小さな群れよ 恐れるな
小さな群れよ 恐れるな 校長 児玉 純
冬将軍の到来でしょうか。立冬を過ぎて急に寒さが厳しくなってきました。セントラルコートのハナミズキも葉をすっかり落として寒々見えます。そんな中、立教女学院小学校の子どもたちは元気いっぱいです。北風にも負けず、鬼ごっこで走り回ったり、ジョイプラッツの遊具にしがみついて遊んだりして、休み時間が終わる頃には頬を紅潮させて教室に戻っていきます。ただし、コロナウイルスは少し活動を弱めていますが、空気が乾燥して気温が下がるとインフルエンザの季節になります。今まで以上にマスク、手洗い、そしてうがいを心がけてこの冬を乗り切ってほしいと思います。
11月15日からの一週間は、秋のキリスト教週間でした。オンラインで礼拝に参加された方もいらっしゃると思いますが、今回のテーマは、「小さな群れよ 恐れるな」でした。毎日違う司祭様がお話してくださり、とても新鮮で恵まれた朝のひとときでした。2000年の昔、本当に小さな群れだったイエス様の弟子たち、超がつくほどマイナーだったイエス様の応援団でしたが、彼らは恐れることなくこの道を伝え続け、今では世界で一番メジャーな宗教になりました。
朝日新聞で池澤夏樹氏による「また会う日まで」の中で、立教高等女学校のことが紹介されました。戦時中の厳しい統制の中で、この立教高等女学校が恐れずに与えられた使命を全うし、神様から守られていった様子が描かれていました。2000年前の弟子たちと比べるのは少し無理があるのかもしれませんが、このような小さい群れがしっかりと自分たちの信仰を守ってきたことが今日につながっているのではないかと思います。本校は、今年で創立90周年を迎えました。この長い歴史の中で脈々と受け継がれ育まれてきた伝統と校風を、次の世代へとつないでいけるように教職員全員で、また、保護者の皆様の協力を得ながら努力していきたいと思います。
先日4年生のスタディツアーや他の学年の遠足などが行われました。この1年半、多くのことが制限されてきた子どもたちにとって、心に残る1日になったのではないかと思います。私は4Bの「スタディツアー金砂」と5年生の遠足「よみうりランド」の引率をしました。スタディツアーは、東京駅で集合し、特急で水戸へ。水戸で観光バスに乗り換えて金砂まで行きました。天気に恵まれて秋の里山を堪能し、おいしいお弁当をいただいてピクニック気分を満喫しました。さらに、「超小集電」の中川先生から、世界的大発見のお話を分かりやすくお聞きすることができました。4年生にとって少し難しかったかもしれませんが、これからの世界を変える大きな変化を肌で感じられた子もいたのではないでしょうか。5年生の遠足は、本校初の「よみうりランド」。集団行動やグループ活動の難しさや大切さも学びました。子どもたちは、たくさんのアトラクションで楽しんでいましたが、アザラシのショーを見たのは私一人だったのではないでしょうか。どちらも本校としては初めての試み満載でしたが、コロナ対策をして安全に楽しく実施できました。
アドベントを迎え、改修が終わってきれいになった高校校舎の中庭で、新しいLEDのイルミネーションの光にクリスマスツリーが包まれました。6年生による聖劇の準備も着々と進められています。今年の聖劇は、例年の形にできるだけ近い形でできるよう、様々な対策を行っています。6年生は、「憧れの聖劇」に意欲的に取り組んでいて本番が楽しみです。私にとって、立教女学院で迎える初めてのクリスマス、そして子どもたちや皆様にとっては、コロナ禍の中で迎える2回目のクリスマスになります。どうぞ素敵なクリスマスをお迎えください。
立教女学院小学校、この小さな群れが、これからも守られますように。
≪社会科見学 5年生≫
工業の学習の一環として、川崎にあるJFEスチール(株)東日本製鉄所に見学に行きました。コロナウイルスによりさまざまな活動が制限される中、およそ1年ぶりのバスでのお出かけです。高速を降りて扇島へ入ると、左右には見上げるほど高い塔や力強そうな建物が立ち並びます。普段見慣れない工業地帯の風景に、子どもたちは思わずきょろきょろ、そわそわ。
製鉄所に到着し、ホールで製鉄に関するビデオを見終えると、いよいよ出発です。ヘルメットをかぶり、軍手をつけたら準備完了!はじめにバスの中から原料の山や高炉を見学し、その後圧延工場の中へと入ります。この日は残念ながら、見学の時間と機械の調整のタイミングが重なってしまい、実際に工場が稼働しているところを見ることはできませんでしたが、ご厚意により少しだけ動いている様子を見ることができました。動き出した機械の隙間から見える、熱で強く光る鉄。そしてそのわずかな隙間から押し出される熱風に、あちこちから「熱い!」と嬉しそうな声が上がりました。これから始まる工業の学習の際に、今回の貴重な体験を思い出し、具体的な実感をもちながら取り組んでもらえたらと思います。
≪社会科見学 6年生≫
6年生は、公民と歴史の学習の一環として、国会議事堂と江戸東京博物館に見学に行きました。この日は戦後最短といわれた選挙期間中であったため、議員の方々はそれぞれの選挙区へ出張中。議事堂の中や本会議場はひっそりと静まりかえっていました。その静穏な雰囲気やステンドグラスなどの装飾、豪華な御休所、彫刻の施された中庭の噴水に、子どもたちは「美術館みたい」と目を輝かせていました。午後には墨田区へ移動し、江戸東京博物館へ。グループごとに、これから学習する江戸時代の人々の暮らしなどについて、じっくりと学びました。普段はテレビや新聞、本などを通してしか触れることのできない「本物」を直接肌で感じることで、本来最も身近であるはずの社会科を学ぶ意味や意義を理解するきっかけとなることを願っています。
