学校生活

小学校だより

2018/1/13

第225号 2017年12月20日

「いのち」の連続性から    教頭  吉田 太郎

 この夏、クレアの出産から一夜明けた翌日の深夜、大正9年生まれの祖母が他界しました。97歳の大往生でした。
 満州で生まれ育った祖母は、ことあるごとに、私に戦争の話を聞かせてくれました。1931年の満州事変。その後、満州国建国の時には清の最後の皇帝、愛新覚羅溥儀をハルビン駅で日の丸の旗を振って出迎えたこと。満州で医療器具の会社を経営していた祖父と終戦の混乱の中で離散し、命からがら朝鮮半島を渡って、日本へ引き揚げ、その途中で長男を亡くし、なんとか荼毘に付して遺骨を持ち帰ることができたこと。生きて帰ることを信じて待ち続けた祖父とは、京都の舞鶴港で再会し、本当に嬉しかったこと。祖父はシベリア抑留を逃れることができたが、親戚の中には捕らわれて帰国がずっと遅れる者もいたこと。帰国後、祖父は語学力を活かして日本でホテルマンの仕事を得て、生活を建て直したそうです。暮らしが上向いた頃に新聞の購読を始めると、近所の人から引揚者の癖にと陰口を言われて悔しかったこと。その後、職場の労働争議で退職し、小さなパン屋を営むようになったこと。共働き家庭の私は近所に住む祖父母の家で、パン屋の店番をしながら、まるで「えっちゃんのせんそう」(1999年、岸川悦子著)のストーリーそのままの戦争体験談を聞かされて育ちました。
「日本が戦争に負けへんかったら、今頃もっと贅沢な暮らしをさせてやれたやろうなぁ……、満州では日本人は威張ってたからなぁ。でも、戦争で全部奪われてしもうたわ。」というのが祖母の口癖でした。そして決まって「だから、いっぱい本、読んで、勉強するんやで。賢さは誰にも奪われへんのやから」とも。
 旧約聖書に記されたバビロン捕囚の物語やホロコーストの歴史でもディアスポラ(離散)のユダヤ人たちは知識を誰にも奪われない財産と考え、一生懸命に学ぶことを奨励したということを連想しました。
 大正生まれの祖母の葬儀は親族が久しぶりに集まり、悲しいというよりも、「ありがとう」という感謝と、寂しいという気持ち、そして昭和の戦争の記憶がまた一つ、消えていく。そんな印象を抱かせるものとなりました。
 9頭の子犬たちの誕生と祖母の死という出来事は改めて「いのち」について考える時を私に与えてくれました。すべての「いのち」は繋がっていて、この奇跡的な連続性の中に「今」があり「私」があるということ。そして、「今」私たちの目の前にいる子どもたち一人ひとりも同様に「いのち」の繋がりの連続であるということ。
『アブラハムはイサクをもうけ、イサクはヤコブを、ヤコブはユダとその兄弟たちを・・・・・・、このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。』(マタイによる福音書1章2節~)
 その日も「いのち」の連続であり、「今」の延長線上にあるということ。だからこそ、「今」私たちに与えられている子どもたちはこんなにも輝いて見えるのかもしれません。 

 年末年始には、ご実家などへ帰省される機会もあるでしょう。ぜひ繋がりやルーツといったファミリーヒストリーについて話題にしてみてください。親族や家族で一緒に過ごす時間もいつもより多くある、この冬休みをどうか大切に過ごしていただきたいと思います。
 風邪やインフルエンザが猛威をふるっています。安全、健康に気をつけ、よいクリスマスをお迎え下さい。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 

≪2年生まつり
 
12月13日、1年生をご招待して、2年生まつりを行いました。10月から、少しずつ準備をすすめてきました。11月終わりにはインフルエンザの流行のため一週間の学年閉鎖期間があり、12月に入ってからは、「2年生まつりの準備が間に合うかなぁ。」と心配しながら過ごした毎日でした。
 まず、どんなお店にするか、グループで相談することから始まりました。去年の2年生が楽しませてくれたことを思い出して、一人ひとり、知恵を振り絞り意見を出し合いながら、1年生が喜んでくれることは何だろうかと考えを深めていきました。6人グループで、12個のお店を出しました。ゲームやさんや、おばけやしき、マジックなどのお店を出すことにしました。
 2年生まつり当日。朝から「今日は1年生のためにがんばるぞ!」とやる気満々の子どもたちでした。ご招待した1年生が来ると満面の笑みで、一生懸命に自分たちの出し物に取り組んでいました。また、ご招待した1年生もとっても楽しんでくれていました。その姿を見て、「一から企画することはとっても大変だったけれど、1年生が喜んでくれて本当に嬉しかった。」と口々に言っていました。また、2年生同士でもお店を回り合い、お互いのお店を楽しみました。「1年生のころは、招待されていて、こんなにも裏で2年生ががんばってくれていたことを知らなかった。」「1つのことをやりきることはとっても大変だけれど、楽しいということがわかった。」などと言っており、2年生にとって大きな成長につながる行事になったことと思います。(2年 石原、五十嵐)
(日記より)
・いっぱい1年生がきてくれてうれしかったです。わたしは、いろいろなおり紙が教えられて楽しかったです。おり紙をがんばって作ったかいがあったな、と思いました。
・1年生もよろこんでくれたし、わたしも楽しんだので、またやれたらいいなあと思いました。
・1年生が2年生まつりを楽しんでくれていたらいいなと思いました。ずっと2年生まつりをやっていたかったです。
・さいしょはとてもきんちょうしたけれど、とちゅうからはぜんぜんきんちょうもせず楽しくなってきて、とてもよい1日になりました。
・ペアの1年生が自分のお店に来てくれてうれしかったです。またこういう楽しいことをきかくしたいです。

