ありがとうございました

ありがとうございました     校長 佐野 新生

 学内規定に基づき、立教女学院小学校の校長としての任期満了となりました。長い間お支えいただきまして、本当にありがとうございました。私は極力自分のことをお伝えしないようにしてきましたが、最後にちょっと書かせていただこうと思います。

 私の母は立教女学院小学校の教諭でした。定年まで勤務して家族を支えてくれました。帰宅するとすぐに家事に追われ、父に文句を言われながらも毎日深夜まで採点し、日記にコメントを書き、今は全く姿を消したガリ版で印刷物の原紙を作るという毎日でした。小さい頃からその様子を見てきた私は、母はなんて忙しいのだろう、小学校の先生というのはこんなに大変なのか、と、気の毒にも思っていましたが、プリントを見ながらその子その子を思い、いつも微笑みながら仕事をしている姿は、なかなかいい仕事なんだろうなと思っていました。士族の祖母に厳格に育てられ、戦中戦後の物のない時代には庭で野菜を育て鶏を飼ったりしながらも、両親や4人の兄姉のために精一杯働き続けていたようです。まず公立校の教員となり、千駄ヶ谷の方の小学校に赴任していたそうですが、子ども達と共に学童疎開の引率も経験し、蚤や虱に苦しめられたという話も聞きました。その後、母校である立教女学院小学校の教員になったわけですが、とても折り目正しく、子ども達を大いに愛し、神様の目を常に意識し正直に生きる、ということを自ら律し子ども達にも強く勧める人だったと聞いています。母親の作ったプリントや入試問題などは身内ながらも非常に美しく丁寧で豊かなアイデアがあり、母親が亡くなった際の片付けでそれらが見つかったときに、大いに驚き我が身の至らなさを恥じたことを覚えています。立教小学校が創設される際には、あちらに出向いて開校の準備を手伝ったりしたこともあったようです。本当かどうか分かりませんが、「プレーデーというのは私が考えたのよ」と言っていました。 私は幼稚園の頃活発でしたが食が細く、とても痩せていて、冬場はひどい気管支炎になりやすく通院が必要になることが多く(今の姿からは想像し難い)、働いている母親には余計な苦労をたくさん強いてしまっていましたが、それでも、雨が降ったときには幼稚園までにこにこと傘を持ってきてくれ、具合が悪くなったときにはいやな顔を見せず病院に連れて行ってくれました。精一杯愛情を注いでくれたのだということを思い出します。「させていただく喜び」、「受くるより与うるが幸い」、「いつも神様にお祈りしなさい」、「正直に生きることが大事なんだよ、正直の稽古をしなさい」、「人に迷惑をかけてはいけないよ」などと、何度も聞かされておりました。
 私自身も立教女学院小学校の教員になったわけですが、教員になり立ての頃は胎教の影響か、誰もいない休日の学校に行くと、ずっと昔から自分がここにいたように感じられて落ち着きを取り戻せるので、よく学校に出向いてリフレッシュしていたものでした(近頃とは全く異なります)。当時の高校教頭の高橋純子先生とすれ違ったときに、「いい若い者が休みのたびに学校に来てるもんじゃないわよ」と笑われていました。母は息子の様子が気になるようでしたが、「いい職場に就けてよかったね」、と言ってくれました。「先生はいつもきれいにして、素敵だと思われなきゃだめよ、ネクタイもそんなつまらないのをしていかないで、ぱっとしたのをして行きなさい」、とか「何といっても弱い子をよく見てしっかりかわいがってあげなさいよ」など、うるさいくらい繰り返されました。自分自身には至らないことが多々あれども、神様と共に正しい方向を志しながら生きることができるこの職に就けたことは、本当に感謝でした。

 立教女学院小学校の校長として、立派な活躍も貢献も何一つできず、様々なご迷惑ばかりをおかけしてきましたが、その時々で周りの教職員の方々も保護者の皆様も、いつも温かく協力してくださったことを、改めて心から感謝申し上げます。
 今年度は文字通り未曾有のコロナ禍に見舞われましたが、きっと神様が守り導いてくださる、という思いは常にあり、𠮷田教頭を始めとする教職員の大奮闘と、保護者の皆様の大変力強いお支えによって、ここまでくることができました。
 4月からは新しい校長先生がご着任され、これからもこの学校は力強く前進を続けていくことと確信しています。皆様本当にありがとうございました。

2020年度 小学校のあゆみ

1学期

4月         動画配信開始
        ZOOMによるオンライン練習会
     一対一オンライン個人面談
     オンライン授業開始

5月   オンライン四時間授業開始

6月   入学記念礼拝
     分散登校開始 一学期始業式

7月   プール開き、水泳の授業
     一学期終業式

2学期

8月    二学期始業式(オンライン)
      4年生 伝統工芸体験

9月    6年生 南三陸オンラインツアー
      全学年登校開始・クラブ活動開始
      1、6年生 遠足

10月      5年生 オンラインスタディツアー
      1、2年生 学校探検
      運動会(低学年・高学年)
      6年生 日帰りプログラム
      高尾わくわくビレッジ

11月   5A  日帰りスタディツアー
      5B  日帰りスタディツアー
      4年生 日帰りスタディツアー
      チャリティ・デー 
      遠足 
      1、2年生合同生活科 秋探し
      クリスマスツリー点灯式

12月      6年生英語 EACとのオンライン交流授業
      分散登校開始
      聖歌隊 クリスマスミニコンサート
      クリスマス礼拝・聖劇・祝会 
      二学期終業式

3学期

1月   三学期始業式(オンライン)
     芸術鑑賞会「バレエの魅力」
     NBAバレエ団(オンライン) 

2月   分散登校開始
     ドッジボール大会 5年生の部

3月   6年生 狂言鑑賞(マリア礼拝堂)
     ドッジボール大会 4年生の部
     ドッジボール大会 6年生の部
     全学年登校開始
     六年生を送る会(ビデオメッセージ)
     三学期終業式 
     卒業式

6年生のみなさん ご卒業おめでとうございます

6A担任  杉本 祥子 先生

6年生にとっての小学校最終年は、何もかもが今までとはちがった一年でした。できなかった行事も多く、さぞがっかりしているだろうと思っていましたが、6年生たちは「今・ここ」を楽しむことの天才でした。「コロナ禍での6年生だったけれど、私たちはかわいそうじゃない。こんなことを乗り越えられたすごい6年生なんだ。」ある文集編集委員が発言しました。その通りだと思います。素晴らしい74名の卒業生の背中を、誇らしい気持ちで見送りたいと思います。卒業おめでとう!

6B担任  中村 萌 先生

南三陸オンラインスタディツアーのときのこと。町の方々に、これを聞かずには終われないと言わんばかりの様子で、「みなさんにとっての『当たり前』ってなんですか。」と尋ねた6年生。コロナ禍にあり生活が一変し、その状況を自分なりに受けとめ、自問自答した日々があったからだと思いました。「『当たり前』なんてないんじゃないかな。」そう返ってきた言葉に、「え?」と一瞬驚きつつも、心にじんわり染み込むように頷いたあの表情を今でも鮮明に覚えています。本当に大切なものはすぐ近くにある。その気づきを胸に、大きく羽ばたかれることを小学校から見守っています。その輝く笑顔が大好きです。ご卒業おめでとうございます!