学校生活

小学校だより

2018/9/28

第235号 2018年9月4日

盛夏の記憶より    教頭 吉田 太郎

 猛暑の夏が過ぎ、幾分過ごしやすい日がふえてきました。8月に台風がこんなにやってきたことも珍しいように、地球温暖化、異常気象、観測史上最大なんて言葉がよく聞かれた夏でした。また、中国、四国地方などの豪雨災害の甚大な被害には心が痛みます。

 さて、この夏の話題はなんといっても甲子園での秋田県代表、金足農業高等学校の大躍進でしょう。特に、常勝チームの大阪桐蔭は阪神タイガースの藤浪晋太郎選手など、多数のプロ野球選手を輩出する野球エリートが集まる私学。一方、金足農業は長い冬の間、雪で閉ざされたグラウンドで十分な練習ができないという不便さを負った県立高校。新聞やテレビも含めて日本中が彼らの熱戦に夢中になりました。100回を記念する大会ということもあり、往年の名選手たちによるレジェンド始球式、特にPL学園出身の桑田真澄選手の登場など、少年時代を思い出し胸躍らせました。
 しかしながら、実は私は高校野球、甲子園がどちらかと言うと苦手です。父親が京都の平安高校野球部出身で、広島カープで活躍した衣笠祥雄氏の一年後輩で同じキャッチャーというポジション。幼い頃から男子は野球をするのが当たり前。彼の世代は地区予選で敗れ、甲子園出場を逃したため、息子にその夢を託したいと言う無言の圧力のようなものを感じながら育ちました。小学生の頃は地域の少年野球チームに入り、友達と汗を流しましたが、期待に応えられそうになく、丸坊主にするのも嫌だったので中学で野球をやめてしまいました。野球をやめてからも、春夏の高校野球や熱闘甲子園などで特集されるサイドストーリーなどにはやはり惹かれるものを感じつつ、一方で少し引いた場所から高校野球、甲子園というものを見るようになっていきました。

 夏の甲子園大会は広島・長崎の原爆、終戦記念日と日程が重なるからでしょうか、プラカードを持って入場する球児たちの姿が、家族や母校、郷土の人たちの期待を一身に背負って歩む学徒出陣と重なって見えます。連投に次ぐ連投で肩を壊しながらも「投げさせてください」と監督に懇願する選手が特攻隊の出征と重なります。甲子園出場校50数校のうち、勝者はただ一校。残りの50校は悔し涙を流しながら、甲子園の土をかき集め、立ち上がり、涙を拭きながら持ち帰っていく姿が、敗戦で焦土と化した日本の復興をイメージさせます。戦後73年間。もしかしたら日本人は高校球児らに敗戦の記憶、そして国の再興のイメージを重ね合わせてきたのかもしれない。ちょっと飛躍しすぎかもしれませんが・・・・・・。そんなことを考えながら高校野球を観ていたら、スポーツとして楽しめなくなってしまい、とっても損した気持ちになってしまうのです。

 雨の日も風の日も、何年も何年も努力し、研鑽を積んできた球児たちの姿は紛れもなく尊いものですが、汗と涙の感動秘話として大人たちに消費されていくことには違和感を覚えてしまいます。東京オリンピック・パラリンピックも控えていますが、酷暑での開催が懸念される中、どうか選手ファーストを守ってもらいたいです。(何でもかんでも万歳ニッポン!ってのは、ちょっと……。)

 日本中が盛り上がった夏の甲子園なのに、あえて空気の読めない文章。決勝戦の直後、上空にかかった虹のように、感動だけじゃなく、いろんな価値観や考え方が許容される世界がやってくることを願っています。

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≪オーストラリア国際交流プログラム報告≫
 2018年8月25日(土)~9月2日(日)までの9日間、12名の児童(6年生10名、5年生2名)らがオーストラリアでの国際交流プログラムに参加しました。立教女学院小学校においては構想10年以上という、念願のプログラムの実現でした!海外プログラムの実施にあたっては、どこの国が適しているか、ヨーロッパ、オセアニア、北アメリカ、アジア諸国など、すべての可能性を検討してきました。治安やテロ、時差の問題、宿泊先の問題などなど、クリアしなければならない課題は山積していました。Well Learning ProjectのなかでGlobalというチームが立ち上げられ、教員たちが粘り強く検討を重ね、ようやく実現まで漕ぎつけました。
 今回のプログラムはEmmanuel Anglican College(エマニュエル・アングリカン・カレッジ=以下EAC)との出会いによって、想像をはるかに上回る、素晴らしいものになったと感じています。創立20年という比較的、新しい学校であるEACはブリスベンから南に約200キロ。海や川の美しい田舎町にあります。EACの校長のMr. Robert Tobias先生は大の親日家でもあり、学校のコーディネーターの先生やホストファミリーを引き受けてくださった保護者や学校関係者の方々の素晴らしいホスピタリティに助けられました。そして何よりもAnglican Church(英国国教会、日本では聖公会)という、居心地の良さ、これからも友人として信頼関係を築いていくことが期待できるプログラムとなりました。
 Emmanuelとはイザヤ書に登場する預言者の名前で、ヘブライ語では「神われらと共にいます」という意味があります。学校を代表する12名の子どもたちが海を渡り、異国の地で立教女学院小学校の親善大使として大いなる学びの機会を得た9日間、まさに神さまが共にいてくださることを身近に感じる体験でした。(吉田)

