クレアのあかちゃん

クレアのあかちゃん   教頭 吉田 太郎

 3月5日に産まれたクレアのあかちゃん9頭は昨日、皆さんに惜しまれつつ無事に巣立っていきました。初めは1頭300グラムほどの手のひらサイズでAmazonの段ボール箱に入れて持ち運べるくらいの大きさでした。誕生から約2ヶ月、最後は大きなケージを三つ重ねて、台車で運搬しなければならないほどの急成長。登校した朝と帰宅する夜では一回りサイズアップしている?というくらいの成長をみんなで見守りました。学校で出産というハプニングもあってか、多くの先生たちや職員の方々も献身的にお世話をしてくださりとても有難かったです。感謝です。

 母犬のクレアは1957年、日本で最初に盲導犬の育成に成功した『公益財団法人アイメイト協会』からお預かりしている繁殖奉仕犬です。戦後、日本では障害をもった人が自由に社会に参画していくという概念自体がまだまだ希薄だった時代に、視覚障害者が自分の力で社会に参加する道を切り開く大きなきっかけを作ったともいえるアイメイト(盲導犬)の育成事業。クレアのあかちゃんたちはこれから、アイメイト候補犬として成長していきます。
 出産直後より、クレアは全力で母親業に勤しんでいました。まさに24時間体制での子育て。授乳の合間に食事と排泄。食べても、食べても、授乳で子犬たちに栄養を吸い取られてしまいます。この時期はオシッコやウンチもすべて母犬が処理してくれるのですが、子犬たちの目が開き、耳が開いて、ヨチヨチ歩きを始める頃には母犬はもうげっそり。なんと言っても2時間おきに9頭の子犬たちのお乳をやり続けるのですから本当に頭が下がります。クレアはどんなに疲れていても子犬たちから片時も離れずに甲斐甲斐しく子育てを続けました。動物のもつ母性愛、本能って素晴らしいなぁと感動します。子犬たちの歯が生えてきたころから、少しずつ離乳食へと切り替えます。ここからは人間の出番。子犬が自力で食べたり飲んだり、排泄できるようになるとクレアの負担は少しずつ減っていきます。子犬たちはご飯を食べると、その後は飛んだり跳ねたりの大暴れ。疲れて眠っているかと思うと、誰かが起きて、ウンチとオシッコ。それを一日中、繰り返し……という日々。子犬たちの生命維持に問題がないと判断すると、クレアは嘘みたいに子離れしてしまいます。

 親元を離れ、兄弟姉妹犬たちとも離れて巣立って行った子犬たちは「飼育奉仕家庭」にて約1年間、家庭犬として大切に育てられます。(飼育奉仕のボランティア希望についてはアイメイト協会のHPをご参照ください)将来アイメイトとなる子犬の飼育奉仕をするには1年間、きっとたいへんな躾をしなきゃならないのだろうと想像するのですが、アイメイト協会からのご説明によれば特別な訓練は不要とのこと。1歳までのこの時期に一番大切なのは、「人間との信頼関係を築くこと。」「できるだけ家族と多くの時間を過ごすこと。」「様々な環境に慣れさせるために体験や経験をさせること。」「おやつをあたえないこと。」「排泄や食事のマナーといった最低限の躾を行うこと。」というものでした。実はこれって小学校教育で大切にしていることと共通する部分が多くあります。高学年になると学習がやや難しくなってはいきますが、少なくとも幼児期から小学校時代の子どもたちにとって大切なことは、ガリガリ勉強だけさせることよりも、「信頼」や「愛情」、「体験を通した学び」、「規則正しい生活習慣」にあります。基礎基本、ベースを着実に丁寧に形作っていくことを怠って、目先のことを心配して、幼い時に詰め込み過ぎると子どもは意欲を失い、自信まで無くしかねません。動物は本能に忠実に子育てをしています。人の育児も必要な時に適切な関わり方をすることが大事。クレアの出産という出来事は、いのちの大切さや力強さだけでなく、私たちが忘れかけていたことに気づかせてくれる、そんな2ヶ月間となりました。

Happy Easter

歓迎遠足

 青空の広がる中、1年生は6年生のお姉さんと一緒に井の頭公園に行きました。公園の池は新緑の木々に囲まれ、水面は風に揺れてキラキラと輝いていました。「好きな食べ物は何?」「早くお弁当が食べたいな。」などと、6年生とおしゃべりをしながら歩いている様子は微笑ましく、1年生も5年後にはこんな姿に成長するのかなと思わされました。
 神田川沿いの三角公園に到着。「鬼ごっこ」や「だるまさんがころんだ」などをして、逃げ回る1年生を、6年生が汗をかきながら追いかけてくれました。
 例年、歓迎遠足では井の頭自然文化園を訪れていますが、今年はコロナの影響で閉園中でしたので、代わりのプログラムとして「川遊び」を入れました。「水が冷たい」と言いながら、魚が泳いでいるのを見つけたり、貝を拾ったり、石渡りを楽しんだりしました。滑って水に濡れた子もいましたが、そんなハプニングからも豊かな会話が生まれ、1年生と6年生の絆を深めてくれました。
 学校に戻ってきた1年生の顔はとても満足気でした。「6年生はすっごく優しかった。」とのこと。とっても可愛いけれど、ちょっとわがままな1年生を1日中お世話してくれた6年生、これから1年間よろしくお願いします。

(1年 飯澤)