こんなお店がありました!たとえば・・・
   
  これなんだ?ゲーム      まとあて&わなげ       さけびのやしき

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

≪6年生 ふれあい天文学
 12月7日、国立天文台から永井洋(ながいひろし)さんを迎えて出張授業“ふれあい天文学”を行いました。遠い宇宙を身近に感じてほしい、近隣の三鷹市には日本を代表する研究機関である国立天文台があることを知ってほしい、という思いから実施することとなりました。永井さんは、南米チリにある世界最大級の大型電波望遠鏡群“アルマ望遠鏡”を使い、惑星誕生のメカニズムや地球外生命体の可能性を探る研究をなさっています。それは私たちに馴染みのある望遠鏡ではなく“電波”をとらえる望遠鏡であること、設置されているチリの標高5000mにあるアタカマ砂漠の過酷な環境など、初めて聞く宇宙研究の世界に、メモを取りながら真剣に聞き入っていました。特に子どもたちが驚いていたのは、アルマ望遠鏡の性能。アルマ望遠鏡の視力は人間の視力に例えると、視力6000。それは大阪に落ちている1円玉を東京から見分けられる能力に相当するそうです。
 11月に“月と太陽”を学習し、単元の最後には少し視野を広げて火星、海王星、地球と宇宙の未来など、班でテーマを考えて調べ学習をしました。宇宙についてより詳しく知りたい子も多く「アルマを作るのにどれくらいの時間がかかりますか」「望遠鏡の中で一番視力が良いものは何ですか」「ブラックホールには出口はありますか」「人間が生きられる惑星は他にありますか」「宇宙に端はありますか」など、30分間では足りないほど質問タイムは大いに盛り上がました。永井さんも子どもたちの熱意に一つひとつ丁寧にこたえてくださり、最先端の研究と研究者に触れる貴重な機会となりました。 (理科 亀山)
6年生の感想より)
・私は今回宇宙の広さを知り、その中の点のような地球の中の1人だと思うと、不思議な気持ちになりました。地球外生命体の存在を明らかにするのに気が遠くなるような時間がかかるのに、それをコツコツと研究している研究者さんたちの姿勢がすごいと思いました。なぜ研究を続けられるのかとよく聞かれるが、解き明かすことが楽しいとおっしゃっていました。自分の仕事を楽しんでやれているのがいいなと思いました。
・宇宙に地球に似た星や人間のような生命体が見つかっておらず、地球や私たち人間が特別なものであることを聞いて、地球だけでも広いのに宇宙の中で私たちは、とっても小さいものなのだなと感じました。
・今年の夏休みの自由研究でも「ロケット開発の歴史」というテーマで宇宙について調べるくらい好きです。本当に宇宙のことを調べていることを仕事にしている人があこがれの人になりました。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

≪3・4年生 作家のおはなしを聞く会 ~たかどうほうこ先生をお迎えして~ ≫
 今年度は「つんつくせんせい」シリーズや『まあちゃんのながいかみ』で小さいころから親しまれ、『緑の模様画』といった長編作品も多数お書きになっている高楼方子先生にお越しいただきました。子どもの頃のことや作品について等々、たくさんのことについて軽快にお話くださり、人となりや作品について知る愉しい時間となりました。少しご紹介します。(読書 本宮) 

 得も知れない魔法の粉をふりかけたようなお話(文学)の魅力・・・・・・・・・・
 リンドグレーンやケストナーの作品を読んでわくわくしたのは12歳の時。本の面白さはストーリーだけではないのね。そこに溢れている光、愉しい感じ、流れている何ともいえない雰囲気が自分に合っているかどうか。得も知れない魔法の粉をふりかけたような面白さ。そこにあるのは紙に文字だけ(楽しい絵もあったりするけど)なのに、それはすごく自由なことで、違う世界に行けたりするし、心が慰められたり救われることもある。物語の持つ力は大きいと思うの。作家になろうって思ったけど、ならなくても好きなことだったの。お話を作り出すっていうのは、一人で出来ることで、自由な気持ちになれたのね。
 あきらめなければ叶うこともある夢・・・・・・・・・・
(私の場合)大人の助けがあったの。「いいわね。いいわね。」って言われると嬉しくなるでしょ。小さい頃は姉と大きなシーツのような布に町の絵を考えて描いたり、中学1年の時出会った先生に、書いた文章をほめられたり「私もその本大好き」って言っていただいたり。作家に順調になれたように思ったかもしれないけど、大変なこともいっぱいあったのよ。夢はあきらめなければ叶うこともあるのよね。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

≪金砂郷のみなさまをご招待!
 昨年に引き続き、お世話になっている茨城県金砂郷のみなさまを、小学校のクリスマスにお招きしました。
おめでとうランチも一緒にいただき、「再会」と「降誕」、2つの喜びを分かち合いました。


  • よくある質問
  • お問い合わせ
  • 交通アクセス
  • サイトマップ
  • リンク集
  • このサイトのご利用にあたって/個人情報の取扱いについて