≪4年生スタディツアー 茨城県常陸太田市金砂郷≫
ツアーのコンセプトである「命の営み」にふれるため、日帰りで金砂郷を訪れました。里山の秋空の下でお弁当をいただき、その後、中川聰先生(名古屋大学大学院医学系研究科客員教授)から金砂郷で行なっている研究についてお話を聞きました。5年生が田植えや稲刈りをする川沿いに建つ研究施設は、木とガラスの洗練された建物で、夜になるとLEDでライトアップされます。その電源は、土に電極を刺して生み出された微弱電流を集電したもので、これからの発電として注目されている最先端の研究です。
そしていよいよ久慈川へ。約80cmと大型の川魚であるシロサケは、遡上していれば背びれが水面から出て、河原からもその姿を探すことができます。しかし今回は遡上する姿を見つけることはできませんでした。遡上の南限は久慈川や那珂川と言われていますが、近年の温暖化の影響で、秋に親潮に乗って南下するサケが茨城県までたどり着かず、川を遡上するサケも減っているようです。下流では、久慈川漁協の方々にご協力いただき伝統的なサケ漁(建て網漁)を見学し、B組の訪問時には前日捕まった今年初めてのサケを見せていただくことができました。4年生は、社会科で水やゴミなど私たちの生活と環境問題を学び始める学年です。私たち人間の日々の営みをいかに自然環境と共存し永続させることができるか−――都会に住んでいるとなかなか実感できませんが、まさにSDGsの考え方を学ぶ実体験となりました。
~児童の感想より~
・風のにおいをかぐとどこかなつかしかった。体をふんわりと風が包みこむ中で、とってもおいしいお弁当を食べた。
・サケは見られなかったけれど、写真で説明してもらい、サケがどんなくらし方か知ることができて、よりサケのことについて学べました。
秋の遠足
1・2年生 ~平和の森公園~
1年生2人と2年生2人でグループを組み、4人で助け合いながら、協力して大きなアスレチックに挑戦しました。去年行ったことのある2年生は、1年生に声をかけてあげながら励まし、去年の2年生からいただいた「優しさ」を、1年生に一生懸命伝えていました。「優しさ」のバトンが自然に繋がっていく姿に触れ、心が温かくなるひとときでした。
2年生の日記より
・1年生がこわいと言っていましたが、がんばっていたところを、わたしはすごいなと思いました。
・去年はあんないしてもらう方だったけれど、今年はあんないする方だったので、少したいへんでした。でも、一年生が楽しそうだったので、わたしもうれしかったです。
1年生の日記より
・ちょうせんしようかまよっているときに、2年生が何回も「がんばれ!」と言ってくれて、ゆうきがでました。
・3この丸太をもちあげるところは、おもたかったけど、2年生が「すごい!」と言ってくれました。
3年生 ~昭和記念公園~
まずは「友達と、もっと仲良くなろう」という目的のもと、広大な原っぱでアクティビティをしました。フルーツバスケットやバースデーサークル(誕生日順に輪になる遊び)をしたり、先生から出たお題に沿ったポーズで記念写真を撮ったりもしました。わいわい言いながらも、短時間で話し合いができるようになった姿からは、成長を感じました。落ち葉を拾うネイチャーゲームでは、赤や黄色に染まった色々な大きさの葉を集めながら、公園にある植物にも少し詳しくなりました。昼食後の自由時間では、子どもたちは「虹色のハンモック」や「ふわふわドーム」などの面白い遊具での活動を通して、普段は交わらない友人ともたくさん遊んで関係を作ることができたようです。青空の下、子どもたちの心も体もすくすく育っていることを感じた一日となりました。
5年生 ~よみうりランド~
今年の遠足地を知った5年生は、「キャー!」という驚きの歓声を上げました。教室で園内マップを見ながら、ああでもないこうでもないと相談する様子は、何ともいえない笑顔があふれとても楽しそうでした。当日は穏やかな天候に恵まれ、思い思いのアトラクションを目指し、あっという間に園内に吸い込まれていきました。本校の他に9団体ほどの予約が入っていましたが、程よいにぎわいと混み具合の中、ジェットコースターやお化け屋敷などを楽しみました。初めての場所で地図を見て集合場所に向かったり、時間に間に合うように計画を立てたりすることは難しかったと思いますが、5年生にとってよい経験となりました。家族で出かけるのとはまた違う、思いっきり遊んだ一日でした。
6年生 ~東京下町めぐりツアー~
友だちとの思い出をつくろうと企画した6年生の遠足。水上バスに乗り、道行く人に「やっほー!」と声をかけて手を振ったり、数えきれないほどの橋を船でくぐったりした隅田川クルーズから始まりました。次に訪れた日本一の高さを誇る東京スカイツリーから見下ろす東京の街並みは、全てが小さく模型のようで、「さっきの隅田川だ!」「ディズニーだ!」といった声や、「あ!社会科見学で行った江戸東京博物館がある!」「本当だ~!」といった会話があちらこちらから聞こえました。最後の葛西臨海公園・海浜公園では、広い芝生でお弁当を食べると、走って浜辺へ。綺麗な貝殻を拾い、捲ったズボンも濡れるほどに水の掛け合いをしていました。太陽の光が反射した海のように、6年生の笑顔もきらきら輝いた最後の遠足となりました。