人々に目を向ける経験をして欲しいと思います。画面越しの友情、表面的な会話、当たり障りのない対応……コロナ禍で仕方なく身に付いてしまった薄っぺらなものは捨てて、人間という生き物と正面から向き合い、飾らない自分をさらけ出せる関係を、信頼し合える関係を構築できるよう、力を注いでいきたいと思います。
Well Learning Project GREEN
1年生
生活科の一環として「アサガオ」と「サツマイモ」の栽培に取り組んでいます。植木鉢に慎重に土を入れ「大きくなってね。」「芽がちゃんと出ますように。」と心で呼びかけながら、小さなアサガオの種を小さな指でそっとつまんで蒔きました。サツマイモは苗から植え付けました。普段食べているサツマイモと、手にした苗の姿がなかなかつながらない様子で、「これがおいもになるのかな?」と、不思議そうにしていました。
水やりと世話を通して、生長の速さに驚き、日々の変化を楽しみにする様子が、とてもほほえましい1年生です。植物を身近な生きる仲間としてとらえ、愛情もって関わる姿を、これからも見守りたいと思います。
~アサガオの観察記録より~
・たねだったのが どんどん おおきくなるよ。(めが)はじめは さんかくだったけど だんだんかたちが かわったよ。
・(ほんばの)さわりごごちは くっしょんみたいです。くきもくっしょんみたいです。
2年生
今年度は、種まきからミニトマトを育てることに挑戦しています。種まきの時に「こんなに種は小さいの。」と子どもたちの驚いた様子。数日後、発芽した日の朝は歓喜の声があがりました。今、種まきから10週目をむかえ、黄色い花が咲き、その後に小さな小さな実ができています。色づいたミニトマトを子どもたちはどんな顔をして食べるのか、今から楽しみです。
同時にナスとダイズ(えだまめ)も育てています。それぞれの野菜の葉や花の違いや、実のつき方を比べて観察しています。「花の真ん中にバナナみたいな形をしたものがあるね。」「葉やくきには、ちくちくする毛が生えているね。」とさまざまな発見があります。先日、初めてできたナスを教室で焼いていただきました。「おいしい!今日、お母さんとナスのグラタンを作ろうかな。」「今までナスがきらいだったけど、今日から好きになりました。」という声を聞いて、学校での活動が、子どもたちの心へ、そしてご家庭へと広がっていくことをうれしく思いました。
~ミニトマトの観察絵日記より~
・「青くてくりくりかわいい、鈴のような実がならんでできてた。わたしのうえきばちには、ミニトマトかぞくがすんでいるんだな、と思った。おねえちゃんやおにいちゃん、どんどんかぞくがふえていくから、まい日目がはなせない。」
5・6年生
雄花と雌花が咲く植物にはスイカやズッキーニなどがありますが、花が大きくて観察しやすく日持ちするという点で5年生はカボチャを栽培しています。4月に種まきし、5月上旬にスケッチした時には4~5cmの葉でしたが、6月に入ると子どもの顔より大きな葉を茂らせ、次々に花を咲かせ、実をつけています。
6年生はミニダイコンとニンジンの栽培に挑戦しています。牛乳パックの利点は狭い場所でも栽培できること。緑豊かな環境ゆえ、虫の被害と闘う毎日ですが……梅雨が明けて順調に生長したら、家庭科でおいしく調理する予定です。
2年生 生活科 1年生との学校探検
2年生は、5月末に1年生と学校探験を行いました。昨年の学校探検で上級生にお世話になったことを思い出し、「今度は私たちが案内する番だ!」とやる気に満ち溢れている様子でした。
まず、2年生だけで下見を行いました。2階や3階に到着すると、1年生の時に行った学校探検のことを思い出し、「わあ懐かしい。」「早く行きたいな。」という様々な声が聞こえてきました。「ALルームにはカラフルな椅子がたくさんある。」「何色あるのかクイズにしてもいいかも。」など、1年生が楽しめるように意識をしながらプリントにメモをしていました。教室に関するクイズやプレゼントづくりのほか、メッセージ付きの探検カードを用意し、当日を迎えました。校舎内を案内するだけではなく、学校のルールを1年生に伝えたりするなど、自分で考えて行動する姿はまさに憧れの上級生でした。
後日振り返りをすると、「1年生にありがとうと言われて心がぽかぽかした。」「学校探検前日は緊張していたけれど、探検が終わると1年生が笑顔で、自分まで嬉しくなった。」「大変なこともあったけれど、1年生が楽しそうで頑張ってきて良かったと思った。」という声がたくさん挙がりました。大きな行事を一つ乗り越えて、相手の気持ちを考えて進んで行動する力がより高まったように感じる学校探検でした。
3年生 社会科校外学習 三鷹台探検
3年生から社会科という教科が加わり、身近な地域、市区町村の様子から学習を進めています。東京の町というと、ビルが乱立して自然が少ないという印象がありますが、わたしたちの学校のまわりでは小規模ながらも農業を営んでいる土地も残っています。今回の校外学習では、絵地図を手に実際に町の様子を見て、授業で学習した地図記号を記入しながら、どのように土地が使われているのかを確かめにいきました。
まずは、神田川を渡り、踏切を通り過ぎて、学校の南側に向かいます。駅前には商店街があり、交番、郵便局もあります。坂道を上って、玉川上水に沿って西側へ向かいました。住宅地が続く中に、畑や果樹園、小学校、竹林が見えてきます。「とうもろこしがある!」「なすだ!」「だいこんもある!」「こんなところでぶどうができるの?」東京でも、小さな土地を活用して作物を育てている農家の姿があることに、子どもたちも驚いていました。再び玉川上水にもどり、「400年ぐらい前の人が、水を運ぶためにここをほったんだよ。」と伝えると、「へえ、信じられない!」「よくほったよねえ。」と感心していました。
教科書や地図やインターネットを見て、机上で学ぶことが簡単にできる時代になっていますが、自分の目で見て、実際に確かめて、体験として実感したことには、納得感が得られます。特に3年生の社会では、自分の体験を通して学ぶという学習方法を大切にしていきたいと思っています。