学校生活

小学校だより

2018/9/28

第235号 2018年9月4日

盛夏の記憶より    教頭 吉田 太郎

 猛暑の夏が過ぎ、幾分過ごしやすい日がふえてきました。8月に台風がこんなにやってきたことも珍しいように、地球温暖化、異常気象、観測史上最大なんて言葉がよく聞かれた夏でした。また、中国、四国地方などの豪雨災害の甚大な被害には心が痛みます。

 さて、この夏の話題はなんといっても甲子園での秋田県代表、金足農業高等学校の大躍進でしょう。特に、常勝チームの大阪桐蔭は阪神タイガースの藤浪晋太郎選手など、多数のプロ野球選手を輩出する野球エリートが集まる私学。一方、金足農業は長い冬の間、雪で閉ざされたグラウンドで十分な練習ができないという不便さを負った県立高校。新聞やテレビも含めて日本中が彼らの熱戦に夢中になりました。100回を記念する大会ということもあり、往年の名選手たちによるレジェンド始球式、特にPL学園出身の桑田真澄選手の登場など、少年時代を思い出し胸躍らせました。
 しかしながら、実は私は高校野球、甲子園がどちらかと言うと苦手です。父親が京都の平安高校野球部出身で、広島カープで活躍した衣笠祥雄氏の一年後輩で同じキャッチャーというポジション。幼い頃から男子は野球をするのが当たり前。彼の世代は地区予選で敗れ、甲子園出場を逃したため、息子にその夢を託したいと言う無言の圧力のようなものを感じながら育ちました。小学生の頃は地域の少年野球チームに入り、友達と汗を流しましたが、期待に応えられそうになく、丸坊主にするのも嫌だったので中学で野球をやめてしまいました。野球をやめてからも、春夏の高校野球や熱闘甲子園などで特集されるサイドストーリーなどにはやはり惹かれるものを感じつつ、一方で少し引いた場所から高校野球、甲子園というものを見るようになっていきました。

 夏の甲子園大会は広島・長崎の原爆、終戦記念日と日程が重なるからでしょうか、プラカードを持って入場する球児たちの姿が、家族や母校、郷土の人たちの期待を一身に背負って歩む学徒出陣と重なって見えます。連投に次ぐ連投で肩を壊しながらも「投げさせてください」と監督に懇願する選手が特攻隊の出征と重なります。甲子園出場校50数校のうち、勝者はただ一校。残りの50校は悔し涙を流しながら、甲子園の土をかき集め、立ち上がり、涙を拭きながら持ち帰っていく姿が、敗戦で焦土と化した日本の復興をイメージさせます。戦後73年間。もしかしたら日本人は高校球児らに敗戦の記憶、そして国の再興のイメージを重ね合わせてきたのかもしれない。ちょっと飛躍しすぎかもしれませんが・・・・・・。そんなことを考えながら高校野球を観ていたら、スポーツとして楽しめなくなってしまい、とっても損した気持ちになってしまうのです。

 雨の日も風の日も、何年も何年も努力し、研鑽を積んできた球児たちの姿は紛れもなく尊いものですが、汗と涙の感動秘話として大人たちに消費されていくことには違和感を覚えてしまいます。東京オリンピック・パラリンピックも控えていますが、酷暑での開催が懸念される中、どうか選手ファーストを守ってもらいたいです。(何でもかんでも万歳ニッポン!ってのは、ちょっと……。)

 日本中が盛り上がった夏の甲子園なのに、あえて空気の読めない文章。決勝戦の直後、上空にかかった虹のように、感動だけじゃなく、いろんな価値観や考え方が許容される世界がやってくることを願っています。

