6年生 卒業おめでとう!

1ページじゃあ書ききれない23年間の感謝を込めて              教頭 吉田 太郎    

 1999年4月、初めての東京。文字通り右も左も分からずに、渋谷のスクランブル交差点の人の多さに圧倒され、人酔いしそうになり、吉祥寺のロンロン(現在はアトレ)や近鉄百貨店がちょうどいいわと、三鷹台にて初めての一人暮らし。聖書の授業では1年生の自由奔放な行動にあたふたし、よっぽどつまらない授業だったのでしょう、保健室へ逃亡する子が続発。(90周年記念でバイオリンとハープを演奏してくださった素敵な演奏家のお二人も!)どうしたら、子どもたちが授業に集中してくれるようになるんだろうという深刻な悩み。一方、休み時間のドッジボールやキックベースは活躍の場。ネクタイを引っ張られ、何本もダメにされたので、「ネクタイしない宣言」。当時の杉岡靖子校長先生からは「変な人は二人まで!」ということで、規格外の私を許容してもらって、今があります。
 2003年、あれだけ苦しんだ聖書の授業が無難にこなせるようになった頃、不登校の児童との関わりの中で、犬を学校に介在させる動物介在教育を発案。犬の苦手な校長先生に毎日のように頼み込み、当時の理事さんたちにも掛け合い、教員会でも大汗をかきながら「なんでもやりますから、やらせてください!」と諸先輩方に懇願。どうしたものかと判断に迷う教員たちに「こんなに一生懸命、彼が言っているのだから、きっと大丈夫。やってみましょう。」と、あれだけ犬が苦手で子犬さえ怖いと近づけなかった校長先生の鶴の一声。初代の学校犬バディと子どもたちのエキサイティングな毎日が始まりました。犬の存在が子どもたちの居場所の一つになるように、仲間の一員としてバディが活躍してくれました。
 2006年、学校犬の出産と育児。母性というものを、身をもって教えてくれたバディ。そしてバディウォーカーの子どもたちの奮闘、協力してくださる保護者や学校内外の方々、たちまち善意と支援の輪が広がっていきました。
 2008年、日本で初めての学校への導入事例として、デンマークのコンパン社の複合遊具を設置。予算はゼロという中でのプロジェクトでしたが、藤の会の呼びかけで、総額2千万円以上という設置費用の全額をご家庭からの寄付で実現。その後、テレビや新聞でも取り上げられ、「学校は楽しい場所でなければならない。」という価値観が認識され始めたことを実感しました。翌2009年、バディの二度目の出産。後継犬としての二代目の育成が始まります。
 2011年3月、東日本大震災。震災で突然休校となってしまった6年生から「私たちにできることは何だろう」と、自分たちのランドセルを被災地の子どもたちへ送りたいという相談を受けました。私自身は立教女学院小学校の子どもたちの教育環境を良くすることだけを考えてきた「これまで」から、被災された方々へ「寄り添う」ことへと大きくシフト。自分が教えてきた子どもたちから、それ以上に多くのことを教えられる経験でした。
 2013年4月より、思いがけず教頭としての役割が与えられ、怒涛の9年間が始まりました。
 2015年にはバディやリンクとのお別れ。新しい学校犬の導入。そしてWell Learning Projectのもと、南三陸や金砂郷でのスタディツアーが始まり、2018年からはオーストラリアでの国際交流プログラムが実現。充実したチャレンジが次々と続きました。

 振り返りますと、積み残した課題、不本意、不十分だったことはいくつもありますが……、本当に数えればキリがないほどの充実した仕事をさせていただきました。佐野新生先生をはじめ、愛すべき同僚たち、協力的な保護者、素晴らしい子どもたちに恵まれた23年間の立教女学院小学校での毎日でした。お別れするのは寂しいですが、次の場所でも神さまから与えられた使命を自分なりに果たせるように最善を尽くします。
 心からの感謝を込めて、ありがとうございました。

6年生 卒業おめでとう!

  “After a long gap because of COVID19, this year the sixth graders were able to bring back the English Play and put up a stellar performance of “The Wizard of Oz” on March 3, 2022. Students practiced their dialogues in English classes, and songs both in English and other classes. Even though some of the classes were cut short and made online, the students did not lose motivation and continued to practice at home. They utilized their time to the best of their ability and worked really hard to give a great show to all the students as the graduating class of 2022. We are very proud of all the sixth graders and so glad to have got this opportunity to work together with them on this play.”

各学年による発表

1年生

2年生

3年生

4年生

5年生

ドッジボール大会

 延期となったドッジボール大会を、2月下旬~3月上旬にかけて実施することができました。今年度も昨年に引き続き学年ごとの大会。2年連続で4~6年ががそろって開催することができず、歯がゆい思いもありました。
 各クラス赤・白の2チームに分かれて、総当たり戦で行いました。ゲームが始まると、応援にも熱が入り大いに盛り上がりました。どのチームも最後まで諦めずに勝利を目指す姿が輝いていました。

優勝チーム : 4年A組 赤 / 5年B組 白 / 年A組 赤

6年生保健

 6年生にとって小学校での生活が残りあと2週間となる3月7日(月)、元学院チャプレンの上田亜樹子司祭による「いのち」について考える授業を保健の時間に行いました。朝の礼拝で礼拝堂の一番前でお話を聴いていた子どもたちにとって5年ぶりの再会です。
 私たちのこの命には体と心と魂がある。魂も心も見えないけれど、魂が元気でないと健康とは言えない。例えば人に意地悪をやめられないのは魂の病。でも、魂って何だろう……と思いめぐらせながら、絵本「エリカ 奇跡のいのち」を聴きました。ユダヤ人の赤ちゃんだったエリカを、強制収容所に向かう貨車の中から外へ放り投げた両親。生きてほしい、というその必死の覚悟と決断によって、そして、危険を冒しながらもひきとってくれた見ず知らずの人のおかげでエリカは成長し、かけがえのないいのちが輝いていた……。静かに語る先生の声が子どもたちの魂に再び響きました。そして、最後に黙想をしました。自分の呼吸を意識しながら、肩甲骨、背中、腰……体のいろいろなところに注意を向けて、吐いて、吸って……ゆっくり繰り返しているうちに、気持ちが落ち着き体も軽くなる不思議な感覚を体験し、それぞれが自分のいのちと向き合う時間となりました。