 

 

 

*スクールバディの子の英語は早口で、何を言っているのかほとんどわかりませんでした。でも「日本語ではなんていうのかな」と、周りの友達に聞いて何とかわかるようにがんばってくれました。私のことを一番に考えてくれていることが伝わって幸せな気持ちになれました。
*EACの子たちと、休み時間に遊びました。英語がわからなくても、日本語とかジェスチャーを使って通じる ことがわかって自信が出てきました。話しかけるときは、すこし勇気がいるけれど、明日からもどんどん自分から話しかけていきたいと思います。
*ホストファミリーは、私たちがどうしたら楽しくなるのかを考えてくださって、スーパーで品物をさしながら「どれが食べたい?」と聞いてくれました。英語がわからなくても大丈夫なように考えてくれているのだなと思いました。ホストマザーの愛情が感じられる夕飯がとてもおいしかったです。

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≪聖歌隊キャンプ報告≫
 今年で20回目となる聖歌隊キャンプ。子どもたちの奉仕活動の様子を見に、キャンプに同行してきました。
 聖歌隊キャンプは、8月20日~21日の一泊二日で行われました。夏休み中の連日の猛暑とはうって変わって、軽井沢の涼しい風が吹く中で、気持ちよく歌を練習することができました。始めは「村まつり」や「みかんの花咲く丘」などに合わせて手遊びをしながら、体と心をほぐします。ウォームアップの後は、パートごとに歌ったり、一人ずつ歌ったりしてスキルを磨きながら、翌日、老人ホームで歌う曲をひたすら練習しました。上川先生から、歌詞の意味をよく考えて気持ちをこめて歌うようにアドバイスを受けると、子どもたちの歌声がガラリと変わり、歌の情景がよく伝わるようになりました。
 夕食後には翌日のリハーサルを行いました。みすず山荘の管理人さんや厨房のスタッフ、近隣にお住まいの方々が聴きにいらしてくださいました。少し緊張しながらも気持ちをこめて一生懸命歌うと、観客の皆様が「とても上手な歌声で感動しました!」とほめてくださいました。ただ、一生懸命なあまり、表情がかたくなってしまう子も多かったので、「明日の課題は、表情ですね!」と先生からアドバイスをもらいました。
 リハーサル後は、有志の子どもたちがそれぞれの特技を活かした個人発表会を行いました。マジック、劇、クイズ、ゲーム、ダンスなど、聖歌隊の仲間を楽しませる内容が盛りだくさんで、楽しいひとときを過ごすことができました。
 2日目は、榛名にある新生会の特別養護老人ホームの4つの施設で、奉唱会を行いました。それぞれの会場で、この奉唱会を楽しみにしてくださっている方々にお会いすることができました。その方々の気持ちに応えるかのように、とてもきれいなハーモニーを奏でながら歌うことができました。また、日本の昔ながらの歌を歌う際には、聖歌隊の子どもたちが利用者の方に寄り添い、手をとりあって歌いました。初めは少し緊張していた子どもたちも、実際に利用者の方々と言葉を交わすと、緊張がほぐれ、和やかな雰囲気になりました。訪問を通して、新生会の皆さまが暖かく迎え入れてくださったことや、心から喜んでくださった姿を見られたことが、子どもたちにとって何よりも大きな喜びとなったようでした。この出会いで得た喜びを忘れず、今後も聖歌隊としてご奉仕してくれることを願っています。(尾崎)

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≪色鉛筆≫
 画面の細かい筆づかい、そういうディティールから感じられる「画家の手」の息吹なしに、本当に美術の楽しみに浸りきることはできません。また美術作品の「大きさ」そのものも、大切な美の要素です。本物の作品を鑑賞するために、夏休みにいろいろな美術館を訪れました。
 その中のひとつ、横須賀美術館で行われていた「三沢厚彦ANIMALS IN YOKOSUKA」展。クスノキから彫りだした動物シリーズ「ANIMALS」は、教科書や画集で知っている彫刻作品でした。しかし、様々な動物をほぼ原寸大で彫りだして彩色した作品は、教科書や画集で見たそれとは比べものにならないほど圧倒的な存在感をもって迫ってきました。クスノキのよい香りもしました。これは、本物の前に立たないと味わえないものです。この美術館の建物は、豊かな緑と目の前には東京湾が広がる恵まれた環境のなかにあります。建物の半分が地下に埋まっているにもかかわらず、館内には自然光があふれ、開放的な空間でゆったりとした時間を過ごせました。
 お気に入りの作品を見つけると、美術館は、より魅力的なものになります。そんな作品探しのために美術館を歩き回るのも、ひとつの楽しみ方です。これからも、いろいろな美術館を訪れ、本物の作品を鑑賞したいです。
(図工科 髙井清美)

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