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≪オーストラリア国際交流プログラム報告≫
 2018年8月25日(土)~9月2日(日)までの9日間、12名の児童(6年生10名、5年生2名)らがオーストラリアでの国際交流プログラムに参加しました。立教女学院小学校においては構想10年以上という、念願のプログラムの実現でした!海外プログラムの実施にあたっては、どこの国が適しているか、ヨーロッパ、オセアニア、北アメリカ、アジア諸国など、すべての可能性を検討してきました。治安やテロ、時差の問題、宿泊先の問題などなど、クリアしなければならない課題は山積していました。Well Learning ProjectのなかでGlobalというチームが立ち上げられ、教員たちが粘り強く検討を重ね、ようやく実現まで漕ぎつけました。
 今回のプログラムはEmmanuel Anglican College(エマニュエル・アングリカン・カレッジ=以下EAC)との出会いによって、想像をはるかに上回る、素晴らしいものになったと感じています。創立20年という比較的、新しい学校であるEACはブリスベンから南に約200キロ。海や川の美しい田舎町にあります。EACの校長のMr. Robert Tobias先生は大の親日家でもあり、学校のコーディネーターの先生やホストファミリーを引き受けてくださった保護者や学校関係者の方々の素晴らしいホスピタリティに助けられました。そして何よりもAnglican Church(英国国教会、日本では聖公会)という、居心地の良さ、これからも友人として信頼関係を築いていくことが期待できるプログラムとなりました。
 Emmanuelとはイザヤ書に登場する預言者の名前で、ヘブライ語では「神われらと共にいます」という意味があります。学校を代表する12名の子どもたちが海を渡り、異国の地で立教女学院小学校の親善大使として大いなる学びの機会を得た9日間、まさに神さまが共にいてくださることを身近に感じる体験でした。(吉田)

 

 

 

*スクールバディの子の英語は早口で、何を言っているのかほとんどわかりませんでした。でも「日本語ではなんていうのかな」と、周りの友達に聞いて何とかわかるようにがんばってくれました。私のことを一番に考えてくれていることが伝わって幸せな気持ちになれました。
*EACの子たちと、休み時間に遊びました。英語がわからなくても、日本語とかジェスチャーを使って通じる ことがわかって自信が出てきました。話しかけるときは、すこし勇気がいるけれど、明日からもどんどん自分から話しかけていきたいと思います。
*ホストファミリーは、私たちがどうしたら楽しくなるのかを考えてくださって、スーパーで品物をさしながら「どれが食べたい?」と聞いてくれました。英語がわからなくても大丈夫なように考えてくれているのだなと思いました。ホストマザーの愛情が感じられる夕飯がとてもおいしかったです。

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≪聖歌隊キャンプ報告≫
 今年で20回目となる聖歌隊キャンプ。子どもたちの奉仕活動の様子を見に、キャンプに同行してきました。
 聖歌隊キャンプは、8月20日~21日の一泊二日で行われました。夏休み中の連日の猛暑とはうって変わって、軽井沢の涼しい風が吹く中で、気持ちよく歌を練習することができました。始めは「村まつり」や「みかんの花咲く丘」などに合わせて手遊びをしながら、体と心をほぐします。ウォームアップの後は、パートごとに歌ったり、一人ずつ歌ったりしてスキルを磨きながら、翌日、老人ホームで歌う曲をひたすら練習しました。上川先生から、歌詞の意味をよく考えて気持ちをこめて歌うようにアドバイスを受けると、子どもたちの歌声がガラリと変わり、歌の情景がよく伝わるようになりました。
 夕食後には翌日のリハーサルを行いました。みすず山荘の管理人さんや厨房のスタッフ、近隣にお住まいの方々が聴きにいらしてくださいました。少し緊張しながらも気持ちをこめて一生懸命歌うと、観客の皆様が「とても上手な歌声で感動しました!」とほめてくださいました。ただ、一生懸命なあまり、表情がかたくなってしまう子も多かったので、「明日の課題は、表情ですね!」と先生からアドバイスをもらいました。
 リハーサル後は、有志の子どもたちがそれぞれの特技を活かした個人発表会を行いました。マジック、劇、クイズ、ゲーム、ダンスなど、聖歌隊の仲間を楽しませる内容が盛りだくさんで、楽しいひとときを過ごすことができました。
 2日目は、榛名にある新生会の特別養護老人ホームの4つの施設で、奉唱会を行いました。それぞれの会場で、この奉唱会を楽しみにしてくださっている方々にお会いすることができました。その方々の気持ちに応えるかのように、とてもきれいなハーモニーを奏でながら歌うことができました。また、日本の昔ながらの歌を歌う際には、聖歌隊の子どもたちが利用者の方に寄り添い、手をとりあって歌いました。初めは少し緊張していた子どもたちも、実際に利用者の方々と言葉を交わすと、緊張がほぐれ、和やかな雰囲気になりました。訪問を通して、新生会の皆さまが暖かく迎え入れてくださったことや、心から喜んでくださった姿を見られたことが、子どもたちにとって何よりも大きな喜びとなったようでした。この出会いで得た喜びを忘れず、今後も聖歌隊としてご奉仕してくれることを願っています。(尾崎)

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≪色鉛筆≫
 画面の細かい筆づかい、そういうディティールから感じられる「画家の手」の息吹なしに、本当に美術の楽しみに浸りきることはできません。また美術作品の「大きさ」そのものも、大切な美の要素です。本物の作品を鑑賞するために、夏休みにいろいろな美術館を訪れました。
 その中のひとつ、横須賀美術館で行われていた「三沢厚彦ANIMALS IN YOKOSUKA」展。クスノキから彫りだした動物シリーズ「ANIMALS」は、教科書や画集で知っている彫刻作品でした。しかし、様々な動物をほぼ原寸大で彫りだして彩色した作品は、教科書や画集で見たそれとは比べものにならないほど圧倒的な存在感をもって迫ってきました。クスノキのよい香りもしました。これは、本物の前に立たないと味わえないものです。この美術館の建物は、豊かな緑と目の前には東京湾が広がる恵まれた環境のなかにあります。建物の半分が地下に埋まっているにもかかわらず、館内には自然光があふれ、開放的な空間でゆったりとした時間を過ごせました。
 お気に入りの作品を見つけると、美術館は、より魅力的なものになります。そんな作品探しのために美術館を歩き回るのも、ひとつの楽しみ方です。これからも、いろいろな美術館を訪れ、本物の作品を鑑賞したいです。
(図工科 髙井清美)

2018/9/4

第234号 2018年7月20日

終業式を迎えて    校長 佐野 新生

 1学期の終業式を迎えることができました。西日本の広い範囲を襲った豪雨で、210人以上の方々の命が奪われ、土砂崩れや浸水、川の氾濫等による甚大な被害が発生したと報じられています。犠牲になられた方々のご冥福と、酷暑の中で大きな困難を抱えている方々に速やかな回復と神様の導きが豊かに与えられることを心から願っています。
 このところ、過去に経験のない類いの各種の災害が多発するようになってきたように思えてなりません。既に34度、35度、といった東京の気温も別段珍しいことではなくなってしまいました。専門家の中では温暖化の影響による地球規模での気候変動は共通の認識となっているとの報道もありました。これからも、様々な事態が起こり得ると認識し、注意深く毎日の生活を送っていきたいと考えています。いわずもがなの事ですが、夏休み中の体調管理、安全確保には、十分なご配慮をお願いいたします。

 6月29日からの軽井沢キャンプも全期間無事に終わりました。立教学院のみすず山荘をお借りしてのキャンプの4年目となりました。雨に悩まされた行事もありましたが、特に大きなトラブルに見舞われることなく、無事に終えられたことを感謝しています。私は3年生+6年生の3・4期のキャンプに付き添いましたが、6年生は3年生に生活の仕方を教え、自分たちもそうだったように良い思い出をたくさん作ってあげよう、と、頑張っていました。生活の中で明らかになってきた個人としての課題や問題点も正直に受け止め、長い夏休みのスタートに際し、また新たな決意を持ってよりよい自分を築いていこうとする努力を日々確実に進めて欲しいと期待しています。

 このところ厳しい批判も投じられているマザー・テレサですが、生き方の指針を与えてくれる言葉も数多く残されています。

 「人は不合理、非論理、利己的です。気にすることなく、人を愛しなさい。あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう。気にすることなく、善を行いなさい。目的を達しようとするとき、邪魔立てする人に出会うでしょう。気にすることなく、やり遂げなさい。善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう。気にすることなく善を行い続けなさい。あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう。気にすることなく正直で誠実であり続けなさい。助けた相手から恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。気にすることなく助け続けなさい。あなたの中の最良のものを世に与え続けなさい。気にすることなく、最良のものを与え続けなさい。」

 様々なご協力を心から感謝申し上げます。どうか良い夏休みをお過ごしください。

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≪キャンプ報告≫

3年生 キャンプを楽しもう
 3年生にとっては、初めてのキャンプ。「キャンプ生活を『たのしみ』ましょう」という目標のもと、とにかく元気に!楽しく!笑顔で!という意気込みで2泊3日を過ごしました。たくさんの仲間と関わって、協力しながら、ともに過ごす時間を大切にしました。キャンプ生活の全てが初めての体験となる3年生を全面的に支えてくれたのは、ベテランの6年生。キャンプ場での生活の仕方や係の仕事はもちろんのこと、キャビン紹介、野外炊事、キャンプファイヤーなど、常に3年生に寄り添いながら、キャンプの楽しみ方を教えてくれました。
 キャンプ準備が始まった当初はなかなか6年生に話しかけることもできない様子の3年生でしたが、みんなでアイデアを出し合いながら準備をしていく中で、積極的に話せるようになりました。また、分からないことがあったら自分から6年生に質問したりすることもできるようになりました。キャンプ中は、常に一生懸命!自分の係の仕事も、責任をもって楽しく取り組んでいました。6年生に励まされたり、応援されたりすることが、3年生の意欲や力に繋がったのだと思います。
 今回のキャンプ生活で経験したことや学んだことを生かして、来年のキャンプは、自分たちで考えて楽しみを発見してほしいと思います。(小田・吉村)
          

4年生 楽しみを発見しよう
 4年生のテーマは『自分たちで考えて、「たのしみ」を発見しましょう。』です。担任は特に「あそぶ・ふれる・やってみる」の3つを経験してほしいという願いをもってキャンプに出かけました。
【あそぶ】
 普段の学校生活では、思いっきり遊ぶ時間が取れません。プログラムに余裕をもたせたので、日ごろ関わりの少ない友だちともたくさん遊べたようです。広い芝生のあるみすず山荘で「遊びきった!」子どもたちの顔からは、清々しさが感じられました。
【ふれる】
 軽井沢の自然にたくさん触れてほしいと思い、3日目、自然博士のピッキオの方々と共に野鳥の森に出かけました。鳥の声を聴いたり、おとしぶみを見つけたり、桑の実を食べたり……お話を聞きながらたくさんの生き物や植物にふれることができました。
【やってみる】
 学校生活の中では、全員が人前に立ちクラスや学年を先導するという機会はなかなか作れませんが、キャンプでは全員が係の仕事を担い、一度は前に立って声を出す体験をしてほしいという気持ちがありました。実際、一人ひとりが責任をもって、自分の与えられた係を一生懸命とこなし、周りの友だちのために働いている姿をたくさん目にすることができました。また、うまくいかなくてもそれを受け入れる温かい仲間の姿も見られました。

 野外炊事やキャンプファイヤーなど、どのイベントでも子どもたちが主体的に行動する姿があり、仲間と協力する喜びを感じることができた4日間でした。(中村・五十嵐)

5年生 楽しみを造りだそう
 5年生のキャンプ目標は「たのしみを創りだしましょう」です。
 家族とはなれて暮らす軽井沢でのキャンプ生活では、楽しいだけでなく、みんなが気持ちよく生活するために守らなければならない「きまり」や、果たさなければならない「役割」があります。同じ目的にむかって力を合わせようと務めること、同時に今はまだ力を発揮できない人を批判したり、排除したりするのではなく、いっしょにやっていくことを目指しましょう。たのしみを創りだすためには、「共に生きる」という視点をもってキャンプ生活をやっていきましょう。という大きなテーマを掲げ、キャンプがスタートしました。
 5年生の野外炊事はそれぞれのグループで考えた自由献立。つるやに買出しに出かけ、工夫を凝らしたお料理に挑戦しました。「見た目はちょっと悪いけど、味は最高!」と大きなお鍋を完食。火の番や調理、後片付けなどそれぞれが役割を担い、果たしたからこそ得られた満足感でした。
 夕立で野鳥の森でのナイトハイクはキャンセルとなりましたが、ピッキオの専門家の方々から軽井沢町での「ツキノワグマと人との共生」についてのワークショップで興味深いお話を伺い、ここでもクマを駆除するのではなく、上手に自然とつきあっていく。という話に、私たちが課題とする「共に生きる」ことの大切さに通じるものを感じました。
 嬬恋では生産者から直接、キャベツや新鮮なお野菜をお土産にいただきました。キャンプで出会った人たち、体験や経験は楽しかった思い出とともに、共に生きることの大切さ、難しさ、そして素晴らしさについて感じる、考えるきっかけになってくれることを願っています。(飯澤・吉川)

6年生 楽しみを与えよう
 6年生にとって最後のキャンプの目標は「人に楽しみを与えましょう」。最初の顔合わせのときから、どうしたら初めてキャンプに行く3年生に心を寄せて接することができるか、6年生のほうが少し緊張しているようでした。でも、いざキャンプが始まると、3年生の目線に合わせて腰をかがめて話しかけたり、外で遊んだり、野外炊事で一緒に野菜を切ったりと、今までの経験を生かしながら優しく接している6年生の様子は微笑ましいものでした。3年生が帰京したあとは、信濃路自然遊歩道のハイキングや、自分たちで企画したプログラムをクラスの仲間たちと、みすず山荘の芝生の上で思い切り遊んだりスイカ割りを楽しんだりしました。
 6年生キャンプは、小学校キャンプの集大成ともいえるもので、下級生を連れて行くこと、6年生のクラスの仲間との親睦や絆を深めるという2つの大きな目的があります。3年生との時間の中では、下級生である3年生を意識して過ごすことで改めて自分を客観的に見つめることができたようです。6年生だけのプログラムでは、準備の段階から仲間ととことん話し合い、互いが自分の思いや意見を充分に出し合える時間や場所がたくさんありました。自分を見つめ、仲間のことを考えるよい機会になったようです。キャンプで得たたくさんの学びや充実した経験が、これからの学校生活に生かされていくものと考えています。(高橋・鈴木)
          

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≪今年もホタルがやってきました≫
 7月13日、卒業生の御祖父、小林義忠さんに、ホタルの観察会を行っていただきました。2012年より開催され、今回で6回目となります。真っ暗の中で、ほのかに瞬くホタルの光を見て「わあ!」「きれい…」と歓声が上がり、猛暑の続く中、気持ちも涼やかになるひとときでした。最後のクラスでは明かりをつけ、暗闇では見ることができないホタルの姿を観察し、図鑑では学べない本物にふれるすばらしい機会となりました。小林さん、ご協力ありがとうございました。(理科 大澤)

2018/7/20

第233号 2018年6月27日

異なる存在との新たなる出会い    教頭  吉田 太郎

 カンヌ映画祭、パルムドール受賞で話題の『万引き家族』、もうご覧になった方も多いのではないでしょうか。この作品について語るには到底紙幅が足りませんので、今回はこの映画の中の、とても印象的な場面で朗読された『スイミー』について、鑑賞後、私自身がもやもやしながら?考えたことを共有させていただきたいと思います。

 『スイミー』(Swimmy)はオランダ出身のアメリカ人作家、レオ・レオニの1962年の作品です。日本語訳は谷川俊太郎で『スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし』として親しまれてきた絵本です。光村図書の2年生の国語教科書に採用されたのが1977年という事ですから、親子2代にわたって読み継がれてきた絵本の一つです。

 レオ・レオニは1910年、オランダのアムステルダムに生まれ、ベルギー、イタリアと移り住み、1939年にアメリカへ亡命しました。きっかけはイタリアのファシスト政権誕生への危惧と人種差別法への抵抗だといわれています。その後、1945年にアメリカ国籍を取得し、広告代理店、新聞社などでグラフィックデザイナーとして働きながら、絵本作家としてデビューします。デビュー作は孫のために創った『あおくんときいろちゃん』(Little Blue and Little Yellow 1959年)。「あおくん」と「きいろちゃん」がある日、重なり合い、混じり合うことで新しい「みどり」という色になることに気づく。互いに尊重し、影響しあう個という存在が描かれた作品でした。

 さて、前置きが長くなりましたが、絵本『スイミー』について、思い返してみましょう。赤い魚の兄弟の中で一匹だけ真っ黒で小さな魚だったスイミー。泳ぎが得意で誰よりも速く泳げたことから、他の赤い兄弟たちはみんなマグロに食べられたのに、一匹だけ生き残ります。兄弟を失った悲しみの中、暗い海の中を一匹で放浪しながら、様々な魚たちに出会います。「顔を見るころには尻尾を忘れているほど長いウナギ」「水中ブルドーザーみたいなイセエビ」など。自分とは違う異質な存在、様々な出会いがスイミーを成長させていきました。そしてある日、マグロに怯えて暮らす兄弟たちそっくりの魚たちに出会い、小さいという弱点を克服する術を仲間たちに提案します。スイミーは自分の真っ黒な身体を活かして目となり、マグロを追い払い、逃げ隠れすることなく自由に泳げる世界を取り戻していく。というお話です。

 レオ・レオニはこの作品で何を表現しようとしたのか。国語の授業では子どもたちも様々に感じ、考えるのでしょう。大人になって改めてこの作品を読み返しますと、自己実現、自己表現、勇気や知恵、多様性と個性の尊重など、海よりもまだ深い、テーマが内包されていることに驚かされます。敢えて、この『スイミー』を現代的な解釈で読み直すならば、私はここにキリスト教学校が育てようとする人間像を見出します。作中に描かれた「風に揺れる桃色のやしの木みたいなイソギンチャク」や「虹色のゼリーのようなクラゲ」といった異なる存在との新たなる出会いを成長の糧とし、世界の大きな困難に仲間と共に立ち向かい、自らは「目」となり(役割を担い)、奉仕する者として働こうとする。スイミーはそのロールモデルといえるのではないでしょうか。

 映画や絵本など、作家が何を表現し、何を伝えようとしたのか、そして私たちは何を考え、どのように感じるのか。お子さんの教科書(本棚の絵本)を引っ張り出して、親子で語り合ってみてはいかがでしょうか。くれぐれも大人の解釈を押し付けるようなことはしないように細心の注意を払いながら。

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≪テノール歌手ジュリアン・グレゴリー氏来校≫
 世界的に活躍している男声アカペラグループ「キングス・シンガーズ」のメンバーで、日英音楽協会合唱団の副音楽監督でもあるジュリアン・グレゴリー氏が来校し、朝の礼拝で歌声を聞かせくださいました。来校は昨年に引き続き2回目です。
 礼拝ではアンセムとして「Amazing Grace」を、礼拝後には、ヘンデル作曲「Largo」日本の唱歌「ふるさと」を披露してくださいました。

 音楽は世界中の人とつながることができる大切なツールです。これからも音楽を愛し、音楽と関わる生活を送ってください。

と、メッセージをくださいました。テノールの美しい歌声に、心が温まる礼拝となりました。(音楽科 上川)

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≪陸上記録会 報告≫
 6月4日(日)成蹊学園にて、第40回陸上記録会が開催されました。日頃の体育実践の発表と児童相互の親睦を深める機会として、この時期に毎年開催されています。
 今年は、都内の私立小学校11校が参加。選考会を経て、本校からは4年生2名、5年生3名、6年生11名の計16名が学校代表として出場しました。
 選手たちは、素晴らしい競技場で、少し緊張しながらも自己記録の更新を目標に精一杯がんばりました。天候に恵まれ、他校の選手とも競い合うことができ充実した1日となりました(体育科 草苅)

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≪出会おう!プロフェッショナル≫ ~作曲家多田彰文(ただあきふみ)先生をお迎えして~
 6年生の音楽の授業で、作曲家の多田彰文先生をゲストティーチャーとしてお招きし、全3回にわたり合奏の授業を指導していただきました。
 取り組む曲は「スターウォーズ メインタイトル」です。耳馴染みのある曲ではありますが、三連符やシンコーペーションが多用され、リズムが複雑です。足先でビートをとらえながら、手拍子で二分割、三分割する練習を教えてくださいました。三連符がうまく出来ないときは「キャベツ」「しぶや」などの言葉をはめると良い、ということも教えてくださいました。
 先生の言葉で印象的だったのは、「間違うことを恐れない」という言葉です。「まずは一生懸命練習する。その上で本番で間違えたとしても、それはその日その場所でしか起こり得ない偶然の出来事。聴衆にとっては特別な思い出になるのです。ですから間違うことを恐れないで、自分の気持ちを素直に表現しましょう。」と。
 時に子どもたちは、間違って目立つことを恐れ、のびのびとした表現ができていないことがあるように感じます。そのような子どもたちにとって、心強いメッセージでした。
 最終回には多くの保護者が参観にきてくださり、成果を発表しました。子どもたちは皆、多田先生のやさしく丁寧なご指導のおかげで、自信を持って自分らしい表現ができていました。特別ゲストとしてお連れくださった、ドラムの宮本ブータン知聡(ともあき)さんとのセッション、「スターウォーズスペシャルアレンジ」には、子どもたちも大人たちも大喜び。良い学びと良い思い出ができました。(音楽科 上川)

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≪大きくなあれ わたしの やさい≫
 5月中旬より、2年生では、生活科の学習の一環として野菜を育てています。今年度は、全員同じ野菜を育てるのではなく、一人ひとりに育ててみたい野菜を選んでもらいました。自分の好きな野菜を愛情をもって育ててほしいという思いと、それぞれの野菜の共通点や相違点に気づいてほしいという願いからです。
 野菜を育てるにあたり、それぞれの学級で、ミニトマト・ピーマン・なす・おくら・えだまめの5種類から、自分が育ててみたいものを1つ選びました。「私はミニトマトが大好きだから!」という理由から決める子もいれば、「どんな風に育つか見てみたいから、えだまめにしたい!」と言っている子もいました。それぞれの思いをもって野菜を選ぶことができました。
 子どもたちは野菜の苗が届く日を心待ちにしていました。いよいよ苗の植え替えの日になると、子どもたちは朝から大喜びでした。それぞれ好きな野菜の苗を受け取り、根を傷つけないようにそっと植えました。「葉っぱの形がぜんぜん違う!」「なすは茎が紫色っぽい!」など、違いに気づく子もいました。植えた後には、土をかけて、そっと水をやりました。「大きく育つといいなぁ!」という、子どもたちのつぶやきから、楽しみな気持ちが伝わってきました。
 子どもたちは毎日、朝と放課後に水やりをしています。毎日の水やりの中で、葉っぱが大きくなることや、花が咲くことに喜びを覚えています。実がなり始めている鉢もあり、「早く食べたいな。うれしい!!」と喜びを報告してくれる子もいました。どの子も、日々の野菜の成長を楽しみにしている姿が見られます。また、それぞれの野菜の花の色や形の違いを見つけ、どうして色が違うのかを予想し合う場面もありました。今後も引き続き、野菜を育てる活動を通して、植物を育てる楽しさと喜びを実感すると同時に、植物の多様性への理解を深められればと思っています。(2年 尾崎)

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≪色鉛筆≫
 今年度から、私は器楽クラブを担当することになりました。自分自身も、中学校の3年間は弦楽合奏クラブに所属していたので、すごく楽しみでした。器楽クラブには、もともとバイオリンの先生と、チェロの先生、そしてトランペットを担当する堀口史哲先生がいます。月に1回、プロのフルートの先生も来てくださっていますが、初心者ながら私もフルートの担当をすることになりました。ただ見ているだけではつまらない、やるなら一緒にやりたい、と思った私は、体験レッスンに行き、フルートを吹いてみることにしました。人生初の体験です。しかし……。音が、思うように出ない。バイオリンもチェロも、音を出すことが難しいと思った記憶がなかった私は、「え、こんなに難しいの?」と驚きました。あんなに滑らかに演奏している歴代器楽クラブの子たちが吹いているフルートと、これは同じ楽器なのか?と疑ってしまうほど、私には衝撃的な瞬間でした。それを体験レッスンの先生に伝えると、「私にとっては弦楽器の方が難しいですよ!」と言われ、「それもそうだけど……」とどちらの難しさも理解できるものの、先が見えない不安にかられました。ただ、できないものは残念ながら、すぐにできるようにはなりません。5・6年生が初心者である4年生を教えているのを横に、私も同じ練習をしています。少しずつでも、上達していけるように、これからも一緒に頑張っていきたいと思っています。(鈴